Wednesday, 13 May 2009

『チョコラ!』がはじまった

みなさん。小林茂監督のドキュメンタリー『チョコラ!』が、9日に始まりました。ケニアの町ティカで暮らすストリート・チルドレンを追った作品。ここにみなぎる力、ただ「美しさ」とか「けなげさ」と呼んでは絶対にいけない躍動する力を、ぜひ現実のスクリーンで体験してください。

現在ユーロスペースで公開中。パンフレットには、ぼくも文章を寄せています。

都合がつく人は、こんど一緒に見に行きましょう!

Monday, 11 May 2009

広島

所用で広島へ。駅に隣接したホテルに荷物を置いて、すぐ散歩。

むかったのは仏舎利塔。標高139メートルの山上で、ここからは市街地の地形がよくわかる。礼拝。それから神社の参道、ドングリがたくさん落ちている道を降りて、セントロ(市街地)にむかった。

中学校の修学旅行(1973年)以来、36年ぶりの広島! 台北みたいな大都会で、びっくり。特に県庁前のあたりは台北に通じるものがある。そこから八丁堀界隈にゆき、アーケード街を歩きながら、頭の中では『ヒロシマ・モナムール』のきわめてスリリングな移動撮影(ゆきかう自転車を見おろし、かなりのスピードで町を駆け抜けてゆく)を反芻していた。

あなご飯、お好み焼き、穴子や蛸のかまぼこ、ホルモンのてんぷら、せんじ肉。うまいものも多い。美術館には、時間がなくていけなかった。原爆ドームには、心構えができなくて、再訪できなかった。でもまた行こう、広島。

お好み焼きを焼く兄ちゃんの広島弁を聞いてるだけで、なんだか気合いの入るデルタ・シティーだ。

Sunday, 10 May 2009

アカデミーコモンがもっとも熱かった日

昨日(土曜日)のアカデミーコモンはすごかった。正午をすぎたころから人が続々と集まり、いつのまにか長蛇の列。そう、メビウスと浦沢直樹のライヴ・パフォーマンスのために集まった人たちだ。ゆうに1000人を超えている。

何しろ、谷口ジロー、永井豪、いしかわじゅん、小池桂一といった人たちが、単なるお客として参加しているのだから、すごい。われらがカリスマ・フランス語教師、清岡智比古だって。といっても、ぼくは何も見ていません。控え室から会場に向かうメビウスの後ろ姿だけ。

こっちはこっちで、そのころは準備にかかりきり。夕方からの、猿楽町校舎完成記念パーティーと学生たちの作品発表会のため。みんながもりあがっている3階の下で、ひっそり、こっそり、でも楽しく。ま、それもいいか。

それでもこっちはこっちで、なかなかの盛会だった。今年の新入生の歓迎会も兼ねているのだが、明治関係者だけでなく、学外からようすを見にきてくれた人も20名近く。これは、はっきりいって、すごい数字だ! そのうちの何人かが来年のDC系を背負ってくれるなら、いうことなし。

一時は廃墟か野良猫の巣窟の空気に包まれていた旧・明治高校校舎を改装して使う、新領域創造専攻猿楽町校舎は、ある時期のロンドンやリヴァプールやアムステルダムを思わせる、混沌とした創造性の雰囲気を漂わせはじめた。そう、「明治の中にアート・スクールを作る」というわれわれの公然の秘密的計画が、着々と実現しはじめている。

今が、時だ。次は、火だ。DC系の第3期生をめざす人は、ぜひ受験してください。ポスター発表も映像作品も、なかなかクレイジーでおもしろかった。そして学生たちは1年でガラリと変わるので、これからますます形質の獲得が佳境に入ることだろう。

おもしろくなってきた。夏休みにも、ここで何かやります(たぶん)。乞うご期待!

Saturday, 9 May 2009

大塚あすかの36冊

外部ゼミ生、大塚あすかさんの36冊です。「イエバエとハダニに対する農薬の作用機構」を研究して園芸学部を卒業した彼女は、現在は官庁勤務、労働(職業安定)系統の仕事をしているそうです。

本の選択は、渋い。ぼくと同世代といっても通りそうだけど、じつはずっと若い人。宇野澤くんや大洞くん、志村さんと、きっといろんな話ができるだろうなと思い、うれしくなりました。まだお会いしたことのない大塚さん、よろしく!

ぼくは注意してなかったんだけど、プラネタリウムの大平さん、なぜかぼくの周囲でもすごく人気があります。こんど本を読んでみよう。


1.自分の考え方、感じ方、判断力の核をなす12冊

安倍能成ほか編『少年少女世界文学全集』(講談社、1959年)
高村光太郎「高村光太郎」(新潮社、日本詩人全集9、1971年)
コロナ・ブックス編『画狂人ホルスト・ヤンセンー北斎のまなざし』(平凡社、2005年)
トマス・ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』(志村正雄訳、筑摩書房、1992年)
岡本敏子『恋愛芸術家』(マガジンハウス、2001年)
寺田寅彦『柿の種』(岩波書店、1996年)
コンラート・ローレンツ『ソロモンの指輪』(早川書房、1998年)
ボリス・ヴィアン『心臓抜き』(滝田文彦訳、早川書房、2001年)
アゴタ・クリストフ『悪童日記』(堀茂樹訳、早川書房、1991年)
荒木経惟『センチメンタルな旅・冬の旅』(新潮社、1991年)
ガブリエル・ガルシア=マルケス『エレンディラ』(鼓直・木村榮一訳、筑摩書房、1988年)
ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』(岸本佐知子訳、白水社、2007年)


2.自分が専門と呼びたい分野の12冊(はたらくこと≒生きること)

石井光太『物乞う仏陀』(文藝春秋、2008年)
足立君枝『カンボジア はたらく子どもたちー足立君枝写真集』(連合出版 2009年)
是枝裕和『官僚はなぜ死を選んだのかー現実と理想の間で』(日本経済新聞社、2001年)
町田康『夫婦茶碗』(新潮社、2001年)
大平貴之『プラネタリウムを作りました—7畳間で生まれた410万の星』(エクスナレッジ、2003年)
松尾スズキ『12歳の大人計画ー課外授業ようこそ先輩』(文藝春秋、2006年)
吉本隆明『13歳は二度あるか』(大和書房、2005年)
辺見庸『もの食う人々』(角川書店、1997年)
見田宗介『まなざしの地獄』(河出書房新社、2008年)
内田樹『下流志向ー学ばない子どもたち働かない若者たち』(講談社、2007年)
杉村芳美『「良い仕事」の思想ー新しい仕事倫理のために』(中央公論社、1997年)
阿部真大『働きすぎる若者たちー「自分探し」の果てに』(日本放送出版協会、2007年)


3.「現代性」を主題とする12冊

楳図かずお『わたしは真悟』(講談社、2000年)
ヤーコプ・フォン・ユクスキュル『生物から見た世界』(日高敏隆・羽田節子訳、岩波書店、2005年)
リン・ディン『血液と石鹸』(柴田元幸訳、早川書房、2008年)
鬼頭莫広『ぼくらの』(講談社、2004年)
ビクトール・ペレーヴィン『眠れ』(三浦清美訳、群像社、1996年)
ジョゼ・サラマーゴ『白の闇』(雨沢泰訳、日本放送出版協会、2008年)
モーセン・ムスタファヴィ『時間のなかの建築』(黒石いずみ訳、鹿島出版会、1999年)
レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』(川田順造訳、中央公論社、2001年)
筒井康隆『残像に口紅を』(中央公論社、1995年)
柳父章『翻訳語成立事情』(岩波書店、1982年)
竹田青嗣『言語的思考へー脱構築と現象学』(径書房、2001年)
高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』(講談社、1997年)

Thursday, 7 May 2009

進学希望の方は猿楽町ツアーにどうぞ!

以下、今週土曜日の行事についてのお知らせです。

<新領域創造専攻研究・実験室完成式>

理工学研究科・新領域創造専攻では、明治大学猿楽町校舎に新設された新領域創造専攻研究・実験室の完成式ならびに修士課程学生の研究発表 会をとりおこないます。

日時 2009年5月9日(土)17時45分より
場所 アカデミー・コモン2階会議室(2室使用)

2つの会議室を、パーティー会場ならびに研究発表会場として使用します。
予約不要・会費無料にて、学外の方も自由にご参加いただけます。

17時30分からパーティー会場入口にて受付を開始しますので、ご署名の上、会場内にお入りください。

研究発表会場では修士課程の学生たちのPC使用のデモンストレーション、ポスター発表が、19時30分までおこなわれます。

新領域創造専攻への進学を考えているみなさん、19時30分にパーティー会場を出発する「猿楽町校舎ツアー」にぜひご参加ください。

Wednesday, 6 May 2009

安西洋之の36冊(4月30日現在)

外部ゼミ生、安西さんの36冊です。

安西さんはミラノ在住のビジネス・プランナー、著書に『ヨーロッパの目 日本の目』(日本評論社、2008年)があります。どんなビジネスだって、その底を支えるのは文化、そして固有のデザイン。豊富な体験から生まれるソリッドな比較文化論の道を切り開きつつある人です。

まずは以下のリスト。形式は統一しました。『思想のドラマトゥルギー』や『さよなら怪傑黒頭巾』など、ぼくにとってはいかにも同世代で、親近感。安西さん、じつはわが同僚のフランス語のカリスマ教師・清岡さんの大学時代の同級生なのでした。

1.考え方・感じ方・判断力の核をなす12冊

スタンダール『赤と黒』(岩波文庫、1958年)
桑原武夫『文学入門』(岩波新書、1963年)
林達夫・久野収『思想のドラマツゥルギー』(平凡社、1974年)
加藤周一『羊の歌』(岩波新書、1968年)
庄司薫『さよなら怪傑黒頭巾』(中央公論社、1968年)
梅棹忠夫『文明の生態史観』(中公文庫、1974年)
真木悠介『気流の鳴る音』(筑摩書房、1977年)
バーガー=ルックマン『日常世界の構成』(山口節郎訳、新曜社、1977年)
『カーデザインの巨人 ジウジアーロ』(小学館、1985年)
宮川秀之『われら地球家族』(評伝社、1988年)
『ピエール・ルイジ・ネルヴィ』(プロセス・アーキテクチャー、1981年)
陣内秀信『イタリア都市再生の論理』(鹿島出版会、1978年)

2.今回専門とする分野(ヨーロッパ文化とデザイン)の12冊

ブローデル『地中海世界』(神沢栄三訳、みすず書房、1990年)
佐藤和子『「時」に生きるイタリア・デザイン』(三田出版会、1995年)
D.A.ノーマン『誰のためのデザイン? 認知科学者のデザイン原論』(野島久雄訳、 新曜社認知科学選書、1990年)
ヤコブ・ニールセン『ユーザビリティエンジニアリング原論』(篠原稔和・三好かおる訳、東京電機大学出版局、1999年)
岩田誠『見る脳・描く脳―絵画のニューロサイエンス』 (東京大学出版会、1997年)
武者小路公秀・蝋山道雄編 『国際学―理論と展望』(東京大学出版会、1976年)
平野健一郎『国際文化論』(東京大学出版会、2000年)
森明子編『ヨーロッパ人類学―近代再編の現場から』(新曜社、2004年)
エドガー・ホール『かくれた次元』(みすず書房、2000年)
ジャン・モネ『ジャン・モネ回想録』(近藤健彦訳、日本関税協会、2008年)
Fabbri Fabriano “ Lo Zen e il manga “(Mondadori bruno, 2009)
“Magnificenza e Progetto –cinque cento anni di grandi mobili italiani a confronto” (Skira, 2009)

3.「現代性」を主題とする12冊

村上隆『芸術起業論』(幻冬舎、2006年)
水谷修ほか『いいじゃない いいんだよ』(講談社、2005年)
水村美苗『日本語が亡びる時』(筑摩書房、2008年)
近藤健『反米主義』 (講談社現代新書、2008年)
小山登美夫『現代アートビジネス』 (アスキー新書、2008年)
鈴木光司『情緒から論理へ』(ソフトバンク新書、2009年)
福野礼一郎『クルマはかくして作られる』(二玄社、2001年)
Kazuo Ishiguro , The Remains of the Day, 1990.
丸川和雄『現代中国の産業』(中公新書、2007年)
仲正昌樹『日本とドイツ 二つの戦後思想』(光文社新書、2005年)
上野俊哉・毛利嘉孝『カルチュラル・スタディーズ入門』(ちくま新書、2000年)
フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』(村上春樹訳、中央公論社、2007年)

本について語りながら街を横断すること

大竹昭子さんのカタリココ、2009年度のシーズンの予定が決まったようだ。堀江敏幸さんにはじまり大竹伸朗さんに終わる顔ぶれもすごいが、おもしろいのはこのシリーズが毎回場所を変えつつ、東京を横断するかたちで構想されていること。

http://katarikoko.blog40.fc2.com/blog-category-0.html

時が、場所が、合ったなら、ふらりと立ち寄ってみたい。


このシリーズとは別に、石川直樹さんとの対談もある。以下、引用。


■石川直樹×大竹昭子トークショー

石川直樹さんの写真集『Mt.Fuji』の刊行を記念して、彼とトークをいたします。
富士山は古くから霊峰として崇められ、江戸時代には本物の富士山に行けない女子供のために、江戸市中にミニチュアの富士山がたくさん造られました。そんな富士山の民俗学的な側面にも触れつつ、日本一の山の魅力と霊的な力について語り合います。

日時:5月15日(金)19:00開演
会場:新宿ジュンク堂書店7階
料金:1000円(1ドリンク付き)
*申し込みは直接7Fカウンターか、電話03-5363-1301へ。


15日か。会議日で行けない、残念。しかしいつかは富士山に登らなくちゃ。