2014年10月12日日曜日

リトアニアから戻って

リトアニアへの旅から戻りました。

首都のヴィルニウスで2回、詩祭のメイン会場だったドルスキニンカイで1回の朗読。各国の詩人たちとの出会いにも(ここでも)恵まれ、非常に充実した日々でした。

ドルスキニンカイは川と湖に彩られた美しい町。サナトリアムとリゾートが点在し、日本でいえば軽井沢みたいな場所なのでしょうか。

さすがの北国、すでに本格的な秋で、朝など気温は7度くらい。毎日降りしきる落葉が、否応なく世界の無情を教えてくれます。

しかしリトアニア、すばらしい国でした。インド=ヨーロッパ祖語研究にリトアニア語が鍵を握るのは、よく知られた事実。ソシュールも真剣に勉強していたし、比較言語学者にはギリシャ、ラテン、サンスクリットといった古典語と並んで必須の言語です。

同時にここは、ソ連とナチス・ドイツに徹底的に蹂躙された地域。第2次大戦終結前後に30万人のリトアニア人が虐殺されたといいますが、うち5万6000人ほどは、ナチス時代にリトアニア人によって殺されたユダヤ系住民。

ヨーロッパのこの血なまぐさい歴史、そしてその歴史を忘れず正確に語り継ごうとする努力を思うと、現在の日本で猖獗をきわめる歴史修正主義の愚かさに、やりきれない気がします。

詩作についても多くの示唆を得ました。今後少しずつ、その啓示を生かしていきたいと思っています。将来ぜひまた再訪したい地域です。