Wednesday, 11 April 2012

『ことばのポトラック』が

昨年の震災後にスタートしてこの4月まで、一年ちょっとのあいだ大竹昭子さんを中心にサラヴァ東京を舞台につづいてきた小さな文学運動が「ことばのポトラック」。その全貌(ほぼ)が本のかたちをとりました。春風社刊。

http://www.amazon.co.jp/ことばのポトラック-大竹昭子/dp/486110310X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1334147920&sr=8-1

大竹さんの「あとがきにかえて」から引用します。

「そもそも、なんのためのイベントかと訊かれても、うまく答えられないのが『ことばのポトラック』でした。毎回、入場料から義援金をプールしましたが、チャリティーが目的ではなかったし、声にだして朗読したと言っても、それを被災地に届かせようというつもりはありませんでした。結果として届けばいいけれど、それを目論んだわけではなく、きわめて個人的な書くという行為をそれぞれの場でおこない、収穫物を持ち寄ったに過ぎないのです。」

そう、そのとおり。それではこの運動に何かの意味があったのか?

その答えのためには、本書収録のすべての作品の中でも大竹昭子「涙と水滴」、そして保坂和志「日々と拠点、またはコンちゃんの話」を読んでみてください。どちらも主題はsympathyです。つまり、パトスの共有。

言語作品という、それ自体からっぽで無力なものが、人と生物の社会の中で少しでも意味をもつための鍵は、それ。「ポトラック」は震災を主題化したのではなく、われわれにとって突然に不可避のものとしてやってくるsympathyとそれがもたらしうる可能性について語ろう、語ってみよう、語ることができるだろうか、そのむこうに何らかの実用性、新たな関係が見えてくるだろうか、生きられるだろうか、という試みと問いの複合としてありました。

「ポトラック」と並行して、ぼくは『ろうそくの炎がささやく言葉』の企画に関わってきました。そちらも精神の大きな部分を「ポトラック」と共有しています。

ムダといえばムダ、でも文学はもともとその程度にムダなものでした。そしてそのムダによってでなければ誰にも見えてこない、別の場所、別の心があることは確実です。

この運動をつうじて知り合い、あるいは出会い直すことのできた、すべての友人たちに感謝します。そしてとりわけ、大竹昭子さんと、サラヴァ東京のアツコ・バルーさんに。ありがとうございました!

『アメリカ・インディアン・文学地図』

余田真也さんの渾身の著書『アメリカ・インディアン・文学地図 赤と白と黒の遠近法』(彩流社)が発売されました。日本語における、この分野の基礎文献になるでしょう。

http://www.amazon.co.jp/アメリカ・インディアン・文学地図-赤と白と黒の遠近法-余田-真也/dp/4779117763/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1334147645&sr=8-1

ちなみに帯のblurbをぼくが書いています。ぼくもさらにアメリカ・インディアン文学について書くこと書けることを探ります。

711400円!

おかげさまで『ろうそくの炎がささやく言葉』(勁草書房)の売上げと関連イベントから、上記の金額を「国境なき子どもたち」に寄付することができました。報告は以下のサイトから。

http://lemurmuredesbougies.tumblr.com/

金額としてはけっして大きなものではありませんが、これも活動のひとつの成果。本を読んでくださったみなさん、イベントに参加していただいたみなさん、本当にありがとうございました!

読売書評 #5

エリザベス・ウォーカー『ファッション・インスピレーション』(グラフィック社)。4月8日掲載。



Tuesday, 3 April 2012

『銀河鉄道の夜』5月の東北ツアー

朗読劇『銀河鉄道の夜』の東北ツアー、開催概要がほぼ決まりました。


5月19日(土)14:00〜16:30 大船渡リアスホール マルチスペース
5月20日(日)18:00〜20:30 せんだいメディアテーク スタジオシアター
5月21日(月)18:00〜20:00 福島市音楽堂 小ホール


第1部 詩と作品の朗読 (出演=古川日出男、小島ケイタニーラブ、管啓次郎)
第2部 朗読劇『銀河鉄道の夜』 (出演=古川日出男、小島ケイタニーラブ、管啓次郎)


朗読特別ゲスト
 柴田元幸(大船渡、仙台、福島)
 小沼純一(仙台)


第1部は、宮澤賢治詩をはじめとするさまざまな作品の朗読。
第2部は、宮澤賢治原作に基づく古川日出男の脚本に、小島ケイタニーラブが音楽と歌で、管啓次郎が書き下ろしの詩で参加し、賢治の宇宙にまったく新しい光を当てました。


まもなく予約受付を開始いたします。予約・チケット購入など関連情報をひきつづきお知らせいたしますので、ご期待ください。


物語と歌と詩の交錯する、小さくて強いひとときを、ぜひ体験してください。

Sunday, 1 April 2012

「水牛のように」2012年4月号

4月号です。

http://www.suigyu.com/sg1204.html#13

「犬狼詩集」は続きます。そろそろ『Agend'Ars 3』の編集もはじめますが、今回は多くがこの「水牛のように」から。まとめて読むとまた別の印象が生じる、と思います。

今年も9月21日に発売します。お楽しみに!

写真の誘惑、視線の行方

さあ、新年度。あけまして。しっかり元気にやりたいものです。

まず気がかりなのが、これ。5月、大阪の国立国際美術館での写真をめぐるシンポジウムです。

http://www.nmao.go.jp/event/index.html

はっきりいって、ぼくひとりがまったくのしろうと。それがまとめのセッションだなんて。ああ、ああ、ああ。茫然自失しますが、ともかくみなさんのお話を聞いているうちに出てくるだろう考え/無考えに賭けるか。楽しみでもあります!