しずおか連詩、終了。土曜日の夕方に完成し、日曜の午後に聴衆のみなさんを前に発表会を行いました。主催は静岡県文化財団、共催は静岡新聞社・静岡放送。大岡信さんの提唱で始められた会ですが、他に類例のない試みです。
三角みず紀さんの第1詩
おだやかに澄まされた耳元が
今日という日が晴れたとて
昨日の森がどうであったのか
明日が何色に見えるのか
快晴に染まりながら問われている
に始まり、ぼくの第40詩
「地獄の門」の実在を信じる必要はない
生命の薪は燃えて新しいかがり火となる
朝の美しい約束が海岸で待っている
に終わる作品の全体は、本日の静岡新聞朝刊に掲載されています。
今年のタイトル「昨日の森から明日の色へ」は歴代最年少参加者である三角さんの第1詩からとられたもの。三角さんの大胆な語法、川口さんのエレガントな知性、城戸さんのパウンド的博識、野村さんの誠実な探求心、共同制作には最高の仲間たちでした。
主催・共催のみなさんには本当に本当に良くしていただいて、どんなにお礼を申し上げても足りないほどです。日々の引率者だった静岡新聞企画事業局の杉山朋子さん、担当記者の岡本妙さんをはじめとするみなさま、ほんとうにありがとうございました。
聴衆のみなさんも熱心で、現代詩にこれだけの関心が集まるのは珍しいのではないでしょうか。この会が年ごとに新たに続けられることを心から願います。
ぼくにとっては秋の小さな旅、そして意識の大きな旅でした。