20日(木)、青山ブックセンター本店で旦敬介+小池桂一の対談。
さすがに息の合った二人が、バロウズという特異な作家の魅力について、自分たちの自伝的回想をまじえながら縦横無尽に語り合ってくれた。立ち会った人、運がよかったと思います。旦敬介『ライティング・マシーン』は作家・詩人の評伝として、谷昌親『詩人とボクサー』や堀江敏幸『魔法の石板』とおなじリーグに属する、いつまでも読み継がれ読者ひとりひとりの創造へと接続されてゆくべき好著です。小池画伯の整然とした話ぶりもみごと。
21日(金)、生田図書館ギャラリー・ゼロで新井卓さんのアーティスト・トーク。
写真研究の第一人者であるわが同僚・倉石信乃さんとの対談形式で、ダゲレオタイプの魅力と技法を、大変にわかりやすく語ってくれた。司会の伊藤貴弘くんも卒なく役目をこなし、この2年ほどで大きく成長したなあと感じさせられた。ダゲレオタイプ、ふるえるほどの美しさです。展示は明日(24日、月曜日)まで。都合のつく方は、ぜひどうぞ。
22日(土)、明治大学リバティアカデミーのオープン講座として、グレッグ・ドボルザークさんと今福龍太さんの対談。100名を超える聴衆が集まり、熱のある午後となった。
ドボルザークさんはミクロネシアのマーシャル諸島で育ち、日本、アメリカ本土、ハワイ、オーストラリアで学んだ太平洋研究者。子供時代に島で面倒を見てくれたブブ(乳母)の思い出をはじめ、きわめて興味深いエピソードと美しい映像で、この地域の地理・歴史・現在についての最高のイントロダクションを話してくれた。つづく第2部は『群島=世界論』の思想家・今福龍太さんとの対話。話はどこまでも展開できるもので、あまりに時間がなかったけれど、さすがの鋭さでグレッグの話を別の海域につなげてくれた。
この日は、東北大学の韓国人国際政治学者・孫基栄さんも来てくれて、終了後の談笑のひとときもとても楽しい一日でした。ぼくもいずれ近いうちに、旧「南洋諸島」を訪ねたい。
こんなふうにして1月も最後の週に突入、はやくも。みなさん、各種ウイルスにやられないように気をつけて、お元気でおすごしください。どのように気をつければいいかは、わからないけれど。