Thursday 17 July 2008

ロシア・アヴァンギャルド/石山修武

木曜日、大学院前期授業の最終日。暑い一日だったが、巡歴の一日とする。

まず正午に文化村で集合して、「青春のロシア・アヴァンギャルド展」。1920年代ロシアのすばらしさを期待して行く。展覧会ポスターがすごくよかったし。

結果、マレーヴィチはやはりすばらしかった。白に白、といっても、青みがかった白に赤みがかった白。非常に多様なものを隠した白。そのおなじマレーヴィチの晩年の肖像画なんかには驚く。ひとりの人間て、すごい振れ幅があるものだ。2002年にパリで見たモンドリアンも晩年はつまらないし、ブラジルのモデルニズモのミューズ、タルシーラ・ド・アマラルも、後期はあまりおもしろくないし。

「ロシア・アヴァンギャルド」といいながら、もうひとつの目玉はグルジアのピロスマニ。文句なくすばらしい。学生のころ見たピロスマニの伝記映画を、また見たくなった。みんな(パコとか)最後まで見てから、またピロスマニに戻っているのがおもしろかった。シロクマの親子なんて、ぜんぜん熊らしくない。キャンヴァスにわざわざ妙な厚紙を貼って描いているのも興味深い。

それからTucano'sでお昼ごはん(シュラスコ食べ放題1480円)のあと、みんなで用賀まで移動して世田谷美術館の石山修武展。歩きは暑かった。汗だく。

しかし、すごい! これだけのプロジェクトをほとんど同時に動かしてゆくって、どういうことなんだろう。おびただしいドローイング、エッチングも。土地を見抜き、人々とつきあい、かたちを探り、実現してゆく。建築家魂の頂点を見た思い。

石山先生のみならず石山研究室がそっくり移動してきて館内で仕事をしていたが、ちょっと声をかけるにいたらず。こっちに、言葉がないからなあ。ご尊顔を拝しつつ、立ち去ったという感じ。けれどもすばらしく充実した体験だった。あのパワー。見習いたい。