2009年9月11日金曜日

味愉嬉食堂のごまだし

佐伯(さいき)は握り鮨の名店がそろっていることでも知られていて、豊後水道の地魚を中心にした鮨の水準の高さは大都市ではとてもかなわない。ドバイの王室にまで出前している寿司源のような店もある。鮨や干物はもちろんすべていいが、ぼくが好きなのは「ごまだし」。

エソという魚の身をほぐして胡麻と擦り合わせ、醤油で味を整えたペースト。うどんを茹でて、これを大さじ一杯入れ、お湯を注ぐだけで、最高の味が楽しめる。

ふるさと的感覚がまったく欠如したぼくにも、この味だけは懐かしい。あるときまで、叔父が作っては送ってくれていた。今回も佐伯に着いて真っ先に行ったのが、市街地の中心にほど近い味愉嬉食堂。ごまだしうどん(400円)と冷やしごまだしうどん(500円)を頼んで、たちまち口いっぱいにひろがる海そのものみたいな味わいにみたされる。

感動するのは、味愉嬉のお兄ちゃん(たぶんお母さんと二人で店をやっている)のきっぷのよさ。うどんの旨さを堪能していると、これ食べてみて、ともってきてくれたのが、きびなごの飴煮。材料は一緒。エソの餌になる小さなきびなごと胡麻だから、なるほど、そのとおり。これもうまい。

それに加えて帰りがけ、手みやげ代わりにもたせてくれたのが、エソの卵を焙ったもの。(たらこより一回り小さいが味は似ている。)ぼくが歩きに歩いて汗だくで店に入ったので、歩き疲れたとき塩分の補給にもなるし元気が出る、といってくれたのだった。アルミホイルで包んでおやつにくれる、その心遣いがうれしい。

ちなみにこの食堂、ぼくは馴染みでもなんでもなくて、初めて入った。別に身の上話をしたわけでもない。お客さん、どっからね?と聞かれて、東京だよ、と答えただけ。とことん気前のいい若主人だった。

ごまだしの作り方は、同食堂のホームページが惜しげもなく公開している。

http://www.gomadashi.com/gomadashi.html

ひと瓶が7食分で、630円。これだけ安くて、これだけ確実にうまいものは、あまりない。ごまだし、ばんざい。いつかごまだしパーティーを開きたい。青梅の河原でやったら、最高だろうな。