快晴の降誕祭の日。17日に亡くなったわれわれの友人、石井康史のお別れの会が開かれました。
ラテンアメリカ文学者(特にアルゼンチン文学と批評理論の専門家)だった石井くんは30年来の友人。スタンフォード大学で学位をとり、ダートマス大学勤務を経て、慶應で教えていました。話好きで、全分野にわたる話がじつにうまく、面倒見がよく、友情に篤い。またギターがうまく(ロックからボサノバまで)、ポピュラー音楽にかけては国境など存在しないかのように知識がありました。
2年間の闘病生活もよくがんばり抜き、最後はキューバのミュージシャンのように瀟洒な白い麻のスーツを着て旅立っていきました。
多くの友人たちが参列した葬儀で、友人代表の旦敬介くん、教え子代表の南映子さんの心のこもった弔辞がみなさんの涙を誘いました。最後には、旦くん、上田紀行くんとともに、ぼくも骨を拾って彼を送りました。
さびしくなりました。でも彼と一緒に聴いたいろんな曲、彼と試みたギターのセッションなどを思い出すたび、ああ、いまも石井はここにいるじゃないか、とすなおに思えるのも不思議です。
悲しみに沈むよりは、つねに新しい言葉と音楽を求め、また潑溂と生きようと試みることのほうが、はるかに彼の心に近いと思います。誰にとっても旅はつづきます。いまはただvaya con dios! と声をかけて、彼に別れを告げることにしたいと思います。
いずれにせよ再会はすぐそこだ!