Thursday, 29 October 2009

いつのまにか

いつのまにかアマゾンに『本は読めないものだから心配するな』の読者レビューが3件も! うれしいなあ。フォーマルな新聞書評も、それは出ればうれしいけれど、どこかにいる同時代の読者のみなさんの声がこうしてつぶやきみたいに書かれると、本を作ってよかったなあ、という気になります。どこかのどなたか、どうもありがとうございました。

そのうち書店イベントなども開催しますから、ぜひ遊びにきてください! 

太陽/月

さっき、月を見上げて、ふと考えた。

あの光が太陽の光だと最初に見抜いたのは誰なんだろう。

たぶん、おそくとも数千年前。陰の部分のかたちの移り変わりから光源があることを見抜き、その光源としては夜姿を隠している太陽しかないことを、世界の各地で、いろんな人が見抜いた。(理論上の地動説の発見は、たぶん各地の文化で個別にあっただろうと思う、それもキリスト教ヨーロッパよりもずっと早く。)

しかしそれは人類の歴史の中で考えると、ものすごい飛躍だ。高揚と畏れを、同時に感じさせる発見(というか着想)だったにちがいない。

ポップ巡り

書店で本の宣伝のために本と並べて立てておく小さなカードをポップといいます。ポップ・アップとか、そういうことばから来てるんだろうな。

で、このあいだ、清岡さんや波戸岡さんと一緒に、20枚作りました。土曜日に渋谷のブックファーストに行ってみると、あった、あった。「犬だって本を読めるようになりたい」という文。

生田のキャンパス内の丸善にも火曜日に入荷。こちらのポップは「毎日7冊、2ページずつ The Rule of Reading」というもの。

このように20枚すべてちがう内容になってるんだけど、ほぼ眠りながら書いたので、自分でも何を書いたかまったく覚えてない。どこに行ったかも、ぼくは知らない。

どこかの書店(ジュンク堂とか、青山ブックセンターとか)で見かけた人は、なんて書いてあったか教えてください!

Wednesday, 28 October 2009

なんというやつ

金基徳の1998年作品『悪い女』Birdcage Innを見て、あっけにとられた。

港町の民宿に住み込みの娼婦として働いている若い女性が主人公。感情の動きも、数々のできごとも、どうにも嘘くさくてばかばかしく感心しないまま、物語が続く。

それが、ラストの10分かそこらで一気に収斂してゆく。すさまじい軋みを発して、凝縮されてゆく。爆発する。その主題は『サマリア』の、あの二人の少女の驚くべきスピリチュアルなむすびつきを予告し、二人の海上での姿は、『弓』の少女の海上ブランコを予示する。

いったいキム以外の誰が、夏に雪を降らせ海に金魚を泳がせて平然としていられるだろう。

恐ろしいやつだ。フィクションそのものが人間世界にとって持つスケープゴートとしての位置をこれだけはっきりと言明しているやつは、他のあらゆる表現ジャンルを見渡しても、思い当たらない。

なんとしても全作品を見なくては。

学生とアーティストによる交流プログラム!

お待たせしました。われわれの企画が、東京都歴史文化財団東京文化発信プロジェクト「学生とアーティストによる交流プログラム」に採択されました。

題して「What am I doing here?」。宇野澤昌樹をコーディネーターとして、2009年12月から2010年2月にかけて、猿楽町校舎を舞台に数々のワークショップ、セミナーを順次開催します。総予算は200万円。

各イベントの詳細は、そのつどまたお知らせしますから、ここをたびたびチェックしてください。基本、日曜日です。さて、どんな驚きが待っていることか。

第1弾は12月20日、清岡智比古さんとぼくによる詩のワークショップ。カレンダーにでっかく赤丸を、青丸を、足りなかったらpaint it black!

Monday, 26 October 2009

王子直紀の「川崎」

いよいよ木曜日からです。ぜひ行こう!

明治大学生田図書館 Gallery ZERO 企画展のご案内
Contemporary Photography #2
王子直紀写真展「川崎」

明治大学大学院新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系では、2009年度より明治大学 生田図書館Gallery ZEROを舞台に現代の写真家たちの個展を主催しています。

その第2弾として王子直紀写真展「川崎」を開催いたします。王子直紀は2001年に北島敬三、笹岡啓子らとphotographers' gallery(東京・新宿)を 設立、以降主にここを拠点に数多くの個展を開催、またこれまで『Kawasaki 576』 (2003年)と『TEROMERIC』(2006年)の2冊の写真集を出版しています。

今回の展覧会では、都市や地方の風景・人々を斬新なスナップ写真の手法で撮り続け、 注目を集めている写真家王子直紀が、とくに繰り返し写してきた場所「川崎」にあらためて挑みます。ピント、白黒のトーン、構図、意味など、写真の既成概念の数々に 揺さぶりをかける作者の新作にご注目下さい。

名称 王子直紀写真展「川崎」

会期 2009年10月29日(木)〜11月15日(日)
*11月1日(日)は休館

開場時間 平日8:30-19:00、土8:30-18:30、日・11/3 10:00-16:30
*10/30は13:00-19:00

会場 明治大学生田図書館 Gallery ZERO
〒214-8571 川崎市多摩区東三田1-1-1
小田急線生田駅下車南口徒歩[約10分]
*一般の方は図書館入口ゲート前の呼び出しボタンにて係の者をお呼びください。

主催 明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系
http://www.dc-meiji.jp/

☆レクチャー&トーク
11月9日(月)15:00-16:30 生田図書館Gallery ZERO
王子直紀+倉石信乃(ディジタルコンテンツ系准教授)+伊藤貴弘(司会・明治大学大学院)
*予約不要・無料

☆お問合せ
明治大学生田図書館 電話044-934-7945

IMAGINASIA

NHKの日本賞のために来日中の台湾・国立政治大学のみなさんを、ふたたび猿楽町校舎にお迎えしました。

高橋正也、佐藤達野、畠中景子、高梨こずえが順次作品のプレゼンテーション。通訳はフェイフェイと于さんがみごとに務めてくれました。

どれも興味深い内容。盧老師ほか、台湾のみなさんからの反応も上々でした。

11月には短期間、台北での打ち合わせ。ついで来春からいよいよ本格的交流がスタートします。きょう早速決まったのが、プロジェクト名。その名もImaginasia! いうまでもなく、imaginationと Asiaの組み合わせです。

さしあたっては東京と台北の2都市の現在をマルチメディアで提示する作業を共同で進めることに。政治大学のディジタルコンテンツ学科(修士課程)はこの秋にスタートしたばかりなので、どちらの側からも期待が高まっています。

来年のいまごろまでにはImaginasiaの一定の成果をお見せできることでしょう。ご期待ください!

世界187の顔

日本ビジュアルジャーナリスト協会の方たちの写真展が、11月3日から明大前で始まります。

http://www.jvja.net/The%20Face%20187.htm

トークセッションも興味深いものばかり。ぜひ行こう!

昨年、すばらしいヴードゥー写真を見せてくださった佐藤文則さんも参加されてます。

http://www.k2.dion.ne.jp/~satofoto/

Thursday, 22 October 2009

『燃えスカ』のいま

読売新聞の読書コラムで、緒川たまきさんが『燃えるスカートの少女』をとりあげてくださいました。ありがとうございました。

http://www.yomiuri.co.jp/book/column/pickup/20091013bk20.htm

この文庫版は、いま4刷。ジェシカ・アルバ主演で映画化が進行している『私自身の見えない徴』も、やがて文庫に入るかもしれません。

また新しい読者に出会ってゆくのは、本自身の運命。すでに訳者の手を離れてひさしい作品ですが、長く読み継がれてほしいと願うばかりです。

Wednesday, 21 October 2009

ジャックなき40年

ついに日付が変わって、21日。きょうは世界的に「ジャックなき40年」。つまり、ケルアックの没後40周年のイベントが開催される。

早速、うちでも始めた。何を? 何もしない。ただケルアックの数冊の本を、拾い読み。それでいい。

あと22時間20分ほど、この追悼行事をそっと続けよう。

Tuesday, 20 October 2009

何語だっていい

本屋で新潮クレスト・ブックスの宣伝小冊子をもらって読んでいると、沼野恭子さんの「クレスト・ブックスはロシアの十字路」という文が目にとまった。

そうか、とつい目が輝くのは、彼女が紹介する旧ソ連出身の作家たちの動向。ロシア語作家は、もちろんいる。アンドレイ・クルコフやレオニード・ツィプキン。

それだけでなく、「ラトヴィアからカナダに移住して英語作家となった」デイヴィッド・ベズモーズギスとか、「フランス語作家になった」アンドレイ・マキーヌとか、「ドイツ語作家になった」ウラジーミル・カミーナーとか。

生まれた土地とか家庭の言語とは関係なく、人は「〜語作家」になることができるわけだ。あたりまえのことだけど、永遠に新鮮な選択。

たとえばいまから現代中国語と漢文を一所懸命学んで、やがては中国語で何か文章を書くという道だって、ないわけではない。楽しいだろうな、それができたなら。できるものだろうか? それはやってみなくてはわからない。

Sunday, 18 October 2009

柴田元幸×テッド・グーセン

学習院大学での講演会です。

学習院大学文学部・英語英米文化学科では、11月7日に柴田元幸さんとテッド・グーセンさんの講演会を開催いたします。

予約や入場料は不要です。ぜひご参加ください。


<講演会 概要>
【日時】2009年11月7日(土)
    16:00〜17:30  ※開場 15:40   
【会場】西5号館303教室 
【演題】What We Talk About When We Talk About Japanese and American Literature And Music

【講師】柴田 元幸 氏
    (東京大学大学院人文社会系研究科教授 アメリカ文学研究者、翻訳家)    
   テッド・グーセン 氏
    (カナダ ヨーク大学人文学部教授 日本文学研究者、翻訳家)

R.I.P. 加藤和彦

ぼくらが高校生のころ、かっこいい人、というと彼だった。ぼくが最初の本を出したとき最初に出た書評で、平岡正明さんが、こいつの感覚は加藤和彦に通じると書いてくださったのが、妙にうれしかった。

今夜は「あの素晴らしい愛をもう一度」「悲しくてやりきれない」を歌って、追悼。渋いところでは、「墨絵の世界」とか「どんたく」とか「ジョージタウン」とか「気分を出してもういちど」とか「ガーディニア」なんかも歌えますよ。

Wednesday, 14 October 2009

タイポロジック

学生時代からの友人、港千尋が監修する活字の展覧会が、今週からはじまります。

http://www.typologic.net/

これは必見! 活字ばんざい。

ヨーロッパ化するロシア貴族?

絶対におもしろそうなレクチャーです。なぜ人は「後進」の意識をもち「先進」を真似するのか、という根本的な問題への手がかりになりそう。ロシア語がわからないのが残念!



特別講義のお知らせ

講師 アンドレイ・ゾーリン博士(オックスフォード大学教授)
境界を越える感情——18世紀末〜19世紀初頭のロシア貴族の感情世界のヨーロッパ化

日時:2009年10月17日(土)午後4〜6時
場所:東京大学文学部3号館7階スラヴ語スラヴ文学演習室

交通 地下鉄丸ノ内線・大江戸線「本郷3丁目」または南北線「東大前」下車、徒歩10分。
東大構内案内図 http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_05_03_j.html
東大本郷キャンパスへのアクセス
 http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html

 この度、日本学術振興会外国人招へい研究者として来日された、アンドレイ・ゾーリン博士(現オックスフォード大学教授、元ロシア国立人文大学教授)による特別講義を開催いたします。ゾーリン博士は、18〜19世紀前半のロシア文学に関する世界的な権威で、今回の講義では、18世紀末〜19世紀初頭のロシア貴族の感情世界がヨーロッパの「教育」を受けて変化していった歴史を、Н. カラムジン、А.
トゥルゲーネフ等についての考察を通して解説していただきます。
専門的関心をお持ちの皆様のご来聴を歓迎します。
なお、今回のゾーリン博士の来日は、鳥山祐介氏(千葉大)の招聘によるもので、講義の開催にあたっても鳥山氏にご尽力いただきました。

司会:沼野充義(スラヴ文学・現代文芸論)
※講義・討論はロシア語、通訳なし。
※入場無料。事前登録不要。

共催:スラヴ語スラヴ文学研究室・現代文芸論研究室
問合せ先 現代文芸論研究室 電話03(5841)7955

Monday, 12 October 2009

Kindle?

キンドルを買うか買わないかで、迷ってるところ。

279ドル。でも物珍しさで買っても、読むには紙本が一生分あるし。たぶん主な用途は、新聞購読になるだろう。ニューヨーク・タイムズが月に13ドル99。

たとえ毎日もち歩いたとしても、常時、本を5、6冊もち歩く習性は変わらないだろうから、するとそれを開く時間が限られてくる。やっぱりムダになりそう。

エンターテインメント本をたくさん読む人にはいいだろうけど、そういう喜びを知らないし。1500冊入れられるといっても、たぶんぜんぶ詩集とか戯曲とかになりそう。すると、やはり紙本のほうが便利。

やめておくか。といいつつ、ちょっと興味あり。誰か、買ったら見せてください!

Friday, 9 October 2009

40 ans sans Jack

「ジャックなき40年」、それはモンレアル(モントリオール)のジェラール・ラルナックが呼びかけているイベント。

といっても、別に何をするわけでもない。10月21日はジャック・ケルアックの40年めの命日。その日に彼を思い出し、彼の作品の一節でも朗読し、グラスを傾ければそれでいい。

東京でも何かやろうか。何がいいかな。何か考えてみよう。

休講なんてしてられない

台風だった、休講になった。最初は午前中だけと発表されたけど、アキバに着いたころには、それが5限までになっていた。

学生も定時に来たのは、まだ入学していない大洞くんだけ。ふたりでは仕方ないので、王家衛の傑作『恋する惑星』のビデオを見始める。あまりにすばらしい撮影にひきこまれていると、次第にみんなが到着。最後まで見て、結局そのまま5時50分まで、いつもの授業に。

大学院の授業で90分は短すぎる。アメリカの大学だと、週1の大学院授業は150分が標準。ただでさえ短いのだから、台風だからといって休講にはしてられない。しかし正式には休講だったわけだから、きょうやったのはカウントせず、学期末には補講をやることにしようか。

Wednesday, 7 October 2009

そろいぶみ!

まず、このページを。左右社のホームページです。

http://sayusha.com/sayusha/左右社HOME.html

なんとうれしい風景! 清岡さんの『東京詩』、波戸岡さんの『オープンスペース・アメリカ』、そしてぼくの本。去年の相談が、こうしてはっきりかたちをとって実現して、これほどのよろこびはありません。

中旬から書店に並びます。平積みになるお店では、手書きのポップもつける予定。書店で待ち構えて、買ってくれた人にはその場でむりやりサインをしないまでもお礼をいう、かも。先着何名様かには、おまけをつけたいくらい。

カリスマ・フランス語教師の清岡さんも、数々のフラ語本(『フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!』をはじめ)を除けば、可憐な小説『小さな幸福』以来の著書。そして若きサウスウェスト派のアメリカ文学者・波戸岡さんには、これが最初の本になります。どちらも新鮮で、はっきりした味わいと歯ごたえがある内容です。しかもおしゃれ。

ちなみに清岡さんの本のオビには吉本隆明さん、波戸岡さんの本のオビには片岡義男さんのおことばがあります。なんという豪華さ。(ぼくのは無し。)

ともあれ、よろしく!

森と林

学部生たちと森に行きたいねという話をしていて、森と林のちがいが話題になった。四手井綱英『もりやはやし』という文庫本があって、たしかそのちがいがふれられていた。「もり」は「盛り上がった」という意味で「はやし」はお祭りの「お囃子」なんかとも関係する言葉、だとか。つまり、人為的に「はやした」もの。手元にないので、興味がある人は見てみてください。

それで改めて日本語の単語として考えてみると、たしかに「もり」とは「盛り上がる」ことでもあるだろうし(自然な丘陵地帯?)、地面そのものから樹木が自然成長してきたという感じもする。雨漏りなどの「もり」も、要するに水がおのずから溢れ出たということなのではないか。

満月を「望月」というときの「もち」もどこか関係してくるかもしれないし、だったらお餅もそうか(「望月」というと漢字に惑わされるけれど、たぶん最初の「もち」はお餅の「もち」に通じたものと考えるべきだろう)。モル、モツ。それでは手に持つときの「もつ」と日持ちがするというときの「もつ」にはどうつながるのか。そもそも「も」とは何だったのか。水藻の「も」と「萌える」と「燃える」(いずれも植物なり炎なりが出現することをさす?)は、どんな関係なんだろう。

一方、林は「はやす」から来て(「もやし」が動詞「もやす」から来るように)、人の手が加わって、それまで木々のなかった平地に樹木を育てたことがうかがえる。

北陸に住む友人が、昨日は森に行き薪を伐ったというのを、心底うらやましく思った。うちのあたりには森もない、林もない。市が指定した「保存樹」のいくつかに手をふれて、かろうじて樹木との対話を確保しているだけ。都市にはせめて林が必要。いまあるマンションの新築現場の何割かが林になるなら、ほんとうにいい町になる。

せめてちょっと詳しい地図を買ってきて、市内にマンションが立っているすべての土地を濃い緑の色鉛筆で塗り、市街地「はやし化」計画が進行したらどれくらいの面積が緑化されるかを、アナログにシミュレーションしてみようか。

Monday, 5 October 2009

マサオ・ミヨシ

カリフォルニア大学サンディエゴ校のマサオ・ミヨシが10月2日に亡くなったそうだ。サンタクルーズのロブ・ウィルソンからの知らせ。

日本で生まれ育ちながらアメリカで「英文学者」として勝負する、その生涯はどれほど大きな冒険だったことか。ぼくはミヨシさんにお目にかかったことはないが、1990年ごろ、サンディエゴの博士課程に登録しかけたことがあった。結局シアトルに行ったのだが、サンディエゴに行っていたら、またその後はまったく別の人生だったにちがいない。

Sunday, 4 October 2009

アキバから新宿

きょうはサテライトキャンパスに行ったあと、アキバから新宿まで歩いてみた。楽勝、楽勝。河内くんたちと雑談しながら歩いて、1時間40分くらいか? 曙橋のあたりは、思えば歩いたことがなかった。新宿といっても6丁目あたりは、ほんとに静かな住宅地。

歩けば東京もおもしろい。こんど、徹夜ウォークを企画します。

Saturday, 3 October 2009

その姿は?

といっていたら、誰よりも親切なわが同僚の清岡智比古さんが、カバーの写真をアップしてくれました。かっこいいでしょ。

http://tomo-524.blogspot.com/

清岡さん、ありがとう!

ちなみに、この12月あたりに、清岡さんと組んで、東京を歩き詩を書くワークショップをやります。時が来たら、参加者を大募集することを約束します。詩なんて関係ない、と思ってるみんなにも、人生が変わる一日にすることを約束します。歩くのはちょっとキツイよ、たぶん。

田村隆一を生んだ明治、澁澤孝輔が、入澤康夫が、安藤元雄が教えた明治です。現代詩といえば明治です(ちょっとウソ)。ぜひ参加してください! 

Friday, 2 October 2009

『本は読めないものだから心配するな』

左右社から出るぼくの新刊『本は読めないものだから心配するな』が刷り上がりました。発売は15日。デザイナーの清岡秀哉さんのおかげで、すっきりした、とてもいいデザインになりました。

15日以後、ぜひ書店で手にとってみてください。

デジ研、そしてダイドーとナカノ

第1回「デジ研」は水曜日、ぶじ終了。参加者22名。主宰のマリオくん、ごくろうさまでした。次回からもがんばって進めましょう。

ところで、その場にふらりとやってきて参加してくれたのがナカノくん。いまはシステム・エンジニアとして働く彼だが、もともと大変な読書家。書物の文化の終焉に対する危機感を、熱く論じてくれた。

そしてこの日の最大の事件は、じつはナカノくんとダイドーくん(来年、うちの大学院に入学が決まっている)の出会いかもしれない。ふたりとも、学校教育に早くから嫌気がさし、不登校を選び、やがて「大検」で大学に入学した。学校が嫌になった理由が「時間がもったいなかった」ということも似ている。そしてふたりとも、ギャンブラーの大人たちのあいだで成長し、多くを学び、真剣な独学者となった。20代前半という年齢で、これだけいろいろ考えているのは、あたりまえのコースをたどってきた大学生には、まずありえないこと。

ふたりがこれから何を語り合い、何を考えていくのかは、ぼくには不可知の世界。でも深い共振が生じることだけは予測がつくし、ちょっと類例のない協同が(どんなものであれ)かたちをとってゆくのも確実。それだけは、賭けてもいい。

ぼくはただ場所を提供するだけだけれど、こういうことがあるから、おもしろい。やりがいもある。学校とは、学校を否定する力との緊張関係に立つときにのみ、あるべき輝きを取り戻す、と改めて思った。

そういえば近藤くんはどうしてるかなあ。お元気ですか。まだそんな気持ちが残っているなら、将来ぜひ、DC系を受験してください。2月の受験も、まだまだ間に合うよ。

ムクドリの雲

このところムクドリが近所に多くて、うちからは鼻先の高圧線と大きな樹木だけで、毎日、夕方には何千羽が集っている。なかなかの壮観。

ところが、「風の旅人」38号に掲載されているパオロ・パトリッツィの連作写真がすごい。ローマのヨーロッパムクドリの大群。ローマだけで500万羽! まさに黒い雲となり、刻一刻と姿を変えながら、空を舞い、車を糞で埋める。

こんな風景は見たことがない。その場にいたら、どれだけ恐ろしいかわからないな。ムクドリ共和国が、ヒトの世界にとって代わる日も近いかも。

「風の旅人」38号

雑誌「風の旅人」38号が完成。ぼくの連載「斜線の旅」も23回め。今回は「テ・マエヴァ・ヌイ」と題し、クック諸島の国家的フェスティヴァルについて書いています。

「斜線の旅」は、この23回めまでで1冊の本としてまとめることにしました。インスクリプト刊、今年のクリスマス本として準備中。ご期待ください!

『ハプスブルク家の光芒』

ドイツ語の同僚、菊池良生さんの『ハプスブルク家の光芒』がちくま文庫に入り、解説を書きました。歴史好きのみなさん、ぜひどうぞ!

Thursday, 1 October 2009

山形行きたい!

あれこれと驚くべきことが起こりそうな山形。やっぱり行きたい、一泊でもいいから! 



山形国際ドキュメンタリー映画祭2009 自主講座
【山猫争議!】土本典昭の海へ

日時:2009年10月11日(日)22時─24時
会場:香味庵1階奥(山形市内)

出席者:
山根貞男+上野昂志+鈴木一誌+諏訪敦彦+石坂健治(予定)+中村秀之+藤井仁子

ツチモトを忘れるな。記録映画作家・土本典昭(1928─2008)。その偉業をヤマガタの地で顕彰するのは、ドキュメンタリー映画を愛する者の務めであろう。これは追悼シンポジウムではない。遺された映画のいまだ見尽くしえぬ「光」を、映画の歴史・映画の現在へと召還するための、ワイルドキャットなアクションである。その光にみちびかれ、山形の秋の一夜、幻視の党が編まれ、無償の言葉が放たれるのだ。

*通訳無し、日本語のみ。
*聴講無料。参加退出自由。カンパ歓迎。

http://wcnt2009.blogspot.com/
企画:岡田秀則・中村大吾

チャランケほか

この秋の首都圏アイヌのみなさんのイベント情報です。

<9月30日〜10月02日>
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先住民族アイヌからのメッセージ
〜アイヌモシリと首都圏を結んで〜
プレ・イベント「アイヌ文様刺繍作品展」
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会場:足立区役所・アトリウム
地図
http://www.city.adachi.tokyo.jp/adachimap/index.html

時間:9:00-17:00(最終日は15:00まで)

<10月03日>
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先住民族アイヌからのメッセージ
〜アイヌモシリと首都圏を結んで〜
プレ・イベント「カムイノミ・講演と交流」
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●カムイノミ(儀式)
会場:先住新橋右岸・虹の広場
地図:
http://www.ara.go.jp/location/map/map04.html

時間:15:00-17:00

●講演と交流会
会場:生涯学習センター研修室1 学びピア)
地図:
http://www.city.adachi.tokyo.jp/031/d09900014.html

時間:18:00-20:00
 「チカップニコタンとアイヌラマット(魂)」
  講師-川村シンリツ・エオリパック・ア2ヌ
 (チウペツアイヌ民族文化保存会会長・アイヌラマット実行委員会共同代表)
 「コタンに生きて-伝承文化と私」
  講師-杉村 フサ
 (アイヌ文化伝承者)
*いずれも参加無料

<10月04日>
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先住民族アイヌからのメッセージ
〜アイヌモシリと首都圏を結んで〜
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首都圏には5千人から1万人のアイヌ民族が居住していると言われています。昨年はアイヌウタリ連絡会が「先住民族アイヌはここにいるよ!」と首都圏アイヌ民族文化祭を開催し、アイヌ民族の存在と権回復をアピールしました。今年は「アイヌラマット実行委員会」の主催により、旭川の文化保存会の皆さんと共に開催 されます。

日時:2009年10月4日(日)14:00〜17:40
開場:13:30
会場:天空劇場(北千住)
   北千住駅より徒歩12分
   http://www.art-center.jp/tokyo/
*参加無料

スケジュール:
 14:00〜
 オープニング(座り歌)
 講演「先住民族アイヌからのメッセージ」
  −講師1:川村シンリツ・エオリパック・アイヌ
 (チウペツアイヌ民族文化保存会会長・アイヌラマット実行委員会共同代表)
 0ー講師2:長谷川 修 (レラの会会長)
 アイヌ古式舞踊:チッカプニアイヌ民族文化保存会
 15:20〜
 アイヌウタリ連絡会4団体からの自己紹介とメッセージ
 講演「アイヌ・オカイ・アン・ワから」
  −講師:丸子 美記子(アイヌウタリ連絡会代表)
 アイヌ古式舞踊:アイヌウタリ連絡会
 未来へのメッセージ

<10月31日-11月1日>
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  第16回  チャランケ祭
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東京・中野駅前で開催されている「チャランケ祭」も今年で16回目を迎えます。皆さん、お誘い合わせのうえ、是非ご参加ください!

10月31日(土)
 13:00〜 
 首都圏アイヌの方々によるカムイノミとイチャルパ
 15:00〜
 アイヌウタリ連絡会によるアイヌ古式舞踊など
 *16時前後に終了予定

11月01日(日)
 9:00〜
 店舗開店
 10:00〜
 旗すがし(神様を迎える琉球の儀式とアイヌの清めの儀式)
 10:30〜
 琉球やアイヌ民族を中心とした伝統舞踊など
 *18時頃終了予定

会場:中野駅北口広場
ホームページ:http://charanke.com/
*現在更新作業中のため情報が2008年になっておりますが、当日の演目スケジュール詳細や出演団体はHPにて後日公開します。