Saturday 19 July 2008

砂漠ブルーズの真髄

「東京の夏」音楽祭の「サハラの声〜トゥアレグの伝統音楽」。楽しかった!

トゥアレグ族の生活圏はサハラ砂漠の南端にはじまり、アルジェリア、リビア、ニジェール、マリにまたがっている。今回の来日公演のために特別に編成されたグループによる演奏は、月光の下、砂に熱が残る円座での、歌と踊りの集いそのもの。

顔だちが、意外にブラック・アフリカとの混血を思わせる人が多い。楽器はおさえにおさえているが、非常に効いている。電気ギターが妙にブルージーだなと思ったら、マリ共和国からの影響だとのこと(アマドゥとマリアムを思い出してください)。そしてウードは、それに輪をかけて、ブルーズ・ギターそのもの!

このウードが導入されたのが、わずか15年ほどまえだと聞いて驚いた。終盤近くなって、砂を敷いた舞台上でのダンスパーティー。例によってステージに招かれ、またまた踊り狂ってしまった。なんか、毎年やってるなあ、こういうことを。しめくくりはなんとレゲエで、現在世界音楽はなんでもありなんだと再確認。影響を排するほうがおかしいし、影響はいたるところから流れこんでくる。

さんざん楽しんで外に出ると、カラジャ族のみなさんが今夜はTシャツ姿で246沿いの道ばたにすわっていらっしゃった。この光景は、夢みたいだった。Muito obrigado e boa viagem! とリーダーさんに挨拶して別れる。かれらはアマゾンの村に帰ってからも、南青山のこんな風景を思い出すのだろうか。