Friday, 11 June 2010

佐倉遠足

快晴の一日、「コンテンツ批評」受講者のみんなと佐倉への遠足。川村記念美術館と国立歴史民俗博物館。充実の一日となった。

川村は前から行きたくて、結局行ったことのなかった場所。あまりの広大さ、美しさにびっくり。そしてかねてから憧れていた「ロスコの部屋」では、茫然と立ちつくしてしまった。ぼくにとっては最高の画家。詩はスティーヴンス、絵はロスコ。この部屋から階上のバーネット・ニューマン「アンナの光」という流れは、言葉を奪うすばらしさ。

そしていま開催中の「箱宇宙を讃えて」は、これもこうした美術館の展示の最高峰だろう。ジョゼフ・コーネルの収蔵作品の展示に、高橋睦郎の詩を添えている。展示室の全体がコーネルの箱そのもののように構成され、活版印刷フランス綴じの信じられないほど美しいカタログが作られた。これこそキュレーターの勝利。林寿美さんとおっしゃるのだろうか。高橋さんの詩の英訳は、われらがジェフリー・アングルス。いうことなし。いつかぼくも、こんな展示のためにテクストを書いてみたいものだ。

歴史民俗博物館は、ちょうど第6展示室「現代」がオープンして間もなく、こちらも圧倒的だった。半日の行程ではとても見られない。お弁当をもってゆっくり行くべき場所。

こうして、行きはJR、帰りは京成の旅が終わった。あとはみんなのレポートを待つだけ。学期に一度は、こんな遠足を企画したいものだ、これからも!

Wednesday, 9 June 2010

政治大学ホームページから

国立政治大学のホームページにある、台北ワークショップのプログラムです。中国語、真剣にやろう。

http://excellence.comm.nccu.edu.tw/01_news_detail.php?sn=195

「風の旅人」の全貌

11日(金)から池袋のジュンク堂で雑誌「風の旅人」のフェアがはじまります。40号を数えるこの希有のグラフ雑誌の全貌が明らかになります。1階、レジ横に、バックナンバーがせいぞろい! この機会に全号を集めておけば、一家の精神的な財産として半世紀、1世紀、楽しめるでしょう。

編集長、佐伯さんのブログ。

http://kazetabi.weblogs.jp/

ちなみにジュンク堂のおなじフロアでは、ぼくが選んだ白水社の「UとQ」フェアも開催中。そちらも合わせて、どうぞ。

リアル本、リアル書店は、不滅。人が言語のアレンジメントのもっとも新鮮でもっとも深い部分を求めるかぎりは。学生のみんなにいっておこう。毎週5時間は、書店の森をさまようべきだ。さらに5時間は、図書館をさまようべきだ。そうしなければ見えてこない世界がある。I'm telling you!

倉橋由美子文芸賞!

明治大学連合父母会文学賞の募集要項が発表されました。

http://www.meiji.ac.jp/koho/hus/html/dtl_0006143.html

明治の学部生、大学院生、留学生は誰でも応募できます。ぜひこの機会に、一攫千金を夢見て(?)作品を書きましょう。

今年の特筆すべき特色、それは小説・ノンフィクション部門である倉橋由美子文芸賞の選者の顔ぶれ!

高山宏さん、陣野俊史さん、そしてぼくが選考にあたります。プロの作家をめざそうがめざすまいが、ソウルにあふれた作品を待ってます。さあ、原稿用紙を買いに走れ!(といっても提出原稿はワープロのみ。)

今成夢人『ガクセイプロレスラー』

台北ワークショップ最終日、みんなの発表が終わったあとぽっかり時間が空いたので、たまたま持っていた1枚のDVDを見せることにした。ドキュメンタリー映画。学生プロレスの特異な(あまりに特異な)世界を描いた、今成夢人『ガクセイプロレスラー』だ。

台湾に来る直前の名古屋での港千尋との対談が終わったあと、声をかけてくれたのが今成くん。港くんの元学生で、多摩美術大学の卒業制作として作った作品だという。見て、うなった。おもしろい。ぜんぜん知らない世界だが、笑える。スピードがあり、力がある映像だ。そしてかれらの世界観に寄り添いつつも、必要な距離をおいてそれをきちんと対象化している。

イメージフォーラム・フェスティバルで観客賞を受賞したそうだが、それも当然。明治の学生も政治大学の学生も、おおよろこびで見ていた。以下、明治の学生たちが寄せてくれた感想を。なぜか男子ばかりが感想をくれたのも、この作品の性格を物語っているのか。

今成くん、次回作もがんばってください!


 「僕のなかで最も印象的だったのは、笑うべきシーンでの感動でした。感動すべきではないような場面での感動は、自分の心の中で葛藤を起こしました。映像が終了し、周りのみんなが笑いながら会話する中で、ぼくは涙腺がゆるんで笑うことはできませんでした。その時はなぜかわからないけどただただ感動しました」(関)
 
 「もしかしたら男にしか伝わらない場面もあったのかもしれない。でも何かに対してカラダで死ぬほどに懸命に取り組んだと言える人にとっては、彼らほど尊敬できるひとはいない」(原)
 
 「彼らは非リア充なのか。社会では、人を評価しようする。映像に出ていた就職活動もその類。では、人に絶対的な評価があるのか。彼らは優秀なのか。優秀であり、優秀でない。評価は相対的なもの。それぞれの人生との比較。彼らは、リア充であり、リア充でない。人に絶対的な評価を与えることなんてできない 」(石田)

「とても衝的な映像でした。ちょっと極端な面もありましたが新鮮でした。いい位を取って、またいいところに就職する、すなわち安定な生活に安住しようとする大多に、彼らの姿を通じて、胸の中の深くしておかれた、あるいは捨てなければならなかった、熱情を呼び起こします。危を省みず、どうして生プロレスを選したのか、その動機が充分によくされたら、さらにいいドキュメンタリにならなかっただろうかと勝手に思いました。作者は放送局に就職したと聞きましたが、今後ともいい映像を期待します」(宋)

「全編スピド感にちていて、『遊びに一生懸命になれないで何に一生懸命になるんだよ』などの名言もちりばめられており、忘れられない作品になりました。台の人たちにも大反響でした。中語版、英語版もぜひ作ってください」(大洞)

「自身にするコンプレックスを抱えた男がとった大胆にも見える決意が全面に出ていた。
女性からは決してわらない、男性ならではのコンプレックスともいえる<リア充>。
作中に出てくる年は周にいる<リア充>にして自身を<非リア充>と呼んでいた。
彼のように他人より劣っていると自分を卑下する事は珍しくない。

しかし、その心のみを肉体にさらけ出し、そこに快感や生きがいを見出す。
作品で彼はこのような事を言っていた。
『ガクセイプロセスはAVと同じ』と。
意表をついた言だが、得力がある。
それまでガクセイプロレスを知らなかった自分は、ここでその魅力を理解し、
彼がガクセイプロレスを選んだ理由に頷いた。

自分もどちらかというと<非リア充>と感じているが、
彼のように自分を熱く語れるほどのアイデンティティは持っていない。
自分にとって彼はそこがカッコいいと思わずにはいられない。

また全裸になって恥ずかしさを全面に表へす行も中できる事ではない。
常に躊躇い、惑いを身に纏っている自分には到底似できない。
社はどうして評してくれないのだろうか。

そんなふうに自分自身に自信がなくなった人、自分を<非リア充>だと思いんでいる人には
、是非この作品を見る事をすすめる。


『ギタける俺ってカッコいいって言う奴が嫌い』
と愚痴をこぼした瞬間に<ギタを担いだリア充>とすれ違うシン。
偶然が生み出したであろう、ドキュメンタリならではの表現だ。
これには意表を突かれた」(小久江)



若い人達のどこにぶつけていいのか分からないエネルギーが溢れているように思いました。プロレスはあまり見たことがなかったのですが、動きや魅せ方が本当によく考えられているんだなぁと感心しました。あんなに1つのことに打ち込める彼らでさえ、それを仕事にすることができないのは、非常にさびしい時代でもあるのかとも感じました。ナレーションが、アナウンサーと違って安定感がないのが、逆に作品を身近なものにしてくれたように思います。でも、台湾の人達は「日本人はみんな裸で外ではしゃいだりするんだ」とびっくりしていたので、日本を余り知らない人には多少勘違いを招く表現もあったようです。とはいえ基本的に台湾の人も楽しく見ていたようなので、向こうの方々にとってもよい刺激になったと思います。(清水)

Tuesday, 8 June 2010

学内説明会

ディジタルコンテンツ系の学内選考向け説明会を、きょうのお昼休みに生田で開催しました。

専任教員4名、すなわち宮下芳明、福地健太郎、倉石信乃、ぼくが、順次、研究室を紹介。客観的にいって、小さいけれど非常におもしろいプログラムに育ってきたと思います。

18日にはお昼休みに生田校舎で、夕方には駿河台校舎で、一般入試むけの説明会を行ないます。関心のある人は、ぜひ出席してください。

Saturday, 5 June 2010

「すばる」2010年7月号

「すばる」7月号に、3月に来日したアメリカの詩人ジェローム・ローゼンバーグへのインタビューを掲載していただきました。題して「ジェローム・ローゼンバーグと、太平洋の両岸で」。

今年は1月のカリフォルニア、3月の東京と、ジェリーさんと2度も朗読の場をもてて、ほんとうに幸運でした。

小柄だけど、声が強い、目が強い。そのまなざしを中野義樹さんのカメラがよく捉えています。このすばらしいポートレート写真のためだけにでも、ぜひごらんください。

以下で、冒頭だけ読めます。

http://subaru.shueisha.co.jp/person/1007_1.html