週末、清里のキープ協会清泉寮で行われたASLE(文学=環境学会)に参加。
ぼくらのセッションは日曜日の午後。「WALKING 歩行という経験」と題して、以下の5人がそれぞれに発表した。まず、ぼくが簡単なイントロダクションとして歩行の目的別の分類とブルース・チャトウィンについて。ついで宇野澤昌樹(DC系修士2年)がパリを歩く堀江敏幸について、伊藤貴弘(教養デザイン修士2年)が尾仲浩二と村越としやの「地方」写真について、パコ・ガルシア(DC系修士2年)が日本の伝統的身体技法であるナンバ歩きについて、最後にダニエラ加藤(明治大学ほか講師)が歩くことの伝統をイギリスの詩人や「歩くアーティスト」に探るかたちで、それぞれ。
ひとり12分程度という限られた時間だった割には、まずまずいろいろな方向性を出せてよかった。あとはこれを出発点として、12月の明治大学生田図書館ギャラリー・ゼロでの図書展示とインスタレーション「Walking」につなげていくこと。
アメリカの代表的日本文学研究者のひとりであるコロンビア大学のハルオ・シラネさんによる基調講演にはじまり、いろいろおもしろいお話が聞けた3日間だった。特に、夜の懇親会(「とっておきの1冊」を紹介)、交流会(みんながもちよった質問にみんなが答える)、早朝の散歩(川俣渓谷を歩く)、夜の森の体験、午後の『西の魔女が死んだ』の家を訪ねるハイキングなどが、楽しい経験だった。
またアイヌの活動家、長谷川修さんのお話は、胸を突かれることの連続だった。
人文学のすべての側面が、すでに生態学的意識を抜きにしては語れなくなっている。文学に興味があり、自然や動物について少しでも考えたことがある人、ぜひASLEに加入してください。一緒に歩いたり、本を読んだりしましょう。