Sunday 19 June 2011

Ayuo & Seashell とともに

6月26日(日)、公園通りクラシックスでのAyuo &Seashellのコンサートにゲスト出演します。Ayuoによる英語詩の、ぼくの日本語訳の、朗読です。

以下、Ayuoからのお知らせを転載。ぜひどうぞ!

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お元気でしょうか?

来週の6月26日に渋谷公園通りクラシックスに『ジョン・ケージ、ジョーゼフ・キャンベル、ジェームス・ジョイス』というコンサートをAyuo and Seashellで計画しました。今は、そのリハーサルをしている日にちが、続いています。

このコンサートでは珍しい作品がいくつかも演奏されます。


1946年作曲のJohn Cageの『Ophelia』はコンテンポラリー・ダンサーのジーン・エルドマンのダンス・パフォーマンスのために書かれたピアノ作品で、今回は当時の振り付けを全くそのまま再現します。

この作品を音楽とダンスで見ると、当時よく話し合った上で作られたことがよく分かります。
ダンスの考え方と音楽の作り方がよくマッチングされている。
演奏は高橋アキ、ダンスはバレエ・ダンサーの田中佐輝子。

実はジーン・エルドマンと彼女の夫ジョーゼフ・キャンベルは1940年代に、ジョン・ケージと彼の当時の妻ゼニア・ケージと共にニューヨークで一緒に生活をしていた。
ジョーゼフ・キャンベルは神話学者で、古代から伝わる原始宗教の要素を、現代文学や現代アートに見て、それについて分析していた。1940年代に、発表されたばかりのジェームス・ジョイスの『Finnegan's Wake』の初めての分析書を書いていた。その本の中で、アイルランド神話、エジプト神話をどう発展させていたかを、解説していた。後に『千の顔を持つ英雄』『神の仮面』『神話の力』等の本により、彼独自の世界神話の考え方が世界広くに影響与えるようになった。Ayuo 自身もキャンベルにとても大きな影響を受けた。

1940年代のジョン・ケージの作品には、ヨーロッパ中世世音楽や世界のいろいろな音楽を思い起こせる響きが聴こえてくる、全く独自に作曲の方法で作っていた。
歌、パーカッションの『Forever and Sunsmell』もジーン・エルドマンのダンスの為に書かれた作品。
ハワイのチャントのような原始宗教の唱えを思い起こせる音楽。
ニューヨークで活動をしていたコンテンポラリー・ダンサーの高瀬多佳子さんの新たな振り付けで演奏します。
Experiences 2 はアイルランド童謡のような5音階のメロディー。
そして、1950年に作曲された弦楽四重奏とヴァイオリンとピアノ曲は、ヨーロッパの中世音楽のようなモーダルな響きを持っている。甲斐史子、そしてSeashell弦楽四重奏の演奏で聴けます。
それから、ジョーゼフ・キャンベルの神話の考え方についてのトークがあります。

第2部ではAyuoの新作が演奏されます。
 Voices In The Wind − A prayer for those swept away by the sea ー 風の歌 − 海に飲み込まれた人達の為の祈りという作品はポリネシア神話の中のハワイの火山、地震、の女神ペレの話しに基づく作品として始めたものですが、3月11日のことが作品に大きく影響を与えてしまった。
ハワイ大学を人類学で卒業してから、詩人、科学から文学の本の翻訳、そしてポリネシアやブラジルの旅についてのエッセイ集を多く発表して来た、管啓次郎さんが、僕の、この曲の英語詞を、日本語に翻訳してくれました。
弦楽四重奏、アイリッシュ・ハープと歌によって演奏される作品です。
管啓次郎さんも、この日、翻訳していただいた詩を朗読していただけるようになりました。
とても、気に入っている翻訳です。
その一部を下記にコピーします。
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This Moment, I Wish It Could Last Forever  by Ayuo
今このときが、ずっと続けばいい (管啓次郎訳)

ぼくらがいたところに時は留まっている
ぼくらがいたところに時は留まっている
一枚の古い写真に

日々は砂のようにこぼれてゆく
もう一度この手につかまえたいのに

話したっけ
きみに話したっけ
どれほどきみを愛していたか?

すべては過ぎてゆく
砂のようにきみの両手からこぼれ落ちる

今このときが
今このときが
ずっと続けばいい

時々夢できみを呼ぶ
ぼくの思いがきみに届いてほしいと願う
ぼくが愛するすべてはここに、きみとともにある
過ぎてゆくひととき、すべてのひとときが
どれほど大切なものかを、ぼくは知っているべきだった

ぼくらがいたところに時は留まっている
ぼくらがいたところに時は留まっている
一枚の古い写真に

ぼくの耳に残るのは波の音
ぼくらすべてが消えていった波
もっと時間があればよかったのにね
きみとこの場所ですごすための時が

話したっけ
きみに話したっけ
どれほどきみを愛していたか?

すべては過ぎてゆく
どんなにしがみつこうとしても

今このときが
今このときが
ずっと続けばいい
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そして、最後にはエリック・サティの『Je Te Veux』(君が欲しい)のメロディーに、元の世界とは違った中世音楽のリディア・モードを持つ新しい響きに作り変えた作品をピアノ、弦楽トリオと歌で演奏します。言葉の持つ美しさがよりメランコリックに響くようになったと思っています。


長くなりましたが、時間が空いている方々、是非いらしてください!
予約は公園通りクラシックスで出来ますが、公園通りクラシックスの開いている夕方以後に時間に連絡が取れにくい方は、こちらのメールに予約希望と返信していただければ、予約リストにいれます。

よろしくお願いします。
Ayuo
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『ジョン・ケージ、ジョーゼフ・キャンベル、ジェームス・ジョイス』

Ayuo and Seashell String Quartet
Ayuo and Seashell弦楽四重奏
Ayuo:  Vocals、Irish Harp, Guitar, トーク
甲斐史子: Violin
大鹿由希: Violin
宮野亜希子:  Viola
松本卓以: Cello

ゲスト:
高橋アキ: Piano
立岩潤三: Percussion
高瀬多佳子: Dance
田中佐輝子: Dance

曲目:
John Cage:
The Wonderful Widow of 18 Springs
Forever and Sunsmell
Experiences 2
『弦楽四重奏の為の4つのパート』より
Experiences 2
The Wonderful Widow of 18 Springs
『ヴァイオリンとピアノの為の6つのメロディー』より
Ophelia
Forever and Sunsmell

Ayuo:
Theme for Stateless Wanderer
弦楽四重奏,アイリッシュ・ハープ、
と歌の為のポリネシア神話研究に基づく新作
『 Voices In The Wind − A prayer for those swept away by the sea − 風の歌 − 海に飲み込まれた人達の為の祈り』

Eric Satie: I Want You (Je Te Veux の歌ヴァージョンをAyuoのアンサンブル・アレンジで演奏します)
トーク 『ジョーゼフ・キャンベルの神話の考え方、ジョン・
ケージの音楽とジェームス・ジョイスの文学』:Ayuo

■Open:19:00(7:00PM)/Start:19:30 (7:30PM)
予約 Reservations:¥3,200 (1ドリンク付)(One Drink included)
当日 Admission Fee on day of Performance:¥3,500 (1ドリンク付)
(One Drink included)

■ 会場:公園通りクラシックス (Tel :03-3464-2701 
月曜日休日、他の日は17時以後に電話で予約が取れます。
※渋谷区宇田川町19-5 山手教会B1F
http://www.radio-zipangu.com/koendori/