2010年6月15日火曜日

ポルトガルがやってくる、見逃すな

女子美でポルトガル現代美術の展示が始まるようです。題して「極小航海時代」!このネーミング、最高。そしてこの枠の中で、ペドロ・コスタがやってくる(among others)。これは絶対に行かなくちゃ。


the age of micro voyages —極小航海時代— ポルトガル現代美術展

会期:2010年6月19日(土) — 8月1日(日)
時間:10:00‐17:00 (最終入館は16:30まで)
休館日:火曜日
料金:無料

会場:女子美アートミュージアム

アーティスト:
ジョアン・タバラ
マリア・ルジターノ
ミゲール・パルマ
ペドロ・コスタ

主催:女子美術大学美術館, 女子美術大学
後援:ポルトガル大使館, 相模原市, 相模原市教育委員会
協力:女子美術大学 大学院GP
協賛:ポルトガル大使館
企画:女子美術大学 大学院GP, 特定非営利活動法人art & river bank
http://www.joshibi.net/outreach/gsgp/news/news_future.html

「the age of micro voyages —極小航海時代—」は、現在国際的に活躍する3人のポルトガル人アーティスト、ジョアン・タバラ、マリア・ルジターノ、ミゲール・パルマと映画監督であるペドロ・コスタの作品を通して、現代ポルトガルのアートシーンの一端を日本に紹介する展覧会です。

関連イベント

オープニングレセプション
2010年6月19日(土) 17:00-19:00 女子美アートミュージアム

公開レクチャー

ジョアン・タバラ 2010年6月25日(土) 15:00−16:30 相模原キャンパス10号館1階1011スタジオ

ペドロ・コスタ 2010年7月31日(土) 15:00−16:30 相模原キャンパス2号館2階224教室

トーク・イベント

“アルヴァロ・シザ:ポルトガルの現代建築”
中村光則(元シザ事務所所員)×KIKI(モデル・女優)×杉田敦(批評家)
2010年7月10日(土)14:00−16:30 相模原キャンパス10号館1階1011スタジオ
  



極小航海時代

大航海時代を切り拓いたとされる大陸の西端の国ポルトガルは、かつて、最初に船出して、最後に帰港したと揶揄されていた。つまり、行く手が虚無に落ち込んでいるとも知れない大海に、勇壮にも真っ先に出帆していったにもかかわらず、辿り着いた先での出来事にあまりにも心を奪われてしまったがために、自国をないがしろにし、その充実を忘れ去ってしまったというのだ。しかもその勇壮な船出でさえ、今日では、植民地主義を先導したものとして、むしろ否定的に言及されることが多い。けれども、いやだからこそと言うべきだろうか、その国やその国の人々は美しい。そしてその国の文化は、独特の陰影で静かに輝いている。だが残念なことに、帰港の遅れは、その輝きをとらえようとする視線さえ奪い去ってしまったようだ。そんな国で、ポスト・コロニアリズム的な認識に基づく自省を通過して、ささやかに、けれども誠実な手つきで生み出されてくるものがある。その微かで慎ましい、けれども深みを湛えた輝きは、かつての船出以上の意味を秘めている。わたしたちは、その輝きを、もっとしっかりと凝視める必要があるだろう。ポルトガルの現代美術作家を中心として構成される『極小航海時代』は、そのための展覧会として企画された。かつてスペインとともに世界をわが手にしていた国で紡がれるささやかな試み、つまり極小の船出は、ポスト・コロニアリズムを生きるわたしたちにとって、何らかの海図としての意味を果たすことになるだろう。むしろこの小さな船出こそが、本当の意味での新しい世界へと誘ってくれるのかもしれない。(杉田敦・批評家)