さっき、月を見上げて、ふと考えた。
あの光が太陽の光だと最初に見抜いたのは誰なんだろう。
たぶん、おそくとも数千年前。陰の部分のかたちの移り変わりから光源があることを見抜き、その光源としては夜姿を隠している太陽しかないことを、世界の各地で、いろんな人が見抜いた。(理論上の地動説の発見は、たぶん各地の文化で個別にあっただろうと思う、それもキリスト教ヨーロッパよりもずっと早く。)
しかしそれは人類の歴史の中で考えると、ものすごい飛躍だ。高揚と畏れを、同時に感じさせる発見(というか着想)だったにちがいない。