きょう、生田のキャンパス内にタヌキがいた。農学部エリアの草むら、日当りのいい、風を避けられるところに、犬のおすわりのようにしゃがみこんでじっとしている。
すっかり弱っているようだ。目が潰れて見えていないようすだし、全身の毛が皮膚病でか、広範囲に抜け落ちている。近づいても逃げないが、驚かせるのはかわいそうなので、ちょっと離れたところから見ていた。太陽以外になんの味方もいないみたいだった。
この地域、タヌキ、アナグマ、ハクビシン、イタチ、なんでもいて不思議ではないが、白昼にこんなふうに見かけたのは初めて。それほどまでに弱りきっているということだろう。
かわいそうに。そう思っても、何をしてあげることもできない。この寒い夜には、どこに身を隠しただろう。遠からず、眠りの中で息絶えて行くのだろうか。