2010年2月27日土曜日

What are Years?

Marianne Moore の詩集をひさしぶりに手にとると、この1編にドキンとした。スタインやH.D.とともに、いつかは書かなくてはならない詩人のひとり。

What are Years?

What is our innocence,
what is our guilt? All are
naked, none is safe. And whence
is courage: the unanswered question,
the resolute doubt, -
dumbly calling, deafly listening-that
in misfortune, even death,
encourage others
and in it's defeat, stirs

the soul to be strong? He
sees deep and is glad, who
accededs to mortality
and in his imprisonment rises
upon himself as
the sea in a chasm, struggling to be
free and unable to be,
in its surrendering
finds its continuing.

So he who strongly feels,
behaves. The very bird,
grown taller as he sings, steels
his form straight up. Though he is captive,
his mighty singing
says, satisfaction is a lowly
thing, how pure a thing is joy.
This is mortality,
this is eternity.


年とは何か?

何が私たちの無垢で
何が罪なのか? 全員が
裸でさらされ、守られている者などいない。どこから
勇気はやってくる? この答えられない問い、
確固とした疑念----
声なく呼びかけ、聞こえない応答にじっと耳を傾けている----が
不幸、たとえ死においてすら、
他人たちを励まし
敗北においては、魂をゆさぶって強くしてくれる。深く
見てよろこんでいる者、死すべき
運命に接近し、その囚われの状態においても
裂け目をみたす海のように
自分自身以上に高く立ち上がる、
自由になろうとして戦っているものの、
そうはなれず、それでも戦いに敗れることに
また持続を見出している。

それで、強く感じる者ほど、
行いをつつしむ。歌うにつれて
いっそう立ち上がるその鳥は
姿勢を正し鋼のように強くする。囚われの
身ではあるが、鳥は力強い歌声で
こういうのだ、満足など卑しい、
一方、よろこびとは何と純粋なものか。
これが死への歩み
これが永遠。

2010年2月26日金曜日

Art & River Bank

3月6日午後5時からの杉田敦さんとの対談の告知です。

http://art-and-river-bank.net/_site_jpn/exhibition/main.html

最寄り駅は東横線の多摩川。展示 Who You Know? Who Knows You? は明日27日にはじまります。

何を話すのかまったく決まっていないけれど、ぜひどうぞ!

2010年2月25日木曜日

たのしい写真?

青山ブックセンターで、ホンマタカシさんの写真ワークショップがあるそうだ。

http://www.aoyamabc.co.jp/20/20_201002/takashihomma_ws2010.html

行ってみたいが、土曜日で全6回はちょっとムリか。ざんねん。しかも、選考試験があるのか! これは絶望かも。

でも写真に興味がある人にとっては、きっとおもしろいと思うよ。誰か、行ったら話を聞かせてね。

2010年2月24日水曜日

Trans-poetic Exchange

1月のスタンフォード大学での詩の朗読会、ビデオがアップされました。90分あまり。ごらんください。

http://vimeo.com/9582720

冷凍唐揚げ

今回のワークショップのもとになった下道基行さんのプロジェクトのひとつが Home-made Story。たとえば料理、の背後にある個人的な物語、歴史を、みんなで分かち合ってみようという、楽しい企て。

http://hmstory.exblog.jp/i2/

この中でぼくがすごく気に入ったのが、「冷凍唐揚げ」の話! 悲しくて切ない、でも笑える。ちょっと、読んでみてください。

きょうは猿楽町の展示を片付けていたら、下道さんがひょっこり現われて、3月に青森でやる写真展用のプリントを見せてくれた。北海道を中心に点在する簡易宿泊所、ライダーハウスのお客たちを撮影したもの。それぞれの、普通の人たちの、異様な魅力(というかなんというか)。

猿楽町でのわれわれのプロジェクトは終わったけれど、なんらかのかたちで、みんながいつでも訪れることのできるウェブサイトにしておきたいものです。

そういえばFringe Frenzyのウェブサイト化も、まだ果たしてないなあ。サイト化しなくても、コピー印刷のまま、あれを2008年春以来着実に続けていれば、どれだけ充実した内容になっていたかわからない。しかし後悔してもはじまらない。こんどは、河内くんが友人たちとはじめるという「北と南」に期待しつつ(参加もする)、大洞くんらと新たな紙メディアを作るか。

2010年2月23日火曜日

Astro Body!

2月14日の「身体知覚」ワークショップで、池上恵一さんと真下武久さんがみんなの肩こりを音楽と映像に変換してくださったのが、このAstro Body。ふしぎなかわいさを楽しんでください。

http://www.youtube.com/watch?v=ijHdLuc4oBc

池上さん、真下さん、ありがとうございました!

2010年2月21日日曜日

極東ホテルの夜

赤々舎での鷲尾和彦さんとの対談、終了。さすがにまったく打ち合わせなしで人前で話をしたのははじめてだったけど、鷲尾さんの細心の気遣いと真摯な心のおかげで、まずは大変にうまくいったといっていいと思います。ありがとうございました。

たぶん、彼が抱いているいくつもの疑問と、ぼくが考えてきた疑問が、あちこちで重なってたんだろうね。写真を撮ることと、翻訳をすることの本質的な類似、どちらも関係性の仕事であることなど、話がはずみ。

「あらかじめわかった話をしてもつまらない、話しながら次を探求する」という原則に、相当に忠実に進めることができた。かつて他人に話したことのないあれこれを含めて。

次回はたぶん、ギター2本のアドリブ大会でしょうか。鷲尾さん、またよろしく!

2010年2月19日金曜日

『斜線の旅』への反響

あまりの不機嫌さに誰も読んでくれないのではないかと危ぶんでいた『斜線の旅』に対する反響が、ぽつりぽつりと出はじめました。読んでくれる人がいただけで奇跡ともいえるジミな本だけに、真剣な批評の対象としてとりあげてくださったみなさまには、心から感謝。「風の旅人」への連載は、これからも続きます。旅と旅の挫折が、これからも続きます。


「フィジー、トンガ、タヒチから恐山まで自由に足を延ばし、言葉と世界について考え続けるこの健脚の旅人は、また世界文学の旅人でもある。いまの日本文学にまだまだ不足しているのは、この自由な感覚だと思う」(沼野充義さん「文芸時評」東京新聞1月28日)

「読んでいると、口を閉じて静かにしていたくなります。ひとり静かに遠くにいける。そういう本です」(八巻美恵さん「水牛だより」)

http://www.ag-n.jp/suigyu/suigyu_dayori.html

「この本を読んでいるあいだずっとふんわりした至福に包まれていた。日常を変えてしまうような急上昇の興奮ではない。時間の色が変わり、ルーティーンワークすらが楽しくなるような変化である」(大竹昭子さん、「書評空間」)

http://booklog.kinokuniya.co.jp/ohtake/

「地名を手がかりに歩き始めても、結局「言葉を失うどこかへと行き着いてしまう」という著者の紀行は、どこか懐かしく、しかしどこまでも新しい」(石川直樹さん、「週刊文春」2月25日号)

2010年2月18日木曜日

日曜日がやってくる!

暮れからずっと展開していた東京文化発信プロジェクト「WHAT AM I DOING HERE?」も、いよいよ大詰めです。ぼくはずっと目先のことに追われて、ちゃんと報告ができなくて、ごめん。

すでに数々の思い出を生み、出会いを生み、理解と誤解を生み、想像と創造の契機をもたらしたこのプロジェクトは、こんどの日曜日で最終イベントの終了をむかえます。

12月20日「土地をめぐる言葉」

清岡智比古さんとぼくの「東京を書く」ワークショップ。楽しかったね。みんなで歩いた、書いた。

夜は清岡さんの「東京詩」をめぐるお話に、ぼくが口をはさむかたちで。東京が一気に新鮮になった。

1月10日「東京を見つめる」

佐野陽一さんの「ピンホールカメラで東京を撮る」ワークショップ。楽しかったね。お天気も光もよくて。

夜は大竹昭子さんとぼくの対談形式で「世界写真の中の東京」。大竹さんのさすがの知識と感覚で、非常に充実した夕べ。

1月17日「場所の知覚」

小山田徹さんの「測量ワークショップ」。楽しかったね。廊下を洞窟に見立てて、探検。

夜は坂口恭平さんと山下陽光さんの対談が、みんなを不思議な路上に誘った。何かの最先端だな。

2月14日「身体知覚」

池上恵一さんと真下武久さんの「身体を知覚する」ワークショップ。楽しかったね。肩こりが、かわいい音楽と映像になって。

夜は篠田太郎さんと池上恵一さんの対談。篠田さんの、水の上その他から見た東京映像が、なんといっても新鮮だった。

2月16日「私と世界のつながり」

下道基行さんの「Home-made Story」ワークショップの前半。下道さん手料理のビーフ・ストロガノフを食べながら、モノとその背後のストーリーをめぐるお話。楽しかったね。下道さんの気さくなかっこよさに、女子はみんな目がハートになってたな。

これをそのまま受けるかたちで、いよいよ日曜日をむかえるわけ。それは

2月21日

まず、ワークショップの完成篇。みんなが探してきたモノと映像と物語を、ここで発表してもらう。このワークショップは16日のつづきなので、参加者は16日に来た人限定。しかし!

夕方からは下道さんのトーク「見えない風景」(17:00〜19:00)。これをもって本プロジェクトのしめくくりとすべく、下道さんだけではなくわれわれ(総合ディレクターの宇野澤と留守番にすぎないぼく)も加わり、これまでの発見と高まりが最高潮に達することが予想される。ぜひ、遊びにいらしてください。5時、まだ明るい時間だよ。

これまでの各回の記録展示が、おなじ場所(猿楽町校舎新領域共同演習室)で進行中です。(22日午後6時まで。)合わせてごらんください! おみやげはないけれど、油断してはいけない。いつおみやげが自然発生するかもしれない。それはよくあること。

乞うご期待!

空想書店on line

読売新聞「空想書店」がオンラインで読めるようになりました。

http://www.yomiuri.co.jp/book/column/pickup/20100216bk03.htm?from=yoltop

熊たちが生きてゆける列島を!

2010年2月15日月曜日

世界中のチャイナタウンへ?(林巧さんと)

林巧さんとの対談の告知が出ました。

http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201003/201039.html

3月9日(火)。林さんからは、その文章の良さに、過去10年、多くを学んできました。世界の妖怪、チャイナタウン世界をめぐる知識の該博さでも、並ぶ者のいない人です。今回は旅の経験を文章にすることをめぐって、他で話したことのないあれこれを、語り合ってみたいと思います。

(ちなみに彼のパートナーである林ひふみさんは、ぼくの勤務先で中国語を教える同僚。中国語で10数冊の著書のある中国世界の人気コラムニストで、台湾・中国・香港の新聞に連載をもっている、空前絶後の人物です。昨年、台湾からの来客のみなさんとお茶の水で会食をしたとき、食事が終わるまで台湾の人たち全員が彼女のことを日本人だとは思っていなかったのが印象的。完璧無比な中国語使いです。別に中国世界からの帰国子女などではなく、大学で第二外国語として勉強しはじめた「語学」。それであそこまで行けるのだと思うと、ぼくは自分が恥ずかしくなります。日暮れてなお道遠し。)

2ヶ月連続で、青山ブックセンター本店にお世話になります。ABCのみなさま、よろしくお願いいたします!

2010年2月14日日曜日

「極東ホテル」に行こうか

すでにお伝えしたように、鷲尾和彦さんの写真集『極東ホテル』刊行記念イベントとして、鷲尾さんとぼくとの対談をやります。20日(土)。詳細が赤々舎のサイトに掲載されました。

http://www.akaaka.com/events/ev-100220-washio.html

ぜひどうぞ!

2010年2月12日金曜日

空想書店

読売新聞の「空想書店」、2月の店主になりました。14日(日)の読書欄をごらんください。内容は見てのお楽しみ。佐川光晴『牛を屠る』(解放出版社)も5冊のうちの1冊です。選んだ本は丸善・丸の内本店にコーナーが作られます。

ところで昨夜の佐川くんとの対談は、ぼくらふたりにとってほんとうに特別なものになりました。23年前にはじめて会って以来、思えば文学の話をしたのは初めて! あのころは彼が小説家になるなんて思ってもみませんでしたが、いまや押しも押されもせぬ実力派として、丁寧に書かれた力作を着実に世に送り出しています。

彼に深い刻印を残したアンデス世界、ぼくは怖くて避けてとおった地域。そろそろ南米に、また行きたくなりました。

2010年2月10日水曜日

談話の宵、ずっと

いま大学は入試週間。各種業務が重なって、なかなか辛い毎日がつづきます。そんな中でも、いろんな人との対談シリーズが進行中。

まず昨日(9日)は青山ブックセンター本店で、越川芳明さんとの対談。「旅と翻訳」という主題。満員御礼でした! それなのに異常に眠くて、話すつもりだったことのほとんどを話題にしそびれて、すみませんでした。ヌエボ・メヒコ(ニューメキシコ)のスライドショーをみなさんに見ていただけたのが、よかった点。そして越川さんの旺盛な旅っぷりに脱帽。

以下、こんな風につづいてゆくのか。

2月11日(木) 
作家の佐川光晴さん。池袋ジュンク堂にて。

2月20日(土) 
写真家の鷲尾和彦さん。AKAAKAにて。

3月06日(土) 
批評家の杉田敦さん。女子美にて。

3月09日(火)
作家の林巧さん。青山ブックセンター本店にて。

ただでさえ話べたなのに。まあ、すべてを一期一会のつもりでやるしかないね。

話に関しては、やはり大竹昭子さんが目標だな。

2010年2月8日月曜日

行けなくて残念シリーズ

2007年秋のブレーズ・サンドラール台風のイベントを覚えている人なら、会場で販売されていた驚くべき手作り詩集を作った集団BEKAのことを知っているでしょう。スイス大使に激賞された冊子でした。

そのBEKAの企画である、大山もも代さんの朗読会が、金曜・土曜とギャラリー・マキでありました。2日とも参加した大洞くんが感涙にむせんだ、すばらしいパフォーマンスだったようです。このシリーズ、今後20年はつづくのだとか。次回はぜひ、ぼくも行きたい。

もうひとつはロドリゴ・イ・ガブリエラ! これもまたまた見逃した。早くまた来てほしい。

いまはただ3月のディランを待つのみ。

「風の旅人」39号

「風の旅人」39号が完成。ぼくは連載「斜線の旅」の第24回、「歩いてゆく」を寄稿しました。

この強烈な雑誌は、これまでの隔月刊から年3回に発行回数は減ったものの、その分、妥協なく現代世界に対する批判のまなざしを追求してゆくことになります。

現在、フランス語版を準備中。ぼくもひさびさにフランス語で文章を書いてみました。たぶん今年の春にはできあがるでしょう。ご期待ください!

2010年2月6日土曜日

ImaginAsia

早くも2月。台湾の政治大学ディジタルコンテンツ学科(修士課程)とのあいだで進めようとしているIMAGINASIAワークショップの相談に、本腰を入れなくてはならない時期。

で、その打ち合わせのために、むこうの冬休みを利用して助手のヴィクターが来日した。きょうは新宿でそばを食べながら、いろいろ話した。彼は今年30歳だというけれど、とてもそうは見えない(若いほうに)礼儀正しい好青年。昨年、台北に行った修士1年の畠中さん、高梨さんとは、すでに親友だ。

調整しなくてはならないことはまだまだ多いけれど、実現すれば非常におもしろいこの企画、なんとか実務面を整えていきます。あとは双方の学生のみんなが、何を盛り込めるか。英語に頼らざるをえないコミュニケーションが不安だけど、まあ、なんとかなるでしょう。高梨さん畠中さんのようなコミュニケーション能力の高さ(いわゆる「語学力」とはまったく別の)を、うちの男子たちにもぜひ身につけてほしい。

「すばる」2010年3月号

「すばる」3月号に書評を書きました。発売されたばかりの木村友祐『海猫ツリーハウス』(集英社)。青森県は八戸を舞台とする、ふしぎなみずみずしさのある小説です。青森の光の明るさを思い浮かべながら、楽しく読みました。

そして驚いたことに、ここに描かれるツリーハウスは実在する! 行きたい、行ってみたい、登ってみたい、そこで寝転がってみたい。こんなツリーハウスを作ってみたい。

行けなかった「東京詩」

4日にジュンク堂で、清岡智比古さんの『東京詩』をめぐるトークセッションがあった。ちょっと今週はあまりに時間がなくて行けず、残念に思っていたら、清岡さんのブログにその報告あり。

http://tomo-524.blogspot.com/2010/02/blog-post_05.html

清水哲男さん、木坂涼さんという2人の詩人をお迎えして、楽しい談話がはずんだようす。やっぱり無理しても行けばよかった!

人間なんていい加減なもので、新宿なら何ということもなくても、池袋となるとむやみに遠く感じる。この心理的距離の大きさ。でもまあ、報告を読んでその場を想像するのも、それはそれで楽しい。

来週はぼくも書店イベントふたつ。人前で話をすることが大の苦手なので、いまからハラハラ。でもご都合のつく方は、青山ブックセンターかジュンク堂で会いましょう!

2010年2月5日金曜日

Crossroads

朝、ミスタードーナツでアンドレ・ブルトンのL'amour fouを読んでいたら、聞き慣れた歌が、ただしぜんぜんちがうアレンジで。クリームの往年のヒット曲「クロスローズ」。なかなかいい。で、誰かなと思っていたらJohn Mayerという若者だった。

早速調べてみると、エリック・クラプトンとの共演が見つかった。

http://www.youtube.com/watch?v=Zh4n1bZi4d8&feature=related

いいなあ、じつにいい。音楽的には、この程度のロック化されたブルーズが、ぼくはいちばん馴染める。子守唄みたいなものか。

そしてどんなに聞き慣れた歌でも(クリームのそれはいろいろな演奏で過去40年に数百回は聴いているにちがいない)、つねに新しい人が新しく演奏できるんだと再認識。

何事も、すべては、新しく創造されうる。がんばろう!