Wednesday, 17 November 2010

比嘉慂『マブイ』

知らないことって永遠にめちゃくちゃに多いけれど、この漫画家の名前をぜんぜん知らなかったのはどういうことだろう。比嘉慂(すすむ)の『マブイ』(青林工藝舎)は沖縄に関心をもつすべての人、必読だ。

以下、オビ裏面から引用。

「『医者半分、ユタ半分』って言って、医者にも診てもらうけど、ユタのところにも行くんです。ユタに見てもらうことで気持ちの整理をするんですよね。ユタは皆さんすさまじく辛い経験をしてますよ。そういう経験をしてきたユタたちが、辛い人たちの悩みを受け止めるということですね。」

軍用地主、黙認耕作地のおじさんおばさん、島の駐在さん、軍雇用員、引退した米兵。かれらそれぞれの経験を魂の経験として捉え直すことが、たとえどんな即効性につながらなくても、必要だと思えてきた。

Tuesday, 16 November 2010

「樹木」展、近づく!

12月のギャラリー展示が近づいてきました。といっても、準備はまだまだこれからが勝負です。概要は以下のとおり。ぜひ見に来てください。

昨年のWALKING展は歴史を作りました。今年は、ヒトの歴史の創成以前にまでさかのぼりたいもの。現在オーストラリアで制作中の佐々木愛さんが、昨年に続いて今年も参加してくださいます。

さあ、どんなものができるか。開幕が楽しみになってきました。

「樹木 木と人の心」 ゲストアーティスト:佐々木愛

すべての樹木は宇宙樹。人を生み、その心を育てた。
樹木と人間の関わりを全面的に考え直してみよう。
写真、映像、絵画、詩、オブジェ、音響などの作品展です。
主題に関連した約200冊の図書もそろえました。

■会期  2010年12月5日(日)〜2011年1月10日(月)※12月28日(火)〜1月4日(火)は休館。
■時間  [平日・12月23日(木)] 9:00〜19:00 [土] 9:00〜18:30 [日・祝] 10:00〜16:30
[12月25日(土)〜12月27日(月)、1月5日(水)〜1月7日(金)] 10:00〜16:30
■会場  明治大学生田図書館Gallery ZERO
〒214-8571 川崎市多摩区東三田 1-1-1 TEL 044-934-7945
※一般の方は図書館入口ゲート横の呼出ボタンにて係の者をお呼び下さい。
※お車でのご来校はご遠慮下さい。
■主催  明治大学大学院理工学研究科ディジタルコンテンツ系管啓次郎研究室
■お問い合わせ  jyumoku2010@gmail.com(「樹木 木と人の心」展実行委員会)
■関連イベント 音楽家Ayuoによる特別講義「蛇と樹 音楽の歴史的・神話的起源」
・日時  12月23日(木・祝)15:30〜17:30
・会場  明治大学生田キャンパス中央校舎6Fメディアホール
・予約不要、入場無料

Sunday, 14 November 2010

石川直樹の世界へ

いよいよ今週土曜日(20日)、リバティアカデミーのオープン講座に冒険家・写真家の石川直樹さんをお迎えします。

http://academy.meiji.jp/ccs/pdf/open/2010fall4.pdf

無料ですが、事前予約が必要。ぜひ申し込んで、ご来場ください。おともだちにもぜひお伝えいただければさいわいです。

Friday, 12 November 2010

「読み書きクラブ」第1回

実験的公開セミナー「読み書きクラブ」の第1回会合、木曜日の19時〜21時まで猿楽町校舎で開催した。参加は19名! ほとんど社会人で、こうした場に対する関心の強さを実感した。

まず、大塚、大洞の2名の作文を添削。興味深い。ついで安西ほか3名分の書評を添削。いろいろ具体的でおもしろい論点が出てきた。

課題がこなせない日はあるだろうし、疲れて居眠りしてしまう日もあるだろう。ぜんぜん気にしません。もっとも、目にあまれば、今後相手が社会人でも小学生のように注意します。

なんにせよ、楽しみつつ、自分の作文力を、判断を、次のステージに引き上げよう。みんな、がんばって続けよう!

Thursday, 11 November 2010

秘密のプロジェクト

女子美の杉田敦さんとスタッフのみなさん、学生ふたりが、猿楽町校舎を訪問。かれらが進行中のあるプロジェクトに、われわれの学生4名が参加して、ビデオを収録した。

おもしろかった!内容は絶対にいえない。いずれは明らかになることです。「おもしろい」の意味も。でもいい経験でした。杉田さん、ありがとうございました。

組織はつねに相互連結を求めてゆくべきだ。大学院どうしの交流企画は、まだ比較的やりやすいけれど、別の段階にあるグループや個人の相互作用を作り出すことは、なかなかむずかしい。やりすぎても、ムダが多くなるばかりだし。

でも今日みたいな試みは、大歓迎。またいろいろやってゆきたい。とりあえず、最優先事項は来年度のImaginAsia!

Monday, 8 November 2010

『冬の小鳥』(Une vie toute neuve)

何もいわないから、ぜひ観にいってください。岩波ホール。何の知識もなく観たほうがいいと思います。ずっとさびしい夢を見ているような気分で観ていて、一瞬の暗転にああ終わるんだなあと思ったあとの最後のシークエンス、最後の最後に断ち切られるショットに、ボロ泣き。ラストでこれだけ泣けた映画は『サマリア』以来でした。お勧めします。

長く熱い秋の午後

東大本郷でのワークショップ、終了。会議室で開催するというのでせいぜい3、40人が集まって、料理中のアイデアを議論する程度かと思っていたら、聴衆は少なく見て120人! 満席でした。しかも発表者の多くが本格的な論文を準備していて、大学院生らしい人たちはノートを準備し、室温がだんだんあがり、酸素が少なくなり、頭は朦朧とし、ああ倒れるという寸前、話がはじまったら興味深くてすっかり引き込まれた。

鈴木雅雄くん(かつて大学院で一緒に勉強した)のアンドレ・ブルトンについての感動的な発表から、最後の塚本昌則さんの簡潔で的確なまとめまで。午後1時半から7時まで。長かったけれど、実り多い午後になりました。

ぼくが参加した第3セッションでは、まずぼくが前座。「写真論」と題した16行詩7編のシリーズを朗読してから、大連、ラパ・ヌイ、パリそれぞれの旅行写真をスライドショーで見ていただき、みなさんをうんざりさせました。「しろうとの旅行写真ほどうんざりさせられるものはない」という第1セッションで出たコメントをみごとに無視してしまいました。でもまあ、一部の人には楽しんでもらえたようでホッとした。

ついで今橋映子さんの報道写真論。カルティエ=ブレッソン神話からはじまり報道写真の徹底的な考古学の必要にいたる、明晰きわまりない論考。それから野崎歓さんは、さすがの余裕でフランス現代作家数人をとりあげ、きわめて具体的に小説の場面を紹介しながら、おもしろいお話をつむいでくれました。名人芸。

以上の3人に対して、特別なゲストである畠山直哉さんがコメントをくれて、これにはさすがに全員がじっと聞き入っていました。アーティストならではの言葉の強さ、鋭さ。写真と文学をめぐってすごされた長い午後が、これでぐっと締まった。

他にも澤田直くんのサルトル論や兼子正勝さんのクロソウスキー論が聞けて、大変に有意義な一日になりましたが、いくつかの課題もぼくには残りました。そのうち何らかのかたちで文章にしてゆければと思います。

世話役だった塚本さん、大変だったでしょう。ありがとうございました!

(参考意見はいつもながら清岡さんに。http://tomo-524.blogspot.com/です。)