2日、大学院一般入試。3名合格。これで学内選考の10名と合わせて、来春からディジタルコンテンツ系に参加する13名が確定しました。
2月に第2期の入試を行います。若干名、余裕があります。興味がある人はぜひ受験してください。まずは相談に来てください。
ところで、このあいだ学部1年生から「研究ってどうすればいいんですか?」と尋ねられた。ひとことでいうなら、それは「読んだことのないものを読み、考えたことのないことを考え、書いたことのないことを書く」につきる。
その特徴は、過ぎてみるまで自分が歩んでいる道そのものがよく理解できないということ。薄明かりの中、手探りで、危険な森の道をゆく感じ。それが最後の「。」を打ったとき、パッと光がさしこみ、自分がカバーした経路がわかり、自分の考えがはっきりと進んだことを自覚できるようになる。
「読み書きを中心に考える」ということが鉄則。まずは自分だけのノートを作ること。研究内容が文系だろうが理系だろうがまったく関係なく、それは誰もがやっていること、やるべきことです。
注意すべきは、読めるもの、読んですぐ理解できるものばかりを読んでも力はつかないという点。よくわからないもの、理解しがたいもの、異様なものを、ひたすら読んでゆく必要があります。もちろん、一足飛びにそうすることはできないので、さしあたってはいまの自分より少し先にあるものを求め、獣のように執拗にそれを追うこと。
ついで、考えたことを書くこと。人に見せられる文章にすること、そして読んでもらうこと。読んで必ず批判を受けること。教員はそのためにいるのだから、最初の段階から、それを習慣にすることです。毎週、原稿用紙にして3〜6枚くらいを書いてみて、それを読んでもらい、ボロボロになるまで徹底的に批判してもらうことを勧めます。
読み書きの努力を怠れば、何の進歩もなく2年間を終えるという愚かな結末を迎えることになります。拾い読みでいいから、毎日、それまで知らなかった本に意識的にふれてください。そうして2年間にふれる720冊のうち、たぶん36冊くらいが、修士論文に直接の建築プランと素材を提供し、また生涯の宝になるはず。
本以外にもあらゆるジャンルの表現に意図的に接してゆくべきことはいうまでもありませんが、その場合も、本と本が連なる丘の稜線が、きみの考えの輪郭を決めてゆくでしょう。
来春からわれわれの探求に加わる13人のみんな、ただちにこの習慣にむけてチューニングを開始してください。作品制作を考えている人も、それはおなじこと。毎日やる、必ず。