Thursday 4 December 2008

高橋悠治+上野信一

3日、津田ホールにて、ピアニストの高橋悠治さんとパーカッショニストの上野信一さんのデュオ・リサイタル。

パーカッション・ソロの「狼」、ピアノ・ソロの「子守歌」と「アフロアジア的バッハ」。ついで第2部ではすべて新作初演で、ピアノとパーカッションの「打バッハ」、パーカッションの「コヨーテ・メロディ」、ふたたびデュオの「花の世界」と、充実の時が続く。

抑制のきいた気持ちのいい演奏。特に上野さんの多彩で丁寧でソウルフルな演奏にふれるのははじめてだったが、ビーンと響いてきた。

昨年、スイス大使館主催の「ブレーズ・サンドラール生誕120周年」イベントでご一緒して以来の高橋さんは、いよいよ洒脱な、独特な精神のたたずまい。新作がネズパースやヤキといった、アメリカ先住民のエスノポエティックな世界から題材を得ているのが、ぼくにはうれしい。興味がある人は、ぼくの『コヨーテ読書』も、ぜひ見てください。

「アフロアジア的バッハ」は、今福龍太さんが主宰する奄美自由大学で、ちょっとまえに、奄美の木造のキリスト教会を巡歴しながら悠治さんが演奏された曲だそうだ。その場に立ち会えなくて、残念だった。

ともあれ、楽しい夕べでした。お招きいただいた杉山直子さん、ありがとうございます!