Wednesday 20 February 2008

ビデオ/ラジオ

ところでOld Man River のLa だけでなく、ちょっとまえには Fergie のPick it Up も、ドーナツ屋の店内放送で知った。なかなかいい歌だと思った(特にまんなかの「ピキラ、パ、ピキラ、ピキラ、パ、ピキラ」と聞こえる部分)。ところがいずれもYouTubeでそれぞれの曲のビデオを簡単に見ることができて、見るとがっかり。見なければよかった。ポップスの黄金時代は、やっぱりラジオ時代だったんだなあと思う。

音楽ビデオにはもちろん数々の傑作があるが、曲そのものは、歌は、映像による拘束を受けずに野放しのほうがいい。それをいいだすと、映像のみならず写真だってじゃまに思えてきて、するとポップスの歴史自体を否定しなくてはならない? まあ、そこまでいわなくても、ビデオはむしろ見ないほうがいいものもしばしばある、という程度のことか。

文学作品とその作者の顔や声も、やっぱりそう。詩でも小説でも、文字を沈黙のうちに追えるところに最大の楽しみがある。作者による朗読なんかも、できれば避けたい。朗読むきというか、いい朗読だったなあと思った場合も何度かあるけれど。でもそんな場合だって、できれば作者の顔も、声も、知らずにすませたかったという気持ちが完全になくなるわけではない。

いろんなことが露出してくると、むしろ遮断が重要になってくる。