Thursday, 7 November 2019

ゼミで制作ジャム (1)

きょうは大学院ゼミにアルゼンチンの大学院生フリアが遊びに来たので、「千羽ハチドリ」のフォーマットを応用したワークショップをやりました。任意の本の 見開きに、予め適当な3語がマークされている。それを使って3行詩を書くというもの。8人でそれぞれに書いたものが、こう並びました(最初のものだと「癩 病院」「白昼」「様子」が課題語)。

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島は癩病院だった
白昼の通りで
息をひそめて様子をうかがう

革命家の肖像を寝室に飾った
中国系アメリカ人の彼女は
スマホからすべてのアプリを排除した

問題の答えは遠くにはない
すでに端緒は手のなかにあって
皺にめり込んだ素粒子に存在している

未完成な文体で
脆い戦術しかとれないけど
詩に人種隔離はない

フォークソングばかり聴きすぎた
ベトナム戦争の音も
プア・ホワイトの声もきこえない

競技場で暑さがなにも通訳してくれない
ヴェトナムの写真をみたのを思い出してる
ポケットのなかにビスケットのクズがあるだけ

量子力学を考えると
徹底的に時間線を乱して
過去の自分と未来の自分が会えるかも

ピントグラスのうしろに
音の機材が聞こえる
誇張して働きます