Wednesday 24 June 2009

ハーモニー・コリンのすばらしさ

映画との関係が断続的なので、ときにはある作品の存在に気づかないまま、何年も過ぎてしまうことがある。ときには名前を知っても、ただそれだけで何年も経ってしまうことがある。それでハーモニー・コリンの作品を見たことがなかった自分が、とても信じられない。許しがたい愚行。

この3日、『ガンモ』(1997年)、『ロバ少年ジュリアン』(1999年)、『ミスター・ロンリー』(2007年)を続けて見て、あまりの驚きに茫然としている。信じがたい想像力、身震いするほどの感覚。3本の中では『ジュリアン』が永遠の傑作。『ミスター・ロンリー』もすごくおもしろいが、妙に大人の作品になってしまっている。

そして『ガンモ』の「アメリカ」は、ぼくがすれちがってきたアメリカ。貧しく、狂気が平等に分ちもたれた、田舎の白人たちのアメリカ。

すごい監督だが、多くが作れる人ではなさそう。『ジュリアン』と『ミスター・ロンリー』では、俳優としてのヴェルナー・ヘルツォークの怪演が光る。