Monday 18 February 2008

新聞

土曜日(16日)の夕刊(朝日新聞)を、日曜の深夜をすぎてやっと読んでいた。いくつかの記事が記憶に残る。

(1)熱気球で太平洋横断に挑んでいた神田道夫さん(58)の捜索打ち切り。1月31日午前5時すぎに出発し、2月1日午前3時26分ごろ連絡が途絶える。すでに日付変更線を越えていた。2週間後、空から漂流物が確認された。前回の失敗時は、石川直樹さんと一緒だった。そのときの救助も、まさに僥倖としかいいようがないものだったらしい。痛恨。

(2)一方、「太平洋ひとりぼっち」の堀江謙一さんはすでに69歳。波の力だけで進む波浪推進船によるハワイから日本への旅に挑むそうだ。3月16日にホノルルを出て、順調にゆけば5月下旬に紀伊水道に達する。時速平均3ノット。「水中翼の上下を通過する水流の速度の違い」を推進力に換えるという発想がおもしろい。成功を祈りたい。

(3)伊豆諸島からアホウドリのヒナ10羽が小笠原諸島の聟島へと、ヘリコプターで移送される。新たな繁殖コロニーを作る試み。現在の主要な繁殖地である鳥島の火山活動を危惧してのことだそうだ。これも、ヒナたちの新しい島での成長を祈りたい。

それにつけても新聞とは、ほんとに変なメディアだ。それぞれなんの関係もない事柄が、平面上に並べられ、解説される。だがこの構造は、ニュース・メディアがテレビになろうと、インターネットになろうと、変わらない。使われる空間(と時間)によりあらかじめその重要性までもが評価されたニュース群の、根拠なき並列。

結局、こんな風にしてしか、われわれは「世界」を知らないわけだ。つまり、誰もがそれぞれのキマイラのような世界像をもち、それでなんとなく話を合わせている。

信頼できる解説者が必要なわけだ。