Friday, 20 August 2010

美しすぎないこと

ドイツのコメディアン、ハーペイ・カーケリングのユーモラスな『巡礼コメディ旅日記』を読んで心に残ったことがある。

サンチアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅の途上、ある町で彼はこんなことを思うのだ。

「この道の良さは、先へ先へと辿って行きたくなるところにある。美しい街はある、美しい風景もある、でも、ずっとそこにとどまっていたくなるほどに、抜きん出て、特別に美しいところはひとつもないのだ。これこそまさに真の道だ」

そしてこんな覚え書き。

「道の道たるゆえんとは、歩く者を一つところにとどまらせないこと」

本当にいろいろな対象についていえることだと思った。