Monday 19 September 2011

高知いの町での朗読会

仙台の1週間後、17日、高知市近郊のいの町にある土佐和紙工芸村くらうどで『ろうそくの炎がささやく言葉』の朗読会を行いました。

http://www.qraud-kochi.jp/

増水しパワフルな濁流となった仁淀川のほとり。Mowcandle村山さんによる完璧な光の演出のもと、70名のお客さんにも満足してもらえる、いい会になったと思います。

まずぼくが柴田元幸さん訳のエミリー・ディキンソンの短い詩をオフで読んで開幕。編集の関戸さんからの主旨説明につづき、工藤さんによる谷川俊太郎「ろうそくがともされた」、笠間さんによるジャン・ポーラン「よき夕べ」と自作エッセー「山のかげ」、根本さんによる中村和恵「ワタナベさん」、それから地元からの参加者である斉藤さんによる関口涼子「わたしを読んでください。」、西川さんによる谷川俊太郎「ろうそくがともされた」、清田さんによる岬多可子「白い闇のほうへ」。そして装幀の岡澤さんによる万感をこめた鄭暎惠「帰りたい理由」が会場のみなさんの涙を誘いました。それからふたたび工藤さんがペローの昔話、そしてぼくが「川が川に戻る最初の日」を読んで第1部の終了。

第2部は、主催の池田葉子さんとその仲間たちによるジャズ・クインテット「フラット・ファイヴ」のライヴです。すでに結成以来10数年を経て、200回を優に超えるライヴをこなしている地元バンド。みんなで楽しめる練達の演奏で、くらうどの特製オードブルをいただきながら、ほんとうに楽しいひとときでした。ぼくも途中で2曲、歌わせてもらいました。人前で歌うなんて、高校生時代以来。高校生のころのレパートリーを、そのままやらせていただき、ありがとうございました。

すべてをアレンジしてくれた池田葉子さんは、写真家、ベーシスト、革細工職人。生きることに積極的な、ものしずかで侠気のある女性です(みんなからアニキと呼ばれています)。楽しいバンド仲間のみなさん、完璧なホスピタリティで迎えてくださったくらうどの西川さんとスタッフのみなさん、そして聴衆として参加していただいたみなさん、ほんとうにありがとうございました。

翌日は仁淀川の河口にゆき、川の水が海の荒波とぶつかるようすを見、ついで高知市内のあの有名な沢田マンションを見学して、帰ってきました。『ろうそくの炎がささやく言葉』に収録されたていねいに紡がれた作品たちが、しかるべき声に乗り新たな読者のみなさんに届くようすに、毎回はっとします。声の強さにはっとします。

そうそう、春野というところにあるオーガニック・レストラン聖屋(ふつうのお宅で、吹き抜けの2階が文庫になっているおもしろくておいしいお店)で池田さんにお昼をごちそうになったのも楽しい思い出。
http://www.kinomama.jp/search/restaurant/395/base/pref/高知県


これからの各地での朗読会に、ぜひいらしてください。スケジュールは本の専用サイトでチェックしてくださいね。

http://lemurmuredesbougies.tumblr.com/