2010年12月13日月曜日

石川直樹のために

12日(日)、ジュンク堂新宿店で石川直樹さんの新しい写真集『Corona』(青土社)の刊行記念イベント。コンピュータの不慮のトラブルで映像を見ていただけなくなりましたが、写真集をひろげての紙芝居的解説を温かく見守ってくださったみなさん、本当にありがとうございました。

ポリネシアの大三角形は、見えない大陸。石川さんの旅とぼくの旅が大きく交差する地域なので、ぼくもスライドショーを準備していったのですけれど、これもあきらめ。でもかえって、言葉で欠落を埋めてゆく共同作業に真剣にとりくめたようにも思います。

ぼくはOmninesiaと題する小詩集を準備してゆき、朗読しました。16行詩を7篇。そのうちのひとつ、石川直樹へのオマージュとして書いたものを下に掲載しておきます。スライドショーはまた次の機会に!



  7 忘却を忘却にまかせないために

忘却に対する抵抗こそ最大の冒険
星を見上げ星座により自分の位置を知ることを
われわれは忘れてしまった
それで航海が偶然への船出となり
もうどこにもゆきつかず、ただ漂流と漂泊がつづく
すべての大都市はわれわれが迷い込んだ
にぎやかでばかげた明るい迷宮
知の糸をくれるはずの土着のアリアドネは
数世紀前から徐々に引退を決意した
けれども波があり森がある
山があり草原と氷原がひろがる
ヒトの世界は小さい
地球そのものの表皮には比べものにならないほど小さい
ヒトが居住を試みたすべての地域の過去四万年に
見失ってはならないwayfaringの技法があった
ぼくはそれを探す