2017年2月17日金曜日

修論審査を終えて

2008年に開設した新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系。本日、第8回目の修士論文口頭試問を行いました。今年の修了生は8名。ちょっと少ない。でもうち4名がぼくの研究室で、これについてはそれなりに感慨深し。

4名が修論で扱ったのは、シェアハウスに見る現代日本のシェアリングエコノミーとその背後にあるもの、ボニン・アイランダーズ(小笠原諸島民)のエスニッ ク・アイデンティティ生成史、宮澤賢治作品に見る青の意味+詩の創作、阪神淡路大震災と東日本大震災後のミュージアムの取り組みと記憶の継承。

分野でいえば、社会学、歴史人類学、文学、美術館・博物館学となりますが、これだけの多様性をもった研究室は、あまりないと思います。もっとも、ぼくは別 に大した指導をしているわけではなくて、主な仕事はかれらが何かを出してくるのをじっと待つこと。そして今年も、待った甲斐がありました。

われわれの専攻は「論文+作品制作」という形式で修士号を取得できます。今年は、上記の宮澤賢治論+賢治の心象スケッチを追うかたちでの作品制作により、 ついに文芸創作の修士号を、それも理想的なかたちで出すことができて、感無量でした。この創作は、いずれ詩集として出版されることでしょう。それを心から よろこびたい、新鮮な風が吹き抜ける作品です。

4月からは研究室の所属学生もぐっと少なくなり、予定では修士2年、1年ともに1名ずつ。しかしその分、徹底的にラディカルな探求にとりくめることと思います。

この専攻の直接の同僚たち、倉石信乃さん、宮下芳明さん、波戸岡景太さんを明治にお迎えしたのが2007年で、ちょうど10年前でした。かれらのおかげで確実に、明治はおもしろくなりました。

4月からは建築・都市学専攻総合芸術系、別名「場所、芸術、意識」系として再出発します。アートと呼ばれる営みが私たちの社会をいかに直接に変えるか、その最前線を見極め、そこに身を投じる場にしたいと思っています。