Saturday, 4 June 2011

テンモー、テンモー、テンモー

ことばを覚えるのは人間の本能だが、教えたがるのもそうかもしれない。外国人に、本人にわかっていない語や文を教えて発音させ、笑いの種にするのはよくあることで、今回のワークショップの遊び時間では、なぜかタイの女の子たちがぼくにこんなことばを教えこんだ。

テンモー、テンモー、テンモー!
テンモー、ルットトーヤヤーイ!

節回しまで真似てうまくいうとみんなで大笑いしているのだが、聞くと「テンモー」とは西瓜のこと。そしてこれは西瓜売りのせりふで「すいか〜、すいか〜、すいか〜。でっかくて甘い西瓜だよ〜」といった意味らしい。

いいことを教わった。これから毎夏、すいかを食べるたびに、このことばを思い出すだろう。ぼくには初めてのタイ語だ。いずれ現地で確認してみたい。

Agend'Ars 30


La lluvia se transformó en peras
La luz del sol raspó las piedras
Las estrellas repitieron la puesta del sol
Y los árboles se convirtieron en carbón al cabo de diez mil años
Cuando pelo la pera y trago su pulpa
Cuando parto la piedra y la chupo como huesos
Cuando, imitando la sombra que se muere en cada puesta del sol,
Pinto la cara con el carbón de los árboles
No puedo probar ni siquiera
La existencia de estas, estas manos
La imagen del mundo que estos, estos ojos ven
No se distingue del engaño de las letras
Lo que sí existe, es el jugo de fruta que gotea
O las hojas llameantes de otoño
O los pequeños cangrejos que viven en el lodo
O los pájaros que emigran a la isla

(Una traducción tentativa por Eiko Minami)

Friday, 3 June 2011

学内選考

明治大学の現4年生(か5、6年生)で新領域創造専攻への進学を考えているみなさん。学内選考の出願は今月13日〜15日までです。出願する人は必ず事前に、所属を希望する研究室の教員に面談を申し込んでください。

ぼくの研究室への学内からの進学実績は、以下のとおりです。

2008年度 1(理工学部)
2009年度 1(理工学部)
2010年度 1(情報コミュニケーション学部)
2011年度 1(理工学部)

他学部からの希望者、大歓迎です。まったく新しい世界に出会えることを約束します!

一般入試の出願は7月初旬。理工学部事務室に問い合わせてください。

「水牛のように」6月号

八巻美恵さん編集の不屈のウェブジン「水牛のように」、6月号です。ぼくは「犬狼詩集」33、34を寄稿しました。なぜかハワイ・モード。

http://www.suigyu.com/sg1106.html

今号では大竹昭子さんが「ことばのポトラック」についての一文を寄せています。ごらんください、そして第2回以後の「ことばのポトラック」に、ぜひいらしてください。

「ちび王子」まもなく地球に?

お待たせしました。ぼくの新訳に、なんと西原理恵子イラストという画期的なサン=テグジュペリ『星の王子さま』、角川つばさ文庫から6月15日に発売です。衝撃の表紙をどうぞ!

http://www.tsubasabunko.jp/bookdetails/index.php?pcd=201012000129

これまでの王子イメージをまったく覆す「ちび王子」の世界遍歴を、ぜひ体験してみてください。

下旬には角川文庫からも出ます(こちらはオリジナル版のサン=テグジュペリ自身のイラストで)。

http://www.amazon.co.jp/星の王子さま-サン・テグジュペリ/dp/4042982190/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1307083159&sr=8-2

訳文はどちらもおなじですが、「つばさ」のほうがひらがなが多くなっています。また「訳者あとがき」は、それぞれまったく異なった2つのヴァージョンです。

おとなのみなさんはぜひ両方お買い求めください! そして「訳者あとがき」を読み比べたあとで、どちらかを周囲のこどもにあげてください。

6月17日は表参道へ

6月17日(金)、毎年恒例のキャンドルナイトに合わせて、こんなイベントを企画しました。

http://www.keisoshobo.co.jp/news/nc232.html

8月刊行の本『ろうそくの炎がささやく言葉』の共著者たちが、自作を朗読します。ほの暗いろうそくの灯りのもとで、しずかに、小さな世界だけを語ります。

ぜひ遊びに来てください。

Wednesday, 1 June 2011

ImaginAsia 2011

ここは台湾中部、鳳凰山麓の林間キャンプ、渓頭青年活動中心。昨年度はじまった映像制作ワークショップ、ImaginAsiaの第2回が進行中です。

今年は国立政治大学、明治大学に加えて、タイのチュラロンコン大学、香港バプティスト大学、南カリフォルニア大学からも学生・教員が参加。国籍だけで13の国/地域を数える、本格的な国際ワークショップとなりました。

初日の晩、ぼくは自作の連作詩「非在の波」を黄耀進さんの中国語訳つきで朗読。倉石さんは韓国の写真家ブン・ムーンの海と雪景色を撮ったきわめて喚起力の強い写真連作について周到な発表を行いました。さらに南カリフォルニア大学と香港バプティスト大、政治大学の学生たちの作品例が上映されました。

2日目の晩には南カリフォルニア大学でアニメーションを教えるフィリピン系映像作家マール・エレパーノMar Elepanoによる感動的な基調講演。映像の本質に鋭く切り込んで行く、非常に興味深い内容でした。

ぼくはアニメーションを真剣に考えたことがなかったので、学生のひとりとして多くを学びました。

(1)アニメーションの表現言語は映画(伝統的フィルム映画)の表現言語をそのまま受け継いでいる。

(2)かつてはフレームからフレームへの移行のあいだに変化が生じたものをアニメーションと呼んでいたが、いまはピクセルからピクセルへの移行のあいだの変化がそれにあたる(したがって、デジタル映像において、実写とアニメーションのあいだに差はない、すべてはアニメーションだ=ぼくの解釈)。

(3)アニメーションにおいては、制作者が自分自身の俳優になれる。

特に(3)が大きな魅力かもしれません。すでに創立から80数年が過ぎている南カリフォルニア大学のあの伝統の映画学部、少し前までは映画・テレヴィジョン学部だったものが、いまではシネマティック・アーツ学部と呼ばれています。つまり、もはやフィルムもテレビもアニメーションもなく、すべてはディジタル技術によって展開される「動画芸術」だというわけでしょう。

南カリフォルニア大学の学生たちのアニメーション作品はいずれも驚嘆すべきレベルの高さで、息を飲みます。すぐにでもハリウッドの最前線で制作に携わることのできるかれらなのだからあたりまえかもしれません。しかしその一方で、たとえば台湾出身の学生による蘭嶼のトビウオ漁を主題にしたものなどは、ひかえめな手描きの表現によるすばらしいアニメーションで、ごくふつうの意味でのドローイングのうまさ、デッサンのうまさといった手技が生きています。

いうまでもないことですが、ディジタル技術と手のスキルは背反するものではなく、アナログ表現の洗練がその意味を失うことはありえません。ゲームばっかりやってないで、デッサンの練習とか木工とか園芸とか料理とか楽器演奏とか、全般的に手を鍛えることをぜひめざしてほしい。その上で、シネマティック・アーツの可能性は、世界的な視覚言語の創造=想像に直結します。

以上、標高1170メートルからの報告でした。