Monday, 7 October 2019

日本ケベック学会(10月6日)

立教大学で開催された日本ケベック学会のシンポジウムで話しました。

シンポジウムのタイトルは「旅、歴史、ポエジー 場所と時間をつなぐもの」。関未玲さん(愛知大学)を司会に、羽生敦子さん(立教大学)が航海者シャンプランについて、石橋正孝さん(立教大学)がジュール・ヴェルヌとナイアガラの滝について。いずれも非常に興味深いお話。

ぼくはケベックとはまったく関係なく、「旅を書くことを学ぶ」という題で自分の本『コロンブスの犬』がいかにジル・ラプージュ『赤道地帯』に多くを負っているかを話しました。自分の話だけでいいのかとも思いましたが、出版30年めの『コロンブスの犬』はすでに他人の本みたいなもの。20代に考えていたことを再点検するいい機会でした。

今回はダニー・ラフェリエールさんが基調講演者。彼は非常におもしろい。作品も何冊も日本語訳が出ていますが、どれもいい。ハイチ出身で20代にはモンレアルで不法就労していた彼が、いまやアカデミー・フランセーズのシャンスリエという要職についている、というアイロニカルな事実もおもしろい。きょうはリービ英雄さんとの対談があるみたいです。行きたいが、行けるかな。