古川日出男の書き下ろし戯曲、蜷川幸雄演出の『冬眠する熊に添い寝してごらん』を見ました。上演時間3時間35分の大作。2頭の犬、2頭の熊が舞台で大活躍する、まったくぼく好みの作品で、強烈におもしろかった。
古川日出男の想像力はここでも日本近代の全体を相手にしています。エネルギー、軍備、開発、野生動物たちの運命。すべてが絡み合い、息つくひまもない展開。鈴木杏は大女優の貫禄、上田竜也も予想をはるかに越えてすばらしい演技でした。
チケットは発売後即時完売、立ち見席も発売されて超満員ですが、キャンセルなども少しはあるようです。直接会場に問い合わせれば、まだ可能性があるかもしれません。
古川日出男はこれから本格的に演劇に帰っていくのかなあ。それもおもしろい。そして蜷川さん以外の誰にも、こんなに荒唐無稽で大掛かりな演出はできなかったでしょう。
大仏が転回したその瞬間、大きな笑い声を立てました。最高です。