9月刊行予定の詩集、ゲラを見終え、「あとがき」を書きました。カバーに使う写真も選定(もっとも写真なしにする可能性もまだあり)。すべてすでに発表しているものばかりですが、こうして64篇をまとめて読むと、自分でもそれまで気づいていなかった連関が見えてきます。
その「あとがき」の第一段落を転載しておきます。
「4×4=16、4×4×4=64。十六行詩を書きつぎ、六十四篇をもって一冊の詩集とするという企図は、単純な掛け算によって始まった。本書を第一分冊として、おなじ形式でさらに三冊を準備する。4×4×4×4=256。やがてこの二百五十六篇四千九十六行がかたちをとるとき、地水火風がいかに私をつらぬき私を造形するかをめぐって、一定の回答が得られるのではないかと思う。ぼくにとって詩とは、第一義的には「私」がさらされるそれらの力に対する言語的な応答であり、その痕跡の記憶術だ。」