Thursday, 2 July 2009

ルはどこにいった?

朝日新聞の夕刊を見て、目を疑う。あれだけ学生たち(建築学科を含む)にくりかえしてきたことが、朝日新聞の記者には、まったく伝わっていないので(あたりまえ?)。

ル・コルビュジエの名から「ル」を省略することはできません。それが記事のサブタイトルである「コルビュジエ作品群 世界遺産「見送り」」に始まって、記事中で5カ所、ル・コルビュジエは無惨にも「コルビュジエ」にされている。

記者は責めずにおこう。責めを負うべきは校閲部(というのかどうか知らないけれど)。ル・コルビュジエの場合とはちょっとちがうけれど(いわば舞台名に対する本名なので)ル・クレジオの「ル」も省略することはできない。まさか、姓の一部を勝手に省略してどうする。ところがいずれも、これでもか、というほど多くの印刷媒体で、このまちがいがくりかえされている。

ついでにいうと、まったく別の話だけど、ベニシオ・デル・トロの名を「ベニチオ」と書くのはやめてほしい。スペイン語をイタリア語にするつもりですか。ましてや、他にも数多くの姓名や地名の、より正確な表記にわざわざ朱を入れてくる愚はぜひともやめてほしい、というのが翻訳者からのお願い。