先日、ル・クレジオのノーベル賞受賞が決まった晩、深夜に時事通信からうけた依頼でほぼ徹夜で書いた記事(5枚)が、いくつかの新聞に配信されていた。掲載紙のいくつかが、まとめて送られてきた。
神奈川新聞(10月15日)、北日本新聞(15日)、苫小牧民報(16日)など。見出しはおまかせなので、各紙によってちがうのもおもしろい。「比類のない想像力、硬質なみずみずしさ」「極度の鋭敏さ魅力」「比類なき『硬質なみずみずしさ』」など。
ともあれ、来年は彼の故郷であるモーリシャス島/ロドリゲス島への旅を果たしたいもの。
Thursday, 30 October 2008
ヴァレリー/クレイン
きょう10月30日はポール・ヴァレリーの誕生日(1871年)。そしておなじ年の11月1日にはスティーヴン・クレインが生まれた。
使用言語もスタイルも思考の癖もまるでちがうこの二人の詩人について、星座の影響を語るのはむずかしそう。だが、このところ、夭折したアメリカ詩人クレインの天才に衝撃をうけつづけているので、きょうは彼の短い詩をふたつ、ここに紹介しておく。いずれもタイトルはない。
おれは砂漠を歩いていた。
そして叫んだ。
「ああ、神よ、私をここから連れ出してください!」
声が聞こえた。「ここは砂漠ではない」
おれは叫んだ。「ええっ、でも----
砂と、熱と、空っぽの地平線」
声が聞こえた。「ここは砂漠ではない」
風に乗ってささやき声が聞こえた。
「さよなら! さよなら!」
小さな声が暗闇の中で呼んだ。
「さよなら! さよなら!」
それでぼくは両腕を前にさしのべた。
「ちがう----ちがう----」
風に乗ってささやき声が聞こえた。
「さよなら! さよなら!」
小さな声が暗闇の中で呼んだ。
「さよなら! さよなら!」
ほんの数行で、なんという驚くべき世界。クレインについては全訳詩集を準備しようと思っている。どこか出してくれる出版社が見つかればいいんだけれど。見つからなかったら、新聞紙の大きさの紙の表裏に印刷したものを、自分で作ってみようか。
みんなが忘れたころにひょっこり完成するかもしれないので、お楽しみに!
使用言語もスタイルも思考の癖もまるでちがうこの二人の詩人について、星座の影響を語るのはむずかしそう。だが、このところ、夭折したアメリカ詩人クレインの天才に衝撃をうけつづけているので、きょうは彼の短い詩をふたつ、ここに紹介しておく。いずれもタイトルはない。
おれは砂漠を歩いていた。
そして叫んだ。
「ああ、神よ、私をここから連れ出してください!」
声が聞こえた。「ここは砂漠ではない」
おれは叫んだ。「ええっ、でも----
砂と、熱と、空っぽの地平線」
声が聞こえた。「ここは砂漠ではない」
風に乗ってささやき声が聞こえた。
「さよなら! さよなら!」
小さな声が暗闇の中で呼んだ。
「さよなら! さよなら!」
それでぼくは両腕を前にさしのべた。
「ちがう----ちがう----」
風に乗ってささやき声が聞こえた。
「さよなら! さよなら!」
小さな声が暗闇の中で呼んだ。
「さよなら! さよなら!」
ほんの数行で、なんという驚くべき世界。クレインについては全訳詩集を準備しようと思っている。どこか出してくれる出版社が見つかればいいんだけれど。見つからなかったら、新聞紙の大きさの紙の表裏に印刷したものを、自分で作ってみようか。
みんなが忘れたころにひょっこり完成するかもしれないので、お楽しみに!
Tuesday, 28 October 2008
暑すぎる秋
まだ半袖、昨日も。いくらなんでも暑すぎる。秋はどこに行った?
いろいろな行事は順調。24日(金)のDC系主催トヨダヒトシ・スライドショーは、大きな階段教室がゆったりと埋まる数のお客さんを迎え、ぶじ終了。トヨダくんの世界を初めて体験した人たちの感動の声を、いくつも聞いた。
暗闇の中、移りゆくイメージを見ているうち、いつしか彼の生活のそばに自分もまたずっと幽霊のようにたたずみ、すべてを経験してきたかのような、不思議な気持ちになる。参加してくださったみなさん、ありがとうございました。伊藤くんをはじめとする実行委員会のみなさん、ごくろうさま。和泉の写真部のみなさんも。
27日(月)の水田拓郎さんのレクチャーとライヴも、ぼくはまったく知らない電子音楽の世界だけど、たっぷり楽しめた。紹介されるミュージシャンたちは「おおっ!」と思う人たちばかりだし、水田さんが関わっているアムステルダムのSTEIMの活動も興味深い。
アムスがおもしろいということはいまさらいうまでもないんだろうけど(ぼくらの学生時代からいわれていた、いや、スピノザの時代からいわれていたか)ぼくはいったことがない。いずれは、そんな機会も(でもオランダ系の土地で行きたいのはカリブ海のABC諸島)。
余談だが、水田さんはお名前をアルファベットではTakuro Mizuta Lippitと記している。映画研究のAkira Mizuta Lippitと関係があるんだろうか(ご兄弟?)。これは聞きそびれた。
この秋はフランスのいい作家たちの来日が相次いでいるのだが、講演会は、どれにも行っていない。ちょっと自分の仕事が多すぎて。そうこうしているうちに、中国行きも目前になった。
いろいろな行事は順調。24日(金)のDC系主催トヨダヒトシ・スライドショーは、大きな階段教室がゆったりと埋まる数のお客さんを迎え、ぶじ終了。トヨダくんの世界を初めて体験した人たちの感動の声を、いくつも聞いた。
暗闇の中、移りゆくイメージを見ているうち、いつしか彼の生活のそばに自分もまたずっと幽霊のようにたたずみ、すべてを経験してきたかのような、不思議な気持ちになる。参加してくださったみなさん、ありがとうございました。伊藤くんをはじめとする実行委員会のみなさん、ごくろうさま。和泉の写真部のみなさんも。
27日(月)の水田拓郎さんのレクチャーとライヴも、ぼくはまったく知らない電子音楽の世界だけど、たっぷり楽しめた。紹介されるミュージシャンたちは「おおっ!」と思う人たちばかりだし、水田さんが関わっているアムステルダムのSTEIMの活動も興味深い。
アムスがおもしろいということはいまさらいうまでもないんだろうけど(ぼくらの学生時代からいわれていた、いや、スピノザの時代からいわれていたか)ぼくはいったことがない。いずれは、そんな機会も(でもオランダ系の土地で行きたいのはカリブ海のABC諸島)。
余談だが、水田さんはお名前をアルファベットではTakuro Mizuta Lippitと記している。映画研究のAkira Mizuta Lippitと関係があるんだろうか(ご兄弟?)。これは聞きそびれた。
この秋はフランスのいい作家たちの来日が相次いでいるのだが、講演会は、どれにも行っていない。ちょっと自分の仕事が多すぎて。そうこうしているうちに、中国行きも目前になった。
Wednesday, 22 October 2008
水田拓郎ライヴのお知らせ
来週の月曜日、第11回ディジタルコンテンツ学研究会として、DJ・電子音楽家の水田拓郎さんのライヴを開催します。ホストはDC系・宮下芳明さん。こんな機会はめったにありません。ぜひ、どうぞ!
このたび、第11回ディジタルコンテンツ学研究会では、オランダ アムステルダムに拠点を置く電子音楽センターSTEIMの水田拓郎氏が帰国されている期間に明治大学で講演・ライブをしていただくことになりました。これまでの活動、音楽やその演奏のためのインタフェース開発についての姿勢について講演いただくとともに、ライブ演奏もいただく予定となっております。
日 時:10月27日(月)18時00分〜19時30分
場 所:生田キャンパス 中央校舎6階 メディアスタジオ
明治大学 生田キャンパス アクセスマップ
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/ikuta/access.html
ゲスト:水田拓郎
ホスト:明治大学理工学部情報科学科 宮下芳明 専任講師
水田拓郎 プロフィール:
1978年生まれ。1995年よりDJとしてアンダーグラウンド電子音楽シーンで活動する一方、smash TV productionsを組織してジャンルを超えたイベントを東京各所で開催。2001年慶應大学文学部美学美術史学科卒業、同年に研究員として熊倉敬聡、芹沢高志らとともに学術フロンティア・インターキャンパスプロジェクトの立ち上げに関わる。2004年ニューヨーク大学インタラクティヴ・テレコミュニケーションズ(ITP)学科でTom Igoe、Eric Singerの師事のもとフィジカル・コンピューティング修士課程修了。翌年に文化庁新進芸術家海外派遣制度のもとオランダ・デンハーグのソノロジー・インステュートとアムステルダムのSTEIM電子音楽楽器スタジオに在籍する。近年はSTEIMのアーティスティックディレクターとしてリサーチ、キュリエーション、アーティストレジデンシープログラムのディレクションを任される。ユニークな演奏ツールを製作/使用しながら、楽器としてのターンテーブルの独自性を追求し精抑楽器としてのターンテーブルの独自性を追求し、精力的にライブ活動を行っている。
(参考) http://www.djsniff.com
このたび、第11回ディジタルコンテンツ学研究会では、オランダ アムステルダムに拠点を置く電子音楽センターSTEIMの水田拓郎氏が帰国されている期間に明治大学で講演・ライブをしていただくことになりました。これまでの活動、音楽やその演奏のためのインタフェース開発についての姿勢について講演いただくとともに、ライブ演奏もいただく予定となっております。
日 時:10月27日(月)18時00分〜19時30分
場 所:生田キャンパス 中央校舎6階 メディアスタジオ
明治大学 生田キャンパス アクセスマップ
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/ikuta/access.html
ゲスト:水田拓郎
ホスト:明治大学理工学部情報科学科 宮下芳明 専任講師
水田拓郎 プロフィール:
1978年生まれ。1995年よりDJとしてアンダーグラウンド電子音楽シーンで活動する一方、smash TV productionsを組織してジャンルを超えたイベントを東京各所で開催。2001年慶應大学文学部美学美術史学科卒業、同年に研究員として熊倉敬聡、芹沢高志らとともに学術フロンティア・インターキャンパスプロジェクトの立ち上げに関わる。2004年ニューヨーク大学インタラクティヴ・テレコミュニケーションズ(ITP)学科でTom Igoe、Eric Singerの師事のもとフィジカル・コンピューティング修士課程修了。翌年に文化庁新進芸術家海外派遣制度のもとオランダ・デンハーグのソノロジー・インステュートとアムステルダムのSTEIM電子音楽楽器スタジオに在籍する。近年はSTEIMのアーティスティックディレクターとしてリサーチ、キュリエーション、アーティストレジデンシープログラムのディレクションを任される。ユニークな演奏ツールを製作/使用しながら、楽器としてのターンテーブルの独自性を追求し精抑楽器としてのターンテーブルの独自性を追求し、精力的にライブ活動を行っている。
(参考) http://www.djsniff.com
Sunday, 19 October 2008
照屋勇賢?
同僚の清岡さんがブログに記している沖縄出身のアーティスト、照屋勇賢。
http://tomo-524.blogspot.com/
これはすごい、おもしろい。清岡さんは、彼のことを、同僚の倉石さんに聞いた。倉石さんも、最初どこかで誰かに聞いたはず。この伝言ゲームを遡上してゆくと、結局、ゆきつくのはアーティストその人の生身の現場。
この構造が、おもしろいと思う。つまり、あらゆるコトバの編成の中心にあるのは、何かほんとに新しいものを作り出した人であり(ジャンルが何であれ)、その「もの」を核として、コトバという使い古されたものが新たに位置を整え、新鮮になるということ。
マクドナルドの紙袋をひとつの樹木として再生させる、このヴィジョン。すごい。感嘆する。
ところで勇賢さんて、りんけんバンドの林賢さんと関係あるのかな。いつか北谷に見にいきたい、りんけんバンド。
http://tomo-524.blogspot.com/
これはすごい、おもしろい。清岡さんは、彼のことを、同僚の倉石さんに聞いた。倉石さんも、最初どこかで誰かに聞いたはず。この伝言ゲームを遡上してゆくと、結局、ゆきつくのはアーティストその人の生身の現場。
この構造が、おもしろいと思う。つまり、あらゆるコトバの編成の中心にあるのは、何かほんとに新しいものを作り出した人であり(ジャンルが何であれ)、その「もの」を核として、コトバという使い古されたものが新たに位置を整え、新鮮になるということ。
マクドナルドの紙袋をひとつの樹木として再生させる、このヴィジョン。すごい。感嘆する。
ところで勇賢さんて、りんけんバンドの林賢さんと関係あるのかな。いつか北谷に見にいきたい、りんけんバンド。
佐藤文則写真展@ギャラリーゼロ確定
金曜日、フォトジャーナリストの佐藤文則さんが生田キャンパスをたずねてくださって、写真展の開催日程が決まりました。
12月2日から1月9日まで。生田図書館のギャラリー・ゼロにて。
佐藤さんは、ハイチ、ミャンマー、インド、東チモールなどを追ってきた、第一線の社会派フォトジャーナリスト。そしてその写真のあざやかなすばらしさ、美しさには、しばしば言葉を失うほどです。
http://www.k2.dion.ne.jp/~satofoto/
今回の展示はDC系でぼくの研究室に所属する大学院生、宇野澤くんとガルシアくんが準備を進めてくれます。
会期が十分にあるので、ぜひいちど、生田の丘への小さな散歩を予定に入れておいてください。
佐藤さんは明治のOB(文学部)。DC系からも、写真・映像分野の仕事に進む人が必ず近い将来に出てくるはずですが、学生のみんなには、この機会にお目にかかってお話をうかがうことを勧めます。
12月2日から1月9日まで。生田図書館のギャラリー・ゼロにて。
佐藤さんは、ハイチ、ミャンマー、インド、東チモールなどを追ってきた、第一線の社会派フォトジャーナリスト。そしてその写真のあざやかなすばらしさ、美しさには、しばしば言葉を失うほどです。
http://www.k2.dion.ne.jp/~satofoto/
今回の展示はDC系でぼくの研究室に所属する大学院生、宇野澤くんとガルシアくんが準備を進めてくれます。
会期が十分にあるので、ぜひいちど、生田の丘への小さな散歩を予定に入れておいてください。
佐藤さんは明治のOB(文学部)。DC系からも、写真・映像分野の仕事に進む人が必ず近い将来に出てくるはずですが、学生のみんなには、この機会にお目にかかってお話をうかがうことを勧めます。
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