書評という行為が何に似ているかといったら、それは生け花だと思う。本という素材の一部を切り取り、それを新しいアレンジメントに投げこむ。組み合わされ配置された花たち(=引用文たち)は、もともともっていた生命の連関の名残により、新たにつむがれた文の中でも新しく輝く。書評執筆者は一種の花道家として、さあ、見てください、といえるかたちと色合いを、限られた字数のうちに実現しようとする。そこには意味も過剰なくらいに入っているのだが、どれだけ伝わるかはわからない。最低限つたわるといいと思えるのは、論じられる元の本それ自体が、この世界に対して与えようとしていた振動。個々の本の意志、そのafterglow。(『本と貝殻』「あとがき」より)
Tuesday, 16 May 2023
『エレメンタル』
一冊の本とは死者たちの森だ。魂の痕跡が並び、さまざまな不在の声が響く。あらゆる文章には死者たちとの対話という側面があるが、それは実在する相手が生きていてもおなじであらゆる文章において人はすでに少し死に、そのぶん、より大きな生を手にしている。たとえその文章の書き手が自分だったとしても、過去の自分はそれほど自分ではない。
(『エレメンタル』「あとがき」より)
6月16日、3冊の本を同時に刊行します。そのひとつが『エレメンタル』(左右社)。ぼくの過去の本のうち、もう古本以外では入手できなくなっている『トロピカル・ゴシップ』(青土社 1998)『コヨーテ読書』(青土社2003)『オムニフォン』(岩波書店2005)からの選集です。末尾に単行本未収録の文章が3本。
書影が出たらまたちゃんと紹介しますが、お楽しみに!
Monday, 1 May 2023
Sunday, 2 April 2023
Sunday, 12 March 2023
Thursday, 2 March 2023
ラジオ朗読劇『銀河鉄道の夜』
われわれの朗読劇『銀河鉄道の夜』の最新ヴァージョンはラジオドラマ! 福島FMおよびエフエム岩手で放送されます。新シナリオに基づくDJ役および音楽担当は後藤正文さん。驚くべき作品に仕上がりました。ぜひお聴きください!
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