姜信子さん講演とワークショップ
「読む書く歌う旅をする」
明治大学理工学研究科新領域創造専攻・管啓次郎研究室では、作家の姜信子さんをお招きして、講演とワークショップを開催します。
関心をお持ちの方は、お誘い合わせの上、お気軽にご参加ください。
日時 6月4日(土)14:00〜16:00
場所 明治大学中野キャンパス208教室
主催 明治大学理工学研究科新領域創造専攻・管啓次郎研究室 (044-934-7275)
入場無料・予約不要 (当日会場で必ず受付をお願いします)
テクスト 姜信子『声 千年先に届くほどに』(ぷねうま舎)
姜さんからのメッセージ
「中央アジアからはじまった歌の旅をたどりつつ、現在の語りの旅へと至る話をし
ようと思っているのですが、中央アジア、八重山、台湾、ハンセン病療養所とい
う孤島、済州島と話は流れていくと思います。
それは、論理で構成された<書く>から、<歌うように書く><祈るように書く>
へと、じりじりと、何度も枠を壊しては作り、作っては壊してきた、私の<読む
書く歌う旅をする>の日々の話にもなるかと思います。
そして、私のテキストを実際に歌い語るとどういうことになるのか、というのを
三味線で弾き語る祭文語りとともにやってみたいと思っています」
Friday, 27 May 2016
「みやこからみずうみへ」
5月21日〜23日にかけて、京都府立大学・松田法子研究室と合同ゼミ合宿を開催しました。
初日は叡山電鉄「修学院」駅から歩いて雲母坂を経て山道に入り、比叡山頂上。ついでそのまま反対側の門前町・坂本まで歩き、湖畔の雄琴で宿泊。
2日目は京阪「浜大津」駅からレンタカーを使い、琵琶湖の沖島、安土城考古博物館を見学して、琵琶湖北端のしずかなしずかな菅浦へ。
3日目は菅浦の集落調査から竹生島、そして近江八幡市円山地区の水郷地帯の水路で小さな舟旅を体験。
京都と琵琶湖周辺の地形・水系・交通の歴史的展開に主題をしぼった、非常に充実した旅ができました。松田研究室もぼくの研究室も学生数が少ないので、ちょうどいい感じ。参加したみんなも相互に仲良くなれて、今後のそれぞれの研究につなげられそうです。
ぼくは、きわめてタフなフィールドワーカーとしての松田さんの歩きっぷりと観察眼に、多くを学ぶことができました。 松田先生、そしてゼミ生のみなさん、ほんとうにありがとうございました!
初日は叡山電鉄「修学院」駅から歩いて雲母坂を経て山道に入り、比叡山頂上。ついでそのまま反対側の門前町・坂本まで歩き、湖畔の雄琴で宿泊。
2日目は京阪「浜大津」駅からレンタカーを使い、琵琶湖の沖島、安土城考古博物館を見学して、琵琶湖北端のしずかなしずかな菅浦へ。
3日目は菅浦の集落調査から竹生島、そして近江八幡市円山地区の水郷地帯の水路で小さな舟旅を体験。
京都と琵琶湖周辺の地形・水系・交通の歴史的展開に主題をしぼった、非常に充実した旅ができました。松田研究室もぼくの研究室も学生数が少ないので、ちょうどいい感じ。参加したみんなも相互に仲良くなれて、今後のそれぞれの研究につなげられそうです。
ぼくは、きわめてタフなフィールドワーカーとしての松田さんの歩きっぷりと観察眼に、多くを学ぶことができました。 松田先生、そしてゼミ生のみなさん、ほんとうにありがとうございました!
『ヴァルター・ベンヤミンの墓標』
報告を忘れていましたが、コロンビア大学の人類学者マイケル・タウシグの著書『ヴァルター・ベンヤミンの墓標』(水声社)刊行を記念して、5月17日(火)に池袋ジュンク堂本店にて、訳者のひとり金子遊さんとの対談を行いました。
ミック・タウシグは、ぼくがいちばん親近感を覚えてきた人類学者。きわめて鋭いエッセイストで、精神的には両大戦間フランスのコレージュ・ド・ソシオロジー系の思想家たち(バタイユ、レリス、そしてベンヤミンもそこに関わっていた)に近い位置から、広範な文化批評を書いています。中欧系ユダヤ家庭を背景にもつオーストラリア人。
この晩は、満員。実際にタウシグの授業に出ていた前嵩西一馬さん(文化人類学)、柳原孝敦さん(ラテンアメリカ文学)、中村隆之さん(フランス語圏カリブ海文学)なども発言してくれて、思い出に残る集いとなりました。
同時に、いつかはタウシグ論を書かなくては、という気持ちにもなりました。ちょっとまとまった長さで。今年の後半で、それができれば、と思います。そして遠からずまたニューヨークに行き、彼にインタビューしたいと思ってます。
ミック・タウシグは、ぼくがいちばん親近感を覚えてきた人類学者。きわめて鋭いエッセイストで、精神的には両大戦間フランスのコレージュ・ド・ソシオロジー系の思想家たち(バタイユ、レリス、そしてベンヤミンもそこに関わっていた)に近い位置から、広範な文化批評を書いています。中欧系ユダヤ家庭を背景にもつオーストラリア人。
この晩は、満員。実際にタウシグの授業に出ていた前嵩西一馬さん(文化人類学)、柳原孝敦さん(ラテンアメリカ文学)、中村隆之さん(フランス語圏カリブ海文学)なども発言してくれて、思い出に残る集いとなりました。
同時に、いつかはタウシグ論を書かなくては、という気持ちにもなりました。ちょっとまとまった長さで。今年の後半で、それができれば、と思います。そして遠からずまたニューヨークに行き、彼にインタビューしたいと思ってます。
Tuesday, 24 May 2016
5月28日は下北沢に!
その刊行記念イベントを、28日(土)に下北沢のB&Bで開催します。ぼくと宮地尚子さん(精神科医、文化精神医学)の対談です。
http://bookandbeer.com/event/20160528_lemoncake/
2006年にエイミーが来日したとき、宮地さんにも会っていただき、また「すばる」での小特集にはエッセーを書いていただきました。
父親と姉が精神科医という、ある意味、典型的なユダヤ系インテリ家庭に育ったエイミーの世界に、ぼくとは別の角度から光を当ててくれることでしょう。ぜひ、いらしてください! そしてこの日、新刊書をお買い求めください。
http://bookandbeer.com/event/20160528_lemoncake/
2006年にエイミーが来日したとき、宮地さんにも会っていただき、また「すばる」での小特集にはエッセーを書いていただきました。
父親と姉が精神科医という、ある意味、典型的なユダヤ系インテリ家庭に育ったエイミーの世界に、ぼくとは別の角度から光を当ててくれることでしょう。ぜひ、いらしてください! そしてこの日、新刊書をお買い求めください。
エイミー・ベンダーの長篇
カリフォルニアの人気作家エイミー・ベンダーの長篇第2作『レモンケーキの独特なさびしさ』の翻訳が、28日に出版されます(KADOKAWA)。本当なら6年前の2010年、原著とほぼ同時に出すつもりだったのですが、2011年3月11日以後の日々、いろいろな予定がすっかり狂ってしまい、なかなか完成させられずにいました。
ロス・アンジェルスを舞台とする、少女ローズとその兄の成長の物語。というといかにもありきたりに聞こえますが、エイミーならではの知的なユーモアとさびしさ、冷徹な分析と抑制のきいた激情が、独特な世界へ誘ってくれます。
ぜひ、読んでみてください。
ロス・アンジェルスを舞台とする、少女ローズとその兄の成長の物語。というといかにもありきたりに聞こえますが、エイミーならではの知的なユーモアとさびしさ、冷徹な分析と抑制のきいた激情が、独特な世界へ誘ってくれます。
ぜひ、読んでみてください。
Tuesday, 10 May 2016
ニューヨークで
コロンビア大学に裏千家が寄付した基金により毎年開催されるのが「セン・レクチャー」。これまでに武満徹、司馬遼太郎、瀬戸内寂聴、桐野夏生といった人たちが招かれてきたこの一般向けの講演を、今年はぼくが担当しました。
http://www.keenecenter.org/download_files/2016_sen_lecture_waves.jpg
"Invisible Waves: Japanese Artists After March 11, 2011"と題する英語講演。大体自作朗読が40パーセント、アーティストたちの活動紹介が60パーセントで、とりあげたのは畠山直哉(写真)、高山明(演劇)、片桐功敦(華道)、岡部昌生(美術)のみなさん。この5年間のかれらの心をなぞるようにして、言葉を組み立てていきました。4月28日(木)、バーナード・カレッジのレーマン講堂にて。
ぼくは話を長い詩「かかしの神」の朗読でしめくくり、そのまま今年の3月に完成したばかりの短編ドキュメンタリー『水の記憶、土の記憶』(監督・古木洋平、制作・赤阪友昭、脚本・管啓次郎)を上映。さいわい、非常にいい反応を得ることができました。
ついで5月2日(月)には、日本におけるアート、パフォーマンス、社会詩学を主題とするシンポジウムが開催され、そこでは高山明さんのアーティスト・トークにつづいて、彼とぼくの公開対話を行いました。当然ながら、焦点となるのは「東京へテロトピア」。演劇、パフォーマンス研究者が集まり、小規模だけれど熱気のある、充実した会でした。
さらにニューヨーク市を離れて、鉄道で5時間半、ニューヨーク州中部のユティカの町へ。 5月5日にはハミルトン・カレッジでゲスト授業と講演を行い、この美しい小さなキャンパスで、楽しいひとときを過ごすことができました。
コロンビア大学にお招きくださったマリリン・アイヴィー教授(文化人類学)、ハミルトン・カレッジにお呼びいただいた大森恭子教授(比較文学)、そしてお世話になったみなさんに、心からお礼を申し上げます。
http://www.keenecenter.org/download_files/2016_sen_lecture_waves.jpg
"Invisible Waves: Japanese Artists After March 11, 2011"と題する英語講演。大体自作朗読が40パーセント、アーティストたちの活動紹介が60パーセントで、とりあげたのは畠山直哉(写真)、高山明(演劇)、片桐功敦(華道)、岡部昌生(美術)のみなさん。この5年間のかれらの心をなぞるようにして、言葉を組み立てていきました。4月28日(木)、バーナード・カレッジのレーマン講堂にて。
ぼくは話を長い詩「かかしの神」の朗読でしめくくり、そのまま今年の3月に完成したばかりの短編ドキュメンタリー『水の記憶、土の記憶』(監督・古木洋平、制作・赤阪友昭、脚本・管啓次郎)を上映。さいわい、非常にいい反応を得ることができました。
ついで5月2日(月)には、日本におけるアート、パフォーマンス、社会詩学を主題とするシンポジウムが開催され、そこでは高山明さんのアーティスト・トークにつづいて、彼とぼくの公開対話を行いました。当然ながら、焦点となるのは「東京へテロトピア」。演劇、パフォーマンス研究者が集まり、小規模だけれど熱気のある、充実した会でした。
さらにニューヨーク市を離れて、鉄道で5時間半、ニューヨーク州中部のユティカの町へ。 5月5日にはハミルトン・カレッジでゲスト授業と講演を行い、この美しい小さなキャンパスで、楽しいひとときを過ごすことができました。
コロンビア大学にお招きくださったマリリン・アイヴィー教授(文化人類学)、ハミルトン・カレッジにお呼びいただいた大森恭子教授(比較文学)、そしてお世話になったみなさんに、心からお礼を申し上げます。
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