Sunday, 18 August 2013

読売書評 #39

ジョン・フランクリン『子犬に脳を盗まれた!』(桃井緑美子訳、青土社)。8月18日掲載。

人と犬の共生関係、共進化の歴史をめぐる科学エッセーと、著者自身の愛犬チャーリーとのつきあいをめぐる回想。プライベートなものを通じて発見される学知の世界、というポピュラー・サイエンスの常道を行く本ですが、楽しめました。

ただ、犬そのものをめぐる経験がそんなにない人だという点があらわなので、ハードコアな犬好きには物足りないかも。ムツゴロウ畑正憲先生のように生涯に1000頭近くを飼ったことのある人の話のほうが、やはり聴いてておもしろい。

書評で書こうと思って書き忘れていたのが、フロイトと犬の関係。フロイトが犬好きでチャウチャウを飼っていたことは有名ですが、犬がもつ治癒的な意味を強調していた点は、ちょっと調べてみたいと思っています。