岩波書店創業百年シンポジウム『知の現在と未来』が書籍となって発売されました。昨年11月、明治大学を会場として行なわれたシンポジウムの記録です。ぼくは初日の司会・進行を務め、広井良典さんの基調講演のあと、高橋源一郎さんおよび長谷川一さんとのディスカッションに参加しました。
「資本主義と国家」を主題とする柄谷さんたちの二日めに対して、われわれの初日のテーマは「大学と出版」。限られた時間であまりに多くの論点が出て、十分な議論にはなりませんでしたが、ある範囲内で、知の変容の現状を話し合うことができたのではないかと思います。
ぼく自身は、遠からず大学(いまあるかたちでの)は消滅していくと思いますが、大学であろうがなかろうが「シーンを作り出すこと」の重要性は変わりません。「セノポイエーシス」という、われわれディジタルコンテンツ系の合言葉は、これからもいつまでも創造への鍵を握るでしょう。
答えのない問いの書。そういうものとして、読んでみてください。
Saturday, 6 September 2014
アルバニアで朗読会
3日、アルバニアの首都ティラナのカフェ Woodstokで単独朗読会を開いてもらいました。東日本大震災以前の作品、以後の作品のいくつかを、ぼく自身による英訳(うち2片は日本語原文)、Belfjore Qose によるアルバニア語訳で交互に朗読。およそ70名のお客さんが集まってくれて、その後のQ&Aもすごい熱気でした。ぼくがクリームが好きだというと、ただちにWhite Room をかけてくれたり、お店のホスピタリティも完璧。ラテン世界の辺境、鎖国社会主義の国というイメージしかなかったアルバニアですが、その美しさ、人々の温かさ、センスのよさ、やる気、あらゆる面で感動の連続でした。
当然、また行きます。来年も。すばらしい経験でした!
ところでぼくの子供時代(中1のころ)さかんに飛び交っていた言葉が「アルバニア型決議案」。その後の台湾と中国の国際的地位を決めたキーワードでした。いまの自分の台湾との関係の深さを思うと、感無量です。歴史。知ろうとしなければわからない、知らなければ土地のことは何もわからない。第2次大戦以降の歴史について、これから真剣に勉強しなおすつもりです。
当然、また行きます。来年も。すばらしい経験でした!
ところでぼくの子供時代(中1のころ)さかんに飛び交っていた言葉が「アルバニア型決議案」。その後の台湾と中国の国際的地位を決めたキーワードでした。いまの自分の台湾との関係の深さを思うと、感無量です。歴史。知ろうとしなければわからない、知らなければ土地のことは何もわからない。第2次大戦以降の歴史について、これから真剣に勉強しなおすつもりです。
Friday, 5 September 2014
スロヴェニア語訳の出版
スロヴェニアの古都プトゥイでの国際フェスティヴァル「詩と葡萄酒の日々」に、2012年につづいて参加しました。
主な目的は完成したばかりのスロヴェニア語訳日本現代詩集について語ること。
この大きな詩祭では毎年、その年のテーマ国があり、2012年は日本年。福間健二、野村喜和夫、和合亮一、三角みづ紀さんとぼくが参加し、スロヴェニアの現代詩人4名との相互翻訳のワークショップを行ないました。昨年はこの4人が来日し、ワークショップを続行、そして明治大学と神戸大学で朗読会。
今回の詩集は上記の5名+2013年の日本代表・橘上、14年の石田瑞穂のおふたりを加えた7名の作品のスロヴェニア語訳をまとめたものでした。女性がみづ紀さんだけとは少なすぎますが、まずは興味深い内容で、すでにヨーロッパの多くの人々の関心を惹いています。
今回はぼくと瑞穂さんがこの詩集について語り、同時に詩祭で福島の現状をめぐる写真展を開催した赤阪友昭さんをまじえて、会場のみなさんとのディスカッションのセッションをもちました。活発な議論。
春の「見えない波」でも感じたことですが、ヨーロッパ(チェルノブイリと地続き)ではことのほか福島に対する関心が高いようです。そして、オリンピック誘致のために「福島の状況は制御下にある」と平気でいったわれわれの恥知らずな首相がいかに嘘つきであるかは、改めていうまでもなく、すでにヨーロッパでも誰もが知っていることになってしまいました。つくづく情ないことです。
書名はNovi svet (新世界)。この「新」にこめられた意味を、いつまでも問い直す必要があるでしょう。
主な目的は完成したばかりのスロヴェニア語訳日本現代詩集について語ること。
この大きな詩祭では毎年、その年のテーマ国があり、2012年は日本年。福間健二、野村喜和夫、和合亮一、三角みづ紀さんとぼくが参加し、スロヴェニアの現代詩人4名との相互翻訳のワークショップを行ないました。昨年はこの4人が来日し、ワークショップを続行、そして明治大学と神戸大学で朗読会。
今回の詩集は上記の5名+2013年の日本代表・橘上、14年の石田瑞穂のおふたりを加えた7名の作品のスロヴェニア語訳をまとめたものでした。女性がみづ紀さんだけとは少なすぎますが、まずは興味深い内容で、すでにヨーロッパの多くの人々の関心を惹いています。
今回はぼくと瑞穂さんがこの詩集について語り、同時に詩祭で福島の現状をめぐる写真展を開催した赤阪友昭さんをまじえて、会場のみなさんとのディスカッションのセッションをもちました。活発な議論。
春の「見えない波」でも感じたことですが、ヨーロッパ(チェルノブイリと地続き)ではことのほか福島に対する関心が高いようです。そして、オリンピック誘致のために「福島の状況は制御下にある」と平気でいったわれわれの恥知らずな首相がいかに嘘つきであるかは、改めていうまでもなく、すでにヨーロッパでも誰もが知っていることになってしまいました。つくづく情ないことです。
書名はNovi svet (新世界)。この「新」にこめられた意味を、いつまでも問い直す必要があるでしょう。
Saturday, 9 August 2014
ImaginAsia 2014
台湾の国立政治大学、タイのチュラロンコン大学との映像制作の共同ワークショップ、それがImaginAsia。創設以来5年めの今年は、われわれ明治大学がホストになって、高松および小豆島での4泊5日で開催しました。
すばらしい充実。「島の生活」を主題として、瀬戸内海エリアの特異な美とやさしさを満喫し、作品に反映させることができたと思います。
もちろんいろいろな問題が山積みです。しかし人間社会よりはるかに古くはるかにはるかにパワフルな土地、海の体験は、参加した全員にとって今後の大きな糧となることでしょう。
高松のe-とぴあとBOOK MARUTE、小豆島のMeiPAMとサウダージブックスと小豆島ヘルシーランドのみなさまには、お礼のいいようがないほどお世話になりました。ありがとうございました。
今日は瀬戸内海、台風11号の影響で荒れ模様だとか。無事に通過してくれることをお祈りしています。
ImaginAsia 2015はひさびさに台北の予定。参加したい人は、まだまにあいます、明治大学理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系を受験してください!
すばらしい充実。「島の生活」を主題として、瀬戸内海エリアの特異な美とやさしさを満喫し、作品に反映させることができたと思います。
もちろんいろいろな問題が山積みです。しかし人間社会よりはるかに古くはるかにはるかにパワフルな土地、海の体験は、参加した全員にとって今後の大きな糧となることでしょう。
高松のe-とぴあとBOOK MARUTE、小豆島のMeiPAMとサウダージブックスと小豆島ヘルシーランドのみなさまには、お礼のいいようがないほどお世話になりました。ありがとうございました。
今日は瀬戸内海、台風11号の影響で荒れ模様だとか。無事に通過してくれることをお祈りしています。
ImaginAsia 2015はひさびさに台北の予定。参加したい人は、まだまにあいます、明治大学理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系を受験してください!
朗読劇『銀河鉄道の夜』
7月20日の明治大学アカデミーホール、27日のヴァンジ彫刻庭園美術館での『銀河鉄道の夜』公演は、それぞれまったく異なった空間に合わせた演出で、いずれもうまく行きました。やれるだけのことをやったという感じ。
昨年までのようなツアー形式は果たせませんでしたが、ともあれ、この朗読劇のひとまずの到達点をごらんいただけたと思います。
これからは特別な機会に単発で上演することになりそうです。海外公演も視野に入れています。もちろん、そのつど脚本も演出も変貌していくはず。
またどこかでお目にかかれることを願っています!
昨年までのようなツアー形式は果たせませんでしたが、ともあれ、この朗読劇のひとまずの到達点をごらんいただけたと思います。
これからは特別な機会に単発で上演することになりそうです。海外公演も視野に入れています。もちろん、そのつど脚本も演出も変貌していくはず。
またどこかでお目にかかれることを願っています!
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