25回目を数える今年をもって幕を下ろす、「東京の夏」音楽祭。これまで、ずいぶんいろいろ楽しませてもらった。
今年の目玉はウクレレのエディ・カマエ。ハワイアン・ルネサンスの中心人物、現在われわれが知るかたちでのハワイアン音楽を作り上げてきたひとり。今年で82歳という高齢にもかかわらず、その演奏も歌も、ほれぼれとする成熟ぶり。
驚いたことに、日本のハワイアン・ファンも層が厚い! 満席、かなり平均年齢は高いが、ほとんどロッケンロールといいたいパワフルな演奏をよく受け止め、またヒット曲をハワイ語の歌詞で合唱する。理想的な聴衆だろう。
おかげで青山がそのままワイキキになり、この上なくリラックスした、美しい夕べになった。
ハワイはいい、ハワイはそのまま遠い世界に通じている。ポリネシアの中でも、なぜハワイだけが、あそこまで洗練された踊りと音楽をもつことになったのか。それをまた、アオテアロアやサモアで考えてこよう。