Tuesday, 5 May 2009

Te Pito Records

作曲家の宮木朝子さんが自作のレーベルを立ち上げた。

http://www.te-pito-records.com/

引用すると

「アクースマティーク・エレクトロニカ。現代音楽とエレクトロニカの境界領域に響くインナー・アンビエンスを追求するレーベル、Te Pito(テ・ピト)

アクースマティークとは?
戦後フランスのラジオ放送局内で実験的に始められた、現実音の録音・加工による電子音楽ミュージック・コンクレートの現在形の電子音響音楽のこと。

インナーアンビエンスとは?
心象風景の中で鳴り響く、音響世界。聴く者の記憶と予兆を覚醒させる、『内的な環境音』。」

それではレーベル名の「テ・ピト」とは何? 答えは上記のホームページに。

蜂使い?

日曜日の東京新聞に、驚くべき写真が掲載されていた。

「直径2・3メートル、高さ2・7メートル、胴回り6・6メートル」のキイロスズメバチの巣。ハチ研究家の富永朝和さんが、「女王バチ114匹と、働きバチ50万匹に2年がかりで作らせた」ものだそうだ。

富永さんの独創は、複数の巣の女王バチ、働きバチに、ひとつの家族だと思わせることに成功した点にある。なぜか巣の表面に「ハチ」の
文字が浮かび上がり、また別の巣は、オリンピックの聖火ランナーのかたちに仕上げられている。

どうやっているのかはわからないが、これはすでに動物芸の一種だろう。ハチとのあいだになんらかの記号を介した伝達の回路を発見したのが富永さんだというわけだ。驚くべきバイオアートの開拓者。

長野県には「ハチ博物館」だけでなく「蜂天国」という施設もあり、そこでは富永さんとは別のやり方で、かたちある巣を作らせているという。そんなことはまったく知らなかった!

Monday, 4 May 2009

きみはウダーを知っていたか?

その宇野澤くんのブログ(これ自体、修士課程の制作の一環です)で知ったのが、ふしぎな電子楽器ウダー。

http://d.hatena.ne.jp/masaki_unozawa/

電子楽器とはいっても、なんかダブリンの街角に似合いそうなところがカワイイ。

楽器全般についていうなら、演奏家と聴衆がはっきり分かれていることは、歴史上ごく最近に現われた異常事態だと思うけどね。スポーツにしても、ぼくはスペクテーター・スポーツ(選手は競技場で、あとは観客席で)が大嫌い(といっても神宮球場にパ・リーグの試合を見に行ったりするのは好き)。

手を染める、つまり手をその対象物の環境と材質にひたすことを、どんな分野でも心がけたい。その上での玄人と素人の分離は当然だけど、それでも熟練がすべて商品とお金の問題になってゆくくらいなら、そんなものはなくてもいい。

宇野澤昌樹の36冊(as of 23 April 2009)

修士課程2年の宇野澤くんのリストです。4月23日現在、まだこれから変わってゆくことが予想されます。宇野澤くんは藤浩志論で修士論文を準備中。まちがいなく画期的な本になります。彼のおかげでぼくも老いの道から10年は時間を引き戻されました。これからもがんがんやろう!

1. 自分の考え方、感じ方、判断力の核をなす12冊

マイケル・オンダーチェ『バディ・ボールデンを覚えているか』(畑中佳樹訳、新潮社、2000年)
平出隆『遊歩のグラフィスム』(岩波書店、2007年)
宮本常一『民俗学の旅』(講談社学術文庫、1993年)
ブルース・チャトウィン『ソングライン』(北田絵里子訳、英治出版、2009年)
かわなかのぶひろ『映画・日常の実験』(1975年、フィルムアート社)
西嶋憲生『映像表現のオルタナティヴ 一九六〇年代の逸脱と創造(日本映画史叢書 3)』(森話社、2005年)
岡谷公二『郵便配達夫シュヴァルの理想宮』(作品社、1992年)
ウィリアム・フォークナー『アブサロム、アブサロム!』(篠田一士訳、河出書房新社、2008年)
ロジャー・アックリング、ハミッシュ・フルトン『紀伊半島を歩いて』(和歌山県立近代美術館、1996年)
テッド・コノヴァー『ホーボー列車に乗って―アメリカ横断浮浪旅』(畑中佳樹訳、筑摩書房、1992年)
花田佳明『植田実の編集現場―建築を伝えるということ』(ラトルズ、2005年)
David Hockney 『David Hockney by David Hockney.』(Thames and Hudson、1977年)

2. 自分が専門と呼びたい分野の12冊(藤浩志、あるいは世界の使い方)

藤浩志『違和感を飛び超える術』(福岡市美術館、2005年)
八島太郎『からすたろう』(偕成社、1979年)
アーノルド・ロベール『がまくんとかえるくん』(三木卓訳、文化出版局、1972年)
小山田徹『小山田徹:しあわせのしわよせ』展図録(財団法人アサヒビール芸術文化財団、2004年)
プラクティカネットワーク編『日常を変える!クリエイティヴ・アクション』(フィルムアート社、2006年)
石山修武『秋葉原感覚で住宅を考える』(晶文社、1984年)
川合健二ほか『川合健二マニュアル』(アセテート、2007年)
倉田康男『建築造型論ノート』(鹿島出版会、2004年)
服部文祥『サバイバル登山』(みすず書房、2006年)
堀江謙一『太平洋ひとりぼっち』(舵社、2008年/文芸春秋、1962年)
マッド・マドン『コミック文体練習』(大久保譲訳、国書刊行会、2006年)
ニコラ・ブーヴィエ『ブーヴィエの世界』(みすず書房、2007年)

3. 「現代性」を主題とする12冊

濱野智史『アーキテクチャーの生態系』(NTT出版、2008年)
ローレンス・レッシグ『コモンズ』(山形浩生訳、翔泳社、2002年)
アトリエ・ワン『アトリエ・ワン・フロム・ポスト・バブル・シティ』(INAX出版、2006年)
松村慎『ネットでものを生み出すということ』(ワークスコーポレーション、2009年)
野口里佳『鳥を見る―野口里佳作品集』(P3 art and environment、2001年)
福岡伸一『動的平衡』(木楽舎、2009年)
松本圭介『おぼうさん、はじめました。』(ダイヤモンド社、2006年)
大竹昭子『随時見学可』(みすず書房、2009年)
坂口恭平『TOKYO 0円ハウス0円生活』(大和書房、2008年)
佐藤修悦『ガムテープで文字を書こう! ―話題の新書体「修悦体」をマスターして』(世界文化社、2009年)
ばるぼら他『世界のサブカルチャー』(翔泳社、2008年)
『Make: Technology on Your Time Volume 05』(オライリー・ジャパン、2008年)

兼田言子写真展「Tan tan tan」

おととしの「ブレーズ台風」つまりスイス大使館主催の詩人ブレーズ・サンドラール生誕120周年記念イベントに立ち会った人は、会場で販売されていた画期的な小冊子のことを覚えているでしょう。着任まもないスイス大使が感動していました。それを作ったグループがBEKA。その一員である兼田言子さんの写真展が、いま茅場町のギャラリーマキで開催されています。

http://kotophoto.jimdo.com/

土曜日の夜、アキバから地下鉄に乗って、行ってきました。奄美大島、イタリア、キューバの写真を、なんらかの類似性・共通性にしたがって3枚組にして展示。見ていると、あ、なるほどと思います。気取らない白黒写真の中の、うれしい発見。

BEKAのみんなは東京外国語大学の今福龍太さんのもとで学んだ人たちですが、やる気があって元気で、いつもいい刺激を受けます。5日には声優の仕事をはじめたももちゃんの詩の朗読会もあるとか。

写真の風、声、現実の川風に吹かれに、出かけてみるのもいいかも。そして誓いを新たにしたいと思います、キューバに、いつか必ず(それもできるだけ早く)!

日本イラク通信社

翻訳家のくぼたのぞみさんのブログを経由して、「水牛」の八巻美恵さんが紹介している「日本イラク通信社」のことを知りました。

http://blog.livedoor.jp/jimnetnews/

驚き! そうか、こういうかたちで、マス・メディアでは絶対に表面化しない世界の姿を教えてくれる、カウンター・メディアが作れるんだ。

DC系も今年からドキュメンタリーのフェーズに突入しています。みんなが自分のニュース番組を作るのもおもしろいかも。そして数分のセグメントを集めた60分くらいの番組を作って、ビデオで発売/無償配布するとか。

その精神は。パロディの背後に隠された真実あり!

Sunday, 3 May 2009

State of Dogs

このあいだ『らくだの涙』をビデオで観て、おなじくモンゴルを舞台にしたドキュメンタリー的要素の強い作品であるState of Dogsのことを思い出した。それで「ステイト・オブ・ドッグス」で検索してみたら、10年前にこの作品を配給したスローラーナーさんのはてな日記に。

http://d.hatena.ne.jp/slowlearner_m/20090425

本当にすばらしい作品なのだが、調べてみてもDVDは(英語圏、仏語圏などでも)発売されていないみたいなのが残念。もちろん世界のすべての映画を観ることはできないし、世界のすべての映画の1万分の1も観ることはできないだろうが、それを観れば自分の想像力ががらりと変わるようなこんな傑作は、ぜひ観たいし何度でも観たいものだ。

また上映されないかな、何かの機会に。いつか犬映画祭でも企画してみたい。