Saturday, 7 May 2011

R.I.P. 藤本陽子さん

藤本陽子さん(早稲田大学)の訃報に接し、驚き、また深く悲しんでいます。

藤本さんは一般にはマイケル・オンダーチェ『家族を駆け抜けて』の訳者としてもっともよく知られていたかもしれません。英語圏カナダ文学研究の第一人者でした。

2005年2月にアニタ・ラウ・バダミとシャイアム・セルヴァドゥライという二人のアジア系カナダ人作家が来日した際、カナダ大使館でのかれらの講演にディスカッサントとして呼んでいただいたのが、藤本さんとの出会いでした。

その年の秋、ニュージーランドのワイカト大学での学会で一緒にパネルをやり、そのころぼくが住んでいたオークランドの自宅にも遊びに来ていただきました。

古い方の『夢のチョコレート工場』のビデオを一緒に見たり、中学1年のとき(藤本さんとぼくは同年)に公開された『小さな恋のメロディ』で知ったロンドンの魅力を語ったりしたのをよく覚えています。そうそう、ワイカト大学のあるハミルトンでは、余田真也さん(和光大学)も一緒に、2晩連続で公開されたばかりだったジョー・ライトの『プライド&プレジュディス』を見に行ったんだった。

ほんとうに優秀な研究者で、やる気のある先生で、気持ちのいい友人でした。このところお目にかかる機会がなかったのが悔やんでも悔やみきれません。

さようなら、藤本さん! 心からご冥福をお祈りいたします。