あっというまの一年でした。いろいろなことがありました。立ち止まって考えました。答えもないままに、次の一歩。
ひとつ心残りなこと。今年もいろいろな方からたくさんの新刊書を送っていただき、ありがとうございました。お礼を出さずじまいで、申し訳ありません。
でも本と本はいつでも思いがけないかたちでつながり、いったん水面下に沈んでもまた突然ひょっこり顔を出すもの。
かわうそやビーバーのような本たちのそんなふるまいのために、来年も小さく小さく活動していきたいと思います。
Monday, 31 December 2012
Saturday, 29 December 2012
クリスマス・イヴ公演を終えて
24日の『銀河鉄道の夜』、おかげさまで昼も夜も満員。冬を溶かすくらいの熱気に包まれて、2回の公演を終えることができました。さすがにその日はへとへと!(通しのリハーサルを含めて3回やったので。)しかも小島くんは38度以上の熱を押しての熱演でした(駄洒落じゃないよ)。
うれしい感想をたくさんもらいましたが、まずは批評家の佐々木敦さんのツイートから。「そして後半が『銀河鉄道の夜』。随所に寸劇的な要素も入った、朗読の域をはるかに越え出た、極めて完成度の高いリーディング演劇になっていた。とにかく四人の声の魅力に聴き惚れる。僕はこのまま音盤化出来ると思った。古川さんの変幻自在さ、管さんの深みと落ち着き、そして柴田さんの英語の叙情」
なぜか、昼と夜はかなり出来映えがちがいました。それはたぶんお客さんの反応にぼくらが反応しているから。でもどちらがよかったというのではなく、昼のほうが「初々しかった」という声もあり、夜のほうが「自由だった」という声もありました。これからも一回ごとに姿を変えてゆく、永遠の未完成作品でありたいと思っています。
初めての人も、くりかえし見ていただいている人も、ぜひ来年も、どこかの公演を見に来てください。
うれしい感想をたくさんもらいましたが、まずは批評家の佐々木敦さんのツイートから。「そして後半が『銀河鉄道の夜』。随所に寸劇的な要素も入った、朗読の域をはるかに越え出た、極めて完成度の高いリーディング演劇になっていた。とにかく四人の声の魅力に聴き惚れる。僕はこのまま音盤化出来ると思った。古川さんの変幻自在さ、管さんの深みと落ち着き、そして柴田さんの英語の叙情」
なぜか、昼と夜はかなり出来映えがちがいました。それはたぶんお客さんの反応にぼくらが反応しているから。でもどちらがよかったというのではなく、昼のほうが「初々しかった」という声もあり、夜のほうが「自由だった」という声もありました。これからも一回ごとに姿を変えてゆく、永遠の未完成作品でありたいと思っています。
初めての人も、くりかえし見ていただいている人も、ぜひ来年も、どこかの公演を見に来てください。
Saturday, 22 December 2012
「アサヒカメラ」2013年1月号
「アサヒカメラ」の新年号の展評セクションで「神話のことば ブラジル現代写真展」(資生堂ギャラリー)の評を書きました。pp.218-219。
一見の価値あるおもしろい展示です。あ、明日(23日)までだ! 銀座に行ったらぜひどうぞ。
一見の価値あるおもしろい展示です。あ、明日(23日)までだ! 銀座に行ったらぜひどうぞ。
サンゴ礁の明日?
明日の明治大学リバティーアカデミー。東大の茅根創さんに、太平洋の島国ツバルのサンゴ礁のお話をうかがいます。地球システム学から見た海面上昇エトセトラ。
興味がある方、ぜひどうぞ!
https://academy.meiji.jp/course/detail/975/
興味がある方、ぜひどうぞ!
https://academy.meiji.jp/course/detail/975/
Tuesday, 18 December 2012
「読売新聞」書評委員会
読売の書評委員は任期2年。年末ごとに、半数が入れ替わります。今年限りで去ったのは、朝吹真理子さんや池谷裕二さん、ほか。そして新たに加わったのが、石田千さんや開沼博さんら。すっかり仲間になったみなさんと別れるのは悲しいけれど、新しい仲間とまた一年いろいろ話し合いながら進めてゆくのが楽しみです。
2013年も毎月2本が目標です!
2013年も毎月2本が目標です!
Monday, 17 December 2012
クリスマス・イヴの銀河鉄道
いよいよ1週間後、渋谷・サラヴァ東京での朗読劇『銀河鉄道の夜』公演です。
http://l-amusee.com/saravah/schedule/log/20121224.php
体験しなければわからない、何にも似ていない世界。ぜひ見にきてくださいね。
ペア券(ふたりで6000円)がお得です!
受験を考えているみなさんへ
年が明けるとすぐ、新領域創造専攻の2期入試の出願です。来春からは中野の新キャンパスで展開。授業を基本的に6限、7限にかため、社会人でも単位を取得できるようにします。
興味がある人は気軽に相談に来てください。まずは大学院修士課程で何をやりたいか、1200字程度の作文を郵送してください。
214-8571(個別郵便番号)
明治大学理工学部 管啓次郎
まで。映像制作、写真、美術、批評、文化研究、文芸創作。まずはやりたい分野の構想を聞かせてください!
興味がある人は気軽に相談に来てください。まずは大学院修士課程で何をやりたいか、1200字程度の作文を郵送してください。
214-8571(個別郵便番号)
明治大学理工学部 管啓次郎
まで。映像制作、写真、美術、批評、文化研究、文芸創作。まずはやりたい分野の構想を聞かせてください!
Sunday, 16 December 2012
「砂漠について」
土曜日、日本女子大学にて開催された多民族学会で「砂漠について」と題した講演をおこないました。主としてチカーノ文学のふたりの作家、いずれもエル・パソ出身のアルトゥーロ・イスラスとレイ・ゴンサレスについて話しました。
しばらく離れていたチワワ砂漠の風景が、話すことによって頭の中によみがえった一日。<文学体>literary bodyという以前からの考えについても話す機会になりました。日頃、大学で文学の授業をもっているわけではないので、自分にとっても新鮮。
お世話になった松本昇さん、齋藤修三さんをはじめとするみなさま、ありがとうございました!
しばらく離れていたチワワ砂漠の風景が、話すことによって頭の中によみがえった一日。<文学体>literary bodyという以前からの考えについても話す機会になりました。日頃、大学で文学の授業をもっているわけではないので、自分にとっても新鮮。
お世話になった松本昇さん、齋藤修三さんをはじめとするみなさま、ありがとうございました!
読売書評#25
赤松美和子『台湾文学と文学キャンプ』(東方書店)。12月16日掲載。
台湾文学を支える毎夏の各地の文学キャンプ、文学営。その起源は国民党の下部組織・救国団の反共教育で、それが熱心な編集者たちによって作り換えられていったのだそうです。ぼくらが一緒に映像制作のワークショップを開催している政治大学も、もとはといえば国民党の幹部養成学校でした。
また、有名なアイオワ大学のライティング・プログラムを夫のポール・エングルとともに作ったジョウ(耳を三つ組み合わせた字)華苓も、救国団の文学キャンプの講師だったという意外な事実。つまり、アメリカの大学における「創作科」は、この台湾の文学営の直接の影響下にはじまったというわけです。これは、賭けてもいいけれど、世界文化史において、アメリカの大学業界の側からはまったく見えていない事実でしょう。
日本でも文学キャンプをやってみるとおもしろそう。どこか、興味のある出版社の方、ぜひ連絡してください。われわれ、新領域創造専攻との共催で、やってみませんか?
台湾文学を支える毎夏の各地の文学キャンプ、文学営。その起源は国民党の下部組織・救国団の反共教育で、それが熱心な編集者たちによって作り換えられていったのだそうです。ぼくらが一緒に映像制作のワークショップを開催している政治大学も、もとはといえば国民党の幹部養成学校でした。
また、有名なアイオワ大学のライティング・プログラムを夫のポール・エングルとともに作ったジョウ(耳を三つ組み合わせた字)華苓も、救国団の文学キャンプの講師だったという意外な事実。つまり、アメリカの大学における「創作科」は、この台湾の文学営の直接の影響下にはじまったというわけです。これは、賭けてもいいけれど、世界文化史において、アメリカの大学業界の側からはまったく見えていない事実でしょう。
日本でも文学キャンプをやってみるとおもしろそう。どこか、興味のある出版社の方、ぜひ連絡してください。われわれ、新領域創造専攻との共催で、やってみませんか?
Thursday, 13 December 2012
今日の啓示
今日、職場の業務で、事務室のトンボ鉛筆を使いました。鉛筆自体、ひさしぶり。するといやでも目に入るのがTombowというその綴り。トンボ鉛筆は来年で創業百年だそうですが、ずっとこの綴りを使い続けたのだろうか。
不思議な綴りです。むかしからそう思っていた。トムボウか。なぜこうしたんだろう、と考えていると、はたと思い当たりました。Tomboと書いても、たぶん発音はトムボウで大差ありません。しかしそうすると、Tomb(墓)の連想がつきまとう!
「墓の人、死びと」のような感じで受けとめられるのを避けるために、Tombowにしたにちがいない。どうしてこんなことをいままで考えつかなかったのだろう、と思うくらい、明らかなものだという気がします。
それはともかく、鉛筆っていいですね。これから鉛筆ばかり使おうかな。鉛筆削りの小刀とともに。少しは落ち着いた気持ちになれるかもしれません、あの削りたての匂いを嗅げば。
みなさん、12月をなんとかがんばりましょう。そしてくれぐれも、改憲だの徴兵だの国益だのを売り歩く政党や政治家に丸めこまれないようにしましょう。
不思議な綴りです。むかしからそう思っていた。トムボウか。なぜこうしたんだろう、と考えていると、はたと思い当たりました。Tomboと書いても、たぶん発音はトムボウで大差ありません。しかしそうすると、Tomb(墓)の連想がつきまとう!
「墓の人、死びと」のような感じで受けとめられるのを避けるために、Tombowにしたにちがいない。どうしてこんなことをいままで考えつかなかったのだろう、と思うくらい、明らかなものだという気がします。
それはともかく、鉛筆っていいですね。これから鉛筆ばかり使おうかな。鉛筆削りの小刀とともに。少しは落ち着いた気持ちになれるかもしれません、あの削りたての匂いを嗅げば。
みなさん、12月をなんとかがんばりましょう。そしてくれぐれも、改憲だの徴兵だの国益だのを売り歩く政党や政治家に丸めこまれないようにしましょう。
Wednesday, 12 December 2012
「週刊朝日」12月21日号
おかげさまで週末のオムニフォン・シンポジウムは盛況。きわめて充実した発表の連続でした。
そのシンポジウムにぜひとも(かなうことなら)招きたかったのが、パリ在住の関口涼子さん。彼女が訳したマティアス・エナール『話してあげて、戦や王さま、象の話を』(河出書房新社)の書評を「週刊朝日」に書きました。
ぼくが行ったことのないイスタンブルの魅力があふれる佳作です。冬休みにお勧めします!
そのシンポジウムにぜひとも(かなうことなら)招きたかったのが、パリ在住の関口涼子さん。彼女が訳したマティアス・エナール『話してあげて、戦や王さま、象の話を』(河出書房新社)の書評を「週刊朝日」に書きました。
ぼくが行ったことのないイスタンブルの魅力があふれる佳作です。冬休みにお勧めします!
Saturday, 8 December 2012
「世界文学におけるオムニフォンの諸相」
いよいよ本日と明日! 土屋勝彦さん(名古屋市立大学)を中心とする科研費グループのシンポジウムです。明治大学和泉図書館ホール(明大前)にて。
世界文学の現在に興味がある方は、ぜひどうぞ。
http://www.meiji.ac.jp/sst/grad/information/2012/6t5h7p00000dxpba.html
世界文学の現在に興味がある方は、ぜひどうぞ。
http://www.meiji.ac.jp/sst/grad/information/2012/6t5h7p00000dxpba.html
Monday, 3 December 2012
Saturday, 1 December 2012
「水牛のように」12月号
木曜日、下北沢B&Bでの朗読会は満員。お越しいただいたみなさま、ありがとうございました。金曜日、新領域創造専攻修士研究中間発表会。土曜日、学部の推薦入試面接。そんな感じで12月に突入し、木の葉も本格的に色づいてきました。さくらの落葉がきれいな季節。
「水牛のように」12月号です。ぼくは「犬狼詩集」6片。「時制論」シリーズも、そろそろ完成に近づいてきました。
http://www.suigyu.com/sg1212.html
「水牛のように」12月号です。ぼくは「犬狼詩集」6片。「時制論」シリーズも、そろそろ完成に近づいてきました。
http://www.suigyu.com/sg1212.html
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