Thursday, 8 November 2012

キルメン・ウリベ讚

バスクの作家キルメン・ウリベが来日中です。彼のすばらしいすばらしい小説『ビルバオ-ニューヨーク-ビルバオ』が翻訳出版されたのを機に。作家本人もほんとに好青年で、この三日ほど親しくつきあうことができました。

今日はセルバンテス文化センターでの対談。小説からの朗読(彼がバスク語原文、ぼくが金子奈美さんによる日本語訳、そして背後にはスペイン語字幕)をはさみこみながら、割合いろんな話題にふれることができたと思います。

ぼくは風邪で信じがたいダミ声でしたが、それでも楽しいひとときでした。この小説、真の傑作です。たとえばゼーバルトが好きな人にお勧めしますが、それ以外のどんな人にも。今年ただ1冊翻訳小説を読むとしたら、これでしょう!

昔から惹かれていたバスク。こうなったら行ってみないわけにはいきません。来年の目標?

先週の詩、今日の詩

東大文学部の「詩の発生と現在」。先週は三角みづ紀さんをゲストにむかえ、非常に充実した時間でした。三角さんが持参してくれた詩3篇は次のとおり。

高橋新吉「何もないのだ」
斉藤倫「その名」
三角みづ紀「終焉#29」

そして今日は通常の運営に戻って、以下の3篇。

李ソンボク「手紙」
那珂太郎「ねむり」
石垣りん「子供」

そのあとのパス『弓と竪琴』をめぐる議論も抱腹絶倒でした!

台湾原住民小学生サンバ

日曜日、那覇ですごいものを見ました。台湾の原住民小学生たちのサンバ・パレード! 総勢およそ30人、さまざまなドラム類を下げて、あくまでも陽気に楽しく元気に明るく強烈なビートを堪能させてくれました。

平和通りから桜坂劇場へ。かれらの公演を実現したのは翁長巳酉さん。かつてブラジルに12年住み、観光客など絶対に行かないキロンボ(元逃亡奴隷たちの村)をまわって異なるリズムを体に叩きこんできたパーカッショニストです。

その彼女が何を思ったか、台湾・台東の子供たちにパーカッションを教えはじめ、その驚くべき成果がいまここに。もちろん、バックに何がついているわけでもありません。完全に手弁当、草の根交流が実現した感動的な光景でした。

ブラジルを基礎に、これから子供たちが独自のヴァリエーションを生み出してゆく、そこが肝心なのだと翁長さんはいいます。この水平感覚、自在な越境/混淆/即興性に、こっちの目も耳も開きました。

Facebookに映像をアップしているので、興味がある人はぜひごらんください。

(なお「原住民」とは台湾での正式の呼び方。台湾では「先住民」が「すでに滅亡した」という意味を帯びるようです。)

震災シンポジウム終了

建築系の同僚たちが主催した震災・復興シンポジウム、ぶじ終了。建築学科は明治理工でもっとも活気のある学科ですが、このシンポジウムにも多くの学生が集まり、充実した会でした。

非建築系はぼくだけ。朗読劇『銀河鉄道の夜』東北ツアー報告が目的でしたが、ツアーにたどりつくまえの背景説明で時間が過ぎてしまいました。柴田元幸さん訳のエミリー・ディキンソンの詩を朗読できたのが救い。『ろうそくの炎がささやく言葉』所収です。

ともあれ、建築の同僚たちがじつにさまざまな試みに関わっていることに、感動しました。東北への関わりを一過性のものにすることなく、これからの持続と新しい社会デザインを考えていきたいと思います。

読売書評 #22

奥野・山口・近藤編『人と動物の人類学』(春風社)。11月4日掲載。動物について考えるための好著。そして装幀の良さが際立っています。

Friday, 2 November 2012

「震災・復興と向き合う」

明日になってしまいましたが、お茶の水の明治大学リバティータワーで明治大学建築シンポジウム「震災・復興と向き合う」が開催されます。ぼくは朗読劇「銀河鉄道の夜」東北ツアーについて報告します。興味がある人はぜひ聴きにきてください!




2012年度明治大学建築シンポジウム
「震災・復興と向き合う」
【企画主旨】
  震災はそれまで抱えていた問題を浮き彫りにし、復興は社会のトレンドを加速させるものである。東日本大震災は、地震災害と原発事故のリスクや現代日本の脆弱性を噴出させた。同時に、過疎化や再生可能エネルギーなどのトレンド、地域の歴史文化やコミュニティ、そしてリスク社会との向き合い方が問われている。
  今回のシンポジウムでは、第一部として、明治大学建築学科および大学院新領域創造専攻の教員・学生等がこの1年半、震災・復興にどう向かい合ってきたかを報告する。また、第二部として、外部からゲストをお招きした上で、震災復興に求められる建築専門家のあり方について議論するとともに、縮小社会における「公共」空間のふさわしい立ち現れ方について、意見を交わす。

      ● 日時:2012年11月3日(土)午後1時半〜5時
      ● 会場:明治大学駿河台キャンパス・リバティタワー地下1階 1001教室 
      ● 参加費:無料(学外の方でも参加できます。申し込み不要)
      ● 主催:明治大学理工学部建築学科・同大学院理工学研究科建築学専攻
       共催:明治大学科学技術研究所、明建会、明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻
       後援:明治大学震災復興支援センター

【プログラム】
あいさつ 小林正美(建築学科長)
第1部(14:15〜15:15)
 「建築物の被害調査を通した学会の役割」
   平石久廣(明治大学教授/日本建築学会災害委員会委員長)
 「再生履歴のアーカイビングから、復興のパースペクティブへ」
   青井哲人(明治大学准教授/日本建築学会『建築雑誌』編集長)
 「集団移転地のデザインに挑む建築家の役割」門脇耕三(明治大学専任講師/アーキエイド)
 「朗読劇『銀河鉄道の夜』の東北ツアー」管啓次郎(明治大学教授/新領域創造専攻DC系主任)
 「領域横断・社会連携による被災地支援」山本俊哉(明治大学教授/東北再生支援プラットフォーム副代表)

第2部(15:30〜17:00) 特別対談「震災復興と『私』から拡がる公共のかたち」
 西田亮介(公共政策学者 / 立命館大学大学院 先端総合学術研究科 特別招聘准教授)
 福屋粧子(建築家 / 東北工業大学 工学部 専任講師)
 吉村靖孝(建築家)
 モデレーター:門脇耕三(前掲)

Thursday, 1 November 2012

「水牛」11月号

ウェブマガジン「水牛のように」11月号です。ぼくはあいかわらず「時制論」シリーズ6片を発表。ごらんください!

http://www.suigyu.com/