2013年9月30日月曜日

台湾朗読会終了、そして終わらず

28日(土)、台中の東海大学。29日(日)、台北の交流協会。『ろうそくの炎がささやく言葉』朗読会をぶじ終えることができました。ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。十分な時間ではありませんでしたが、いろいろな意見を交わすこともできて、たいへん充実したひとときでした。

全体をアレンジしていただいた東海大学の黄淑燕さん、笹沼俊暁さん、交流協会の長谷川理恵さん、ほんとうにありがとうございました。また台湾でもっとも重要な原住民作家のひとりであるワリス・ノカンさんの参加を得たことは、われわれにとって大きな意味のあることでした。

終えて、終わりではありません。声の糸はさまざまなかたちで多方向につながっていきます。この続きは、また必ず。いつかはワリスさんの山の村を訪ねてゆきたいと思っています。また、この春の台中行きのそもそものきっかけだった、大川景子さんによるリービ英雄さんのドキュメンタリー制作も、そろそろ佳境を迎えています。お楽しみに。

2013年9月29日日曜日

読売書評 #42

スヴェン・ハヌシェク『エリアス・カネッティ伝記』(北島玲子ほか訳、ぎょうせい)。9月29日掲載。

カネッティの浩瀚な伝記。おもしろい。でも書評では字数がないので、いろいろなエピソードの紹介には至りませんでした。鉛筆を40本も削って一晩中書き続けたこととか、子供のころお母さんから超スパルタ教育でドイツ語を叩きこまれたこととか、カール・クラウスの影響下、朗読好きだったこととか、チューリヒのお墓はジョイス父子の隣にあるとか。

自伝作家として、ほぼ同世代のミシェル・レリスとの対比を考えてみるのもおもしろいでしょう。タイプはぜんぜんちがうけれど。

来年はチューリヒ詣でに行くか。

2013年9月27日金曜日

「現代思想」10月号

10月号はなんと富士山特集。日本を代表する冒険家、石川直樹さんと対談しました。おととしの富士登山を思い出しつつ、楽しい対話! ぜひごらんください。

ゼミ見学歓迎します

後期の授業開始、大学院も。早速、早稲田の大学院で写真研究を専攻するXくんが見学に来てくれました。慶應の学部4年生Yさん、中央の学部3年生Uさんと合わせて、ゲスト3人。全員、議論にも参加してくれたので、うちの(本来の)ゼミ生たちにもいい刺激になりました!

ゼミ見学を歓迎します。毎週木曜日の13時から。明治大学中野キャンパス5階の511教室に来て、声をかけてください。

そしてぜひ、受験してくださいね。いろいろな考え方の種子に、これほど多く出会えるゼミは、そうはないはずです。

2013年9月25日水曜日

10月5日のイベント

10月5日、下北沢B&Bでの『時制論』刊行記念イベントですが、演出家の高山明さん(Port B)が対話の相手をつとめてくださることになりました。十和田奥入瀬芸術祭を機に知り合った高山さんとは、この秋のFestival Tokyoでの彼のプロジェクトでもご一緒することに。その鋭利な知性が、ぼくの詩集にもむけられます。楽しみ。

そして朗読のパートでは、倉石信乃さん(詩人・批評家)と南映子さん(メキシコ文学者)が、それぞれ男声、女声として作品の立体化に協力してくれることになっています。

かなりおもしろい午後になるはず。ぜひいらしてください。予約、たぶんすぐに埋まります。お問い合わせは直接B&Bにどうぞ!

2013年9月24日火曜日

『ミグラード』刊行記念イベント

23日、池袋の西武コミュニティカレッジ5番教室で、『ミグラード 朗読劇「銀河鉄道の夜」』(勁草書房)の刊行記念イベントを開催しました。

満員。ずっとわれわれのツアーを追ってきた河合宏樹監督による映像を見て、みんなで話をし、ついで各人の出し物。小島くんはなんとエスペラント語歌詞のオリジナル曲を、小説家の温又柔さんおよび歌手のめいりんさんとともに披露。ぼくは本書所収の「33歳のジョバンニ」の一部を朗読。古川さんは宮澤賢治の詩、柴田さんはシンガーの短篇。最後にみんなで「春と修羅」をひさびさに。

 いてふのこずゑまたひかり
 ZYPRESSEN いよいよ黒く
 雲の火ばなは降りそそぐ

もちろんこの旅に終わりはありません。少なくとも、分断されたわれわれの社会に「橋」を架ける必要を認めるかぎり。

またいつかどこかで、ぜひ見に来てください。


十和田奥入瀬芸術祭、はじまる

21日、十和田奥入瀬芸術祭が開幕。オープニング・イベントの一環として、会場のひとつ「森のホテル」フォワイェのカフェで、ぼくの朗読会を開催してもらいました。

できたばかりの『時制論』から最初の10片。ついでキュレーターの小澤慶介さんと、今回の展覧会および書籍の意図をめぐる対話。窓の外にひろがる緑を見ながら、気持ちのいいひとときを過ごすことができました。

http://artstowadaoirase.jp/

翌日は、音楽家Mamoruさんの作品である、十和田湖の遊覧船クルーズ。すばらしい秋晴れで、このエリアの美しさを堪能することができました。

みなさん、この機会にぜひ十和田へ。光の明るさにかけては比類ない土地です。

2013年9月19日木曜日

10月5日は下北沢で

そして10月5日には下北沢B&Bで『時制論』の刊行記念朗読会です。16行詩を朗読すると、およそ1分半。自分の話を交えると、32片を読むのにちょうどいいくらいかもしれません。

http://bookandbeer.com/blog/event/20131005_agendars4/

16行詩、64片を、全4冊。これをもって『Agend'Ars』シリーズは完結。その全容を知るために、ぜひ遊びにきてください。

奥入瀬で朗読会

その十和田奥入瀬芸術祭のオープニング・イベントの一環として、ぼくの新しい詩集『時制論』(左右社)の朗読会を21日午後に開催します。

この土地の良さ、すばらしさを体験するためにも、ぜひいらしてください。

http://artstowadaoirase.jp/

『十和田、奥入瀬 水と土地をめぐる旅』

いよいよ21日から、十和田奥入瀬芸術祭が開幕します。その展覧会の出品作品としてぼくが監修した書籍『十和田、奥入瀬 水と土地をめぐる旅』が完成しました! 青幻社より刊行。

中心的なイメージを提供するのは畠山直哉さんの写真アルバム。それに小林エリカさん(湖)、石田千さん(渓流)、小野正嗣さん(平原)という、まったく個性のちがう3人の作家の書き下ろし小説が加わり。この魅力的な青森中央部エリアが全面的に前景化される、類例のない本になりました。

この機会を与えてくれた芸術祭キュレーション・チームのみなさん、そして書籍編集を担当した影山さん、ありがとうございました。すばらしいできばえです!


『ミグラード』完成!

セルビアの日々を終え、すっかり秋の肌寒いウィーン経由で帰ると、東京はまだまだ夏ですね。関係した書籍が2冊届いていました。

まず、『ミグラード 朗読劇「銀河鉄道の夜」』(勁草書房)。2011年12月24日の初演以来、われわれが全力をあげて取り組んできた『銀河鉄道の夜』の関連CDブックです。

古川日出男による完成版脚本に加えて、柴田元幸とぼくの書き下ろし小説(柴田さんのは中にブライアン・エヴンソンの傑作「ウインドアイ」の名訳を含んでいます)、そして小島ケイタニーラブの歌(エスペラント語歌詞のものも!)を収録したCD。

この劇の各地での上演によって出会うことができたみなさんの表情、声も、よみがえってきます。ささやかだけれど、確実な手応えのある活動でした。これからも、仲間たちとともに、このどうしようもない社会のかたすみでそっと続けていきたいと思います。

朗読劇ツアーの全体をとりまとめるとともにすっきりとした本に仕上げてくれた編集の関戸さん、やはりツアーのちらしからずっとお世話になっている装丁の椚田さん、ほんとうにありがとうございました! 



2013年9月15日日曜日

セルビアにて

セルビア北部、ハンガリーとの国境地帯に滞在中です。セルビア文芸協会主催の「文学コロニー」(要するに作家、詩人の合宿)に招待され参加中。アルバニア、ドイツ、クロアチア、日本から各1名。そしてセルビア側の世話役です。

国内3カ所での朗読会のほかは義務もなく、田園地帯のしずかな葡萄畑・果樹園つきベッド&ブレックファストで終日、創作と読書。5日間がまたたくまに過ぎて、残すところあと2晩になりました。

ここの近くの町センタはハンガリー人が人口の7割とか。またたばこ産業が盛んなのですが、たばこ畑の所有者は日本のJTだそうです。町の公園の四阿も日本人の寄付だといっていました。

こんな文学キャンプ、日本でも開催したいものです。すでにこの6月、スロヴェニア人の詩人アレシュ・シュテゲルと2人で南相馬に行き、南相馬市立中央図書館にこもって制作をするという試みをしましたが、それはいわば自主トレ。

しかるべきスポンサーを探し、大都市から遠いどこかにせいぜい5、6人のグループで合宿し、ひたすら書くという日々を。

特に、いま、世界中の文学者に福島を訪れてほしいと思います。そして書いてほしい。そんな機会を、どうにかして作りたいものです。


読売書評 #41

本谷有希子『自分を好きになる方法』(講談社)。9月15日掲載です。

何の魅力もない平凡な女性の生涯を、彼女の人生のさまざまな年齢にわたる6日間のエピソードによって提示します。恐るべき才能。

なお、今月下旬発売のわれわれ(古川日出男、柴田元幸、小島ケイタニーラブと)の本『ミグラード 朗読劇「銀河鉄道の夜」』(勁草書房)にぼくは「33歳のジョバンニ」という50枚の小説を書きましたが、本谷さんのこのリンデの物語とはまったく無関係に構想されたものです。この続編「42歳のジョバンニ」もいつか。

2013年9月10日火曜日

台湾朗読会

『ろうそくの炎がささやく言葉』(勁草書房)の朗読会を、台湾で開催することになりました。9月28日(土)は台中の東海大学。29日(日)は台北の交流協会文化ホール。台湾のみなさんと、震災の経験を、東北の土地を、語り合う機会にしたいと思います。

http://lemurmuredesbougies.tumblr.com/post/60733358422/9-28-29


『ミグラード』刊行記念イベントは9月23日(月・祝)

われわれが一昨年以来つづけてきた朗読劇『銀河鉄道の夜』の完成脚本を含む書籍『ミグラード 朗読劇「銀河鉄道の夜」』(勁草書房)が今月下旬に発売されます。それを記念して、古川日出男、柴田元幸、小島ケイタニーラブとぼくがそろって出演する刊行記念イベントを、以下のように開催します。ぜひおともだちと連れだっていらしてください。

http://www.libro.jp/news/archive/003630.php


2013年9月7日土曜日

読売書評 #40

8日掲載です。岩合光昭『イタリアの猫』(新潮社)。岩合さんの手にかかると、猫がほんとうに高貴でかわいい動物に見えてきます。のんびりページをめくって、いつまでも楽しめる写真集。

「水牛」9月号

ウェブマガジン「水牛」には「写真論」と題した短い詩の連作から2つ。次号で2つ、その次で3つ発表し、7つで完結するつもりです。読んでみてください。

「すばる」10月号

連載「旅ときりぎりす」、10月号は「ハワイ島」です。ぜひごらんください!

南相馬への旅

その大会が終わって、つづく9月2日と3日は、会員有志14名による南相馬への旅となりました。いまこの土地でフロッタージュ制作プロジェクトを進行中の岡部昌生さんの作品を拝見し、ついで津波によって「浦」に戻った地帯を見学しながらフロッタージュ作品の制作体験。陸地に打ち上げられたテトラポッドにつく小さなふじつぼたちの生命に、ふるえるような感動を覚えました。

ついで翌日は、やはり津波のあとの生態系の変化を、自然部門の学芸員の方のご案内によって見てまわりました。それから海岸にあった海水浴場が受けた破壊の大きさ、重さに、ずしんと強い衝撃を受けました。ついで最後に世界に誇れる南相馬市立中央図書館見学。多くのことを次々と考えさせられる、充実の小さな旅でした。

この企画は、南相馬市立博物館および福島県立博物館、そして南相馬市立中央図書館の全面的なご協力によって可能になったものです。当日もずっとおつきあいいただいた博物館スタッフのみなさま、ほんとうにありがとうございました。

そして岡部さんのアーティストとしての偉大さを、改めて痛感する機会にもなりました。指先の感触を認識の道具とし、世界をそのままに擦り取る。大きな破壊をこうむった土地で、具体的な希望への感触を強烈にしめしてくれる、すばらしい作品群でした。これからも、その制作はつづきます。岡部さんが着実に、まさに全身全霊をこめて残してゆく痕跡を、じっと見てゆきたいと思います。


ASLE-Japan 文学・環境学会

本年度のASLE-Japan大会は8月31日と9月1日、白百合女子大学を会場として開催されました。初日は纐纈あや監督による映画『祝の島』上映とディスカッション、そしてドリアン助川のアルルカンシアター『ブカレスト=プノンペン=フクシマ』が、いずれも観衆に大きな感銘を与えました。

2日目は2つの部屋に分かれてのエコロジー批評の研究発表。最後に、生態系を主題とするファンタジー小説の作者である舟崎克彦さんの基調講演(舟崎さんは白百合女子大教授でもあります)。

きわめて充実した2日間でした。大会実行委員長の岩政伸治さん、ありがとうございました。

人間世界と自然の境界面をじっと考え、想像力によって次の位相を考える環境文学は現代の地球社会にとってきわめて重要な分野です。ASLEは文学研究者のみならず、あらゆる人々に開かれています。

来年度は11月22〜24日、沖縄本島北部の名護で開催する予定です。この機会にぜひ入会してください。一緒に沖縄に行きましょう!