21日〜23日はニューヨーク大学で開催されたアメリカ比較文学会に参加。12名によるセミナー形式で、毎朝4名ずつが発表して議論する形式です。ぼくは日曜日にエドゥアール・グリッサンと中上健次についてごく簡単なことを話しました。年来のテーマですが、このところお留守になっていて、新しいことは何もいえず。今年、新しい気持ちでとりくみます。
火曜日に帰国し、水曜日は学位授与式。木曜日はゼミで、新年度の方針をみんなで話しあいました。金曜日は今年で退職する同僚を送る会。
そして週末は沖縄へ。Omar Books(北中城村島袋)とボトルネック(那覇市栄町市場内)という雰囲気のまったく違う2会場で、大川景子監督によるリービ英雄をめぐるドキュメンタリー『異境の中の故郷』の上映会を開催していただきました。いずれも満員、大川監督および温又柔さんとの鼎談も、まずまず意味のある話になったのではないかと思います。台湾とは特別に関係の深い沖縄で、この作品を見ていただき話し合うことができたのは非常によかった。次は中国語字幕版を台湾で、英語字幕版をアメリカで、上映するのが目標です。もちろん国内でも今後もさまざまな場所で上映を続けていきますので、どこかでごらんください。
31日(月)は柴田元幸さんが東大をお辞めになるのを記念して開催された「世界文学朗読会」に参加。ぼくは「れにくさ」5号に発表したスティーヴン・クレイン小詩集から8つほど短い詩を読みました。読んでいて、改めてクレインのおもしろさを実感。できれば今年、クレイン詩集を出したいと思っています。
そして4月。3日には「見えない波」報告会を、古川日出男、石田瑞穂とともに、明治大学リバティータワーで開催します。詳細は下記に。ご都合のつく方はぜひいらしてください。
みなさん待望のティム・インゴルド『ラインズ』も、いよいよ刊行です。工藤晋訳、左右社。ぼくは巻末に短い解説を書いています。読めば「あっ」と新鮮な気持ちになる本です。お楽しみに!