2010年7月11日日曜日

さようなら、チロ

荒木経惟さんの写真展『センチメンタルな旅 春の旅』をラットホールで。行ってみると、荒木さんご自身がギャラリー内でどなたかの撮影中。お元気そうで、ほんとにかっこいい。学生時代、荒木さんのお住まいのすぐそばに住んでいたため、駅にむかって歩いてゆく姿をよくお見かけした。30数年前のこと。あのころから、いったい何万枚の写真を撮ってこられたことか。

早速、80点の写真を見てゆく。ああ、チロだ。会ったことはないけれど、その顔の模様までよく知っているチロだ。そのチロが老いて、痩せてゆく。それでも飛ぶ。それでもやはり弱ってゆく。そして。

白黒写真の展示を見たあと、スライドショーを。ヌード、もちろん。そしてチロの姿。やがてチロが死に、それからあとはずっと空だけ、青空だけ。3月3日から2ヶ月以上、空だけ。それを見ればいやでも、情動の攪乱にさらされる。

荒木経惟。すごい、すごい写真家だ。帰り際、ドアのそばに飾られた、荒木さんご自身のドローイングに、またもらい泣き。陽子さんもチロも元気なときの、二人と一匹の一家の自画像。

荒木さん、まだまだこれからも何万枚もの写真を撮ってください。たとえそれが花と空ばかりでも。