Saturday, 26 March 2016

音楽詩劇「星の王子さま」

金沢にある、元紡績工場を改造して作られている総合文化施設が金沢市民芸術村。ここのふたりのディレクターがそれぞれサン=テグジュペリ『星の王子さま』と芥川『地獄変』を舞台化しました。3月26、27日の両日に公演。

で、きょう26日の公演に行き、アフタートークに出演してきました。

『星の王子さま』は作曲家でフルート奏者の木埜下大祐さんの作品。原作のいくつかの場面と木埜下さんご自身のテクストを、オリヴィエ・ビルマンさんと美緑トモハルさんが読み、全編をフルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロの演奏がいろどる総合的作品で、曲の良さ、言語の大胆なコラージュ、星を表す大きな白い風船、スクリーンに投影される夜空など、強烈な印象を残します。

この原作からの引用部分に、ぼくの訳文(角川文庫)が使われ、そのご縁でご招待いただいたもの。ひさびさの金沢で、おもしろい夕べを過ごさせていただきました。

上野賢治さんによる『地獄変』のほうは、俳優、ダンサー、演奏家が集まり、これもきわめて印象的な作品。「コラボ」という安売りされがちな言葉が、まったくごまかしなくほんとうに実現されている、稀有の作品です。明日、日曜日も、この2作品の上演(14時から)。この機会に、ぜひどうぞ!