2012年6月29日金曜日

中平卓馬『サーキュレーション』


「読書人」2945号。中平卓馬『サーキュレーション 日付、場所、行為』(オシリス)の書評を書きました。同写真展、7月4日から始まります、銀座BLD Galleryにて。1971年のパリを、そのままに体験しよう!

2012年6月28日木曜日

いま、たったいま、

みなさん、きょうの戦慄すべき報道に気づきましたか。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012062790205047.html

こうしているたったいまも、大量の汚染水が流出し、地下水脈から海へと流れています。そして海の汚染はどこまでもとめどなく拡散してゆきます。

そしてみずからの被曝を前提として、つまりは生命を賭して、収束のための作業に従事している人たちがいます。

その一方で、電力会社は何の責任もとらず、何者かの利権を代表するだけの現政権は、テキトーきわまりないやり方で大飯の再稼働を決めました。

これほどばかげた話があるでしょうか。いいかげんにやめろ、なんとかしろ、なんとかしよう、という意志を表すためには、どうすればいいのでしょうか。

2012年6月27日水曜日

London

Film & Media 2012 という学会のためにロンドンに。会場はロンドン大学。ぼくはWerner Herzog and the Animalというタイトルで発表しました。

ロンドンは11年ぶり。前回は2001年9月11日でした。飛行機が到着後、2時間近くも外に出られず。基調講演をするはずだったアルフォンソ・リンギスも来られず。

11年ぶりのロンドンは新しい建物が増え、あちこち工事中。妙に狭い地下鉄だけは変わらず。

また近いうちに再訪したいものです。

2012年6月18日月曜日

大城立裕/山里勝己

以下の講演会があります。沖縄に興味のある人は必見・必聴。ぼくは明治のオープン講座と重なるので、残念ながら行けませんけれど。


立教大学大学院
異文化コミュニケーション研究科主催 公開講演会


環境と文学のあいだ10:〈場所の文化〉をめぐって


2003年度以来、継続している本研究科主催のシリーズ講演会。本年度は、沖縄在住の芥川賞作家 大城立裕 氏と琉球大学教授山里勝己 氏を迎え、沖縄という土地に根ざす〈場所の文化〉の現状と課題について講演していただく。



〈場所の文化〉が奪われた、あるいは奪われつつある という現状認識を起点として、それが沖縄を初めとして日本文化全体を覆う問題であり、とりわけ福島原発周辺地域からの住民の避難は、〈場所の文化〉の喪失という観点からも再認識する必要があることを語っていただく。

日時    2012年7月14日(土)16:30〜18:00
場所    池袋キャンパス 8号館1階 8101教室
講師    



大城 立裕 氏(作家)

【講師略歴】
1925年沖縄県生まれ。1967年、『カクテル・パーティー』で芥川賞を受賞。2002年には『大城立裕全集』全13巻が刊行されている。

山里 勝己 氏(琉球大学法文学部教授)


【講師略歴】
1945年沖縄県生まれ。専門はアメリカ文学・文化。『場所を生きる—ゲーリー・スナイダーの世界』など。著書、論文多数。


対象者    異文化コミュニケーション研究科学生、本学学生、教職員、校友、一般
※申込不要、入場無料
共催    ESD研究所
問合せ先    独立研究科事務室 TEL:03-3985-3321

がんばれ東京新聞!

関西電力大飯原発再稼働に反対します。

今日(17日)もまた、東京新聞の見識が光っています。

「大飯原発再稼働の決定を聞いて福島の人たちはどう思ったでしょう。想像してみてください。突然故郷を喪失させられた人々の政府への不信と怒りの深さを。/私たちも同じように思います。福島の事故で私たちの学んだ多くのことが、一握りの政治家らによってこれほどやすやすと忘れられてしまうのかと。」(名古屋本社論説主幹・深田実「それでも原発に頼らず」より)

積極的再稼働論者は「一握り」、しかもその論拠は妄言ばかり。かれらの意志がやすやすと実現されるとは、いったいどういうことなのでしょうか。社会の何が機能していないのでしょうか。

チェルノブイリと福島をむすんだ歴史的線上から、再稼働に反対します。



読売書評 #12

6月17日掲載。カトリーヌ・ルグラン『少数民族の染織文化図鑑』(福井正子訳、柊風舎)。

思わず見とれる美しいパターンの数々。

クレズマー

クレズマー、それは東欧系ユダヤ音楽。きょうの朝日新聞から。

「大阪大学大学院教授(音楽学)の伊東信宏さん(51)も、クレズマーに触れ、胸が騒いだ一人だ。「子どもの頃になじんだ音楽、たとえば『魔法使いサリー』の旋律のエキゾチックさはクレズマーの響きです」」

そうだったのか!

2012年6月12日火曜日

「文人ラカン」

「もうラカンは放り出して、フロイトしか読まぬようにしようと決心しかけたこともある。だが、結局わたしは抗しがたい力に惹かれるようにして、謎めいたラカンに戻ってくる。すると突然に、あのディスクールから一条の光が射し、ちょうど飛行機が雲をつらぬいて飛ぶときのように、一片の青空が垣間見える、たったひとつの言い回しが永遠の響きを奏で、ひとつの段落が、ほかの著者だったら二十頁もついやしたであろうほどの豊かな内容を凝縮しているように思われる。狂気、喜び、自由——人間の本質について語るこの声は、深い感動をもたらして、その親しげで快い響きを聞いていると、ちょうど、わたしたちそれぞれの内にあって、ずっと以前から言葉が見出されるのを待っていた思想が、みずから口を開いて語りはじめたかのようだ。そうなると、テクストを読みすすむわたしは、あちこちで、おかしな、楽しい、さわやかな話に行き会うだろう。彼の気取りと見えていたものは、いまや気取りのパロディーとなり、彼の晦渋さはユーモアの効果にほかならぬように見えはじめ、一行ごとに、禅の著作を浸しているのと同じ、あの声なき笑いが聞こえてくる」

モーリス・パンゲ「文人ラカン」(工藤庸子訳)

2012年6月10日日曜日

昨夜のプログラム

昨夜のフォトギャラリー・サイでのプログラムです。なんと当日、開演直前になって、アメリカ在住のヴァイオリニスト金子飛鳥さんがかけつけてくれました。あまりにうれしい驚き。

クラシックからロック、ジャズ、ジプシーとアイリッシュ・フィドル、ジャンルなんてまったく関係ない、伸びやかでソウルフルなワールド・ミュージック対応ヴァイオリン。ジェーン・バーキン世界ツアーのヴァイオリニストとして、今年は東京でもそのすばらしい演奏、ジェーンとの楽しいかけあいを聴かせてくれました。飛鳥さんの響く弦、踊る弓のおかげで、この晩は信じられないくらいの深みを得ることになりました。

第1部(管啓次郎)
谷川俊太郎「ろうそくがともされた」*
岬多可子「白い闇のほうへ」
山崎佳代子「祈りの夜」
管啓次郎『Agend'Ars』より3片
サン=テグジュペリ『星の王子さま』から**
管啓次郎「狼が連れだって走る月」
*avec田内志文
**avec竹内万里子(きつね)、関戸詳子(ちび王子)

第2部(田内志文)
田内志文「ナッパドンとひとみ」

第3部(管啓次郎)
エイミー・ベンダー「癒す人」
エイミー・ベンダー「あらゆるものにまちがったラベルのついた王国」***
***avec関戸詳子(ねこ)、田内志文(医師)

アンコール 金子飛鳥によるヴァイオリン・ソロ

朗読会の全体にわたって金子飛鳥による完全な即興の伴奏が入った。

長さとしてもたぶんちょうどよかったと思います。休憩を2度はさんで、2時間強。ぼくとしては「癒す人」全文朗読を果たせて、いささかの達成感を味わいました。

『星の王子さま』のきつねくんとの出会いと別れの場面は、昨年6月に青山ブックセンター六本木店で小池昌代さん(きつねくん)、安田沙絵さん(ちび王子)とやったものですが、今回はまったくちがう味わいになりました。これからもまた何度でも、新しい顔ぶれでやりたいと思っています。

2時間、30名。この程度の規模がいいみたいです。全国いや全地球各地で企画してくださる方、気軽に声をかけてください!

2012年6月9日土曜日

新潟県知事のコメント

無責任きわまりない首相発言に対する、新潟県知事のコメントに拍手。ごくまっとうな感覚です。


本日、野田総理が、大飯原子力発電所について「安全性を確認した」と表明しました。
  現在、福島原発事故はいまだ収束しておらず、事故の検証も進行中であり、換言すれば、意思決定過程や組織のあり方なども含めた事故原因の特定も行われていません。事故原因が特定されなければ、対策を講じることができないことは自明の理であり、専門家である原子力安全委員会も班目委員長が安全を確認していないことを明言しています。
  このような状況下で専門家でもない総理が安全性を確認できるはずもありません。」


全文は以下から。


http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1339102948125.html

読売書評 #11

川島秀一『津波のまちに生きて』(冨山房インターナショナル)。6月10日掲載。

2012年6月6日水曜日

1769年6月3日

人類史におけるもっとも知的な人間は誰かと聞かれたなら、ぼくが一票を投じるのはジェイムズ・クック船長! 1769年、彼がタヒチにおもむいたのは金星の太陽面通過を観測するためでした。場所はタヒチ・ヌイ(タヒチ本島)、いま「金星岬」(ラ・ポワント・ヴェニュス)と呼ばれている地点です。

きょうは金星の通過を見られなくて残念。でも報道された画像で、十分その驚異を想像することができました。

2012年6月5日火曜日

新領域創造特論のゲスト


新領域創造特論(2012年度前期)
ゲストのお知らせ
「新領域創造特論」(水曜3限)、6月後半の2回は管啓次郎担当「言語、メディア、<世界>の変容」です。それぞれ以下のゲストをお招きし、最前線の現場からのお話をうかがいます。あまりにも得難い機会です! けっして逃すことのないよう、いまからカレンダーに書き込んでおいてください。

6月20日(水)
佐藤文則さん(フォトジャーナリスト)
ハイチの大震災、そして東日本大震災。二つの経験を比較することは、はたして可能なのか? それは現代世界について何を教えるのか? 明治大学の先輩でもある現代日本の代表的フォトジャーナリストが、それぞれの現場での経験を基にして、われわれが知るべきこと、考えるべき問いへのヒントをしめしてくれます。
 主な著書に『ダンシング・ヴードゥー ハイチを彩る精霊たち』『慟哭のハイチ 現代史と庶民の生活』(凱風社)、写真集『ハイチ 圧制を生き抜く人々』(岩波書店)。共著にJVJA写真集『3・11メルトダウン 大津波と核汚染の現場から』(凱風社)。

6月27日(水)
綾女欣伸さん(編集者)
あるまとまった知識の流通形態としてもっとも洗練されたものが、印刷術発明以後の<書物>であることは疑えません。ディジタルメディアの時代になっても、流通にむけた知識の整理と、新たな結合による創造は、書物のモードを模倣しています。鍵をにぎるのは<編集>。現代文化創造の現場で活躍する若き編集者が、編集という仕事の本質を惜しみなく語ってくれます。
 最近のお仕事に、新シリーズ「アイデアインク」として津田大介『情報の呼吸法』、グリーンズ編『ソーシャルデザイン———社会をつくるグッドアイデア集』など。フランシスコ・サンチェス+ナターシャ・ブストス『チェルノブイリ 家族の帰る場所』(いずれも朝日出版社)。

受講者以外の聴講を許可します。当日、開始前に声をかけてください。
ただし遅刻は厳禁!                        (担当=管啓次郎)

2012年6月3日日曜日

読売書評 #10

西江雅之『異郷』(美術出版社)。6月3日掲載です。

2012年6月2日土曜日

東北ツアーまとめ

東北ツアーのまとめです。

 明治大学理工学研究科新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系・管啓次郎研究室では、小説家・古川日出男、音楽家・小島ケイタニーラブとの共同プロジェクトとして、オリジナル朗読劇『銀河鉄道の夜』の東北公演ツアーを実施した。


 これは昨年12月24日にサラヴァ東京で初演され、本年3月11日にRainy Day Books & Cafeで再演された舞台をさらに進化させたもので、第4の出演者として翻訳家・東京大学教授の柴田元幸を迎えている。仙台では、さらにゲストとして批評家・早稲田大学教授の小沼純一も朗読に参加した。

 今回のツアーは明治大学震災復興支援センターの協賛を得、また大船渡市、岩手県教育委員会、仙台市、IBC岩手放送の後援、さらに株式会社朝日出版社、株式会社勁草書房、左右社、認定NPO法人・国境なき子どもたちの協力を得て実現した。以下、関連企画の実施履歴と、関連報道記録を記す。


5月16日(水)
シンポジウムと朗読「<東北>と声」(明治大学リバティータワーにて)。参加=野崎歓(東京大学教授)、柴田元幸(東京大学教授)、古川日出男(小説家)。司会=管啓次郎。震災後の状況における文学の位置と役割をめぐって、本質的議論が交わされた。

 「図書新聞」3064号(2012年6月2日)に編集部による詳細な報告が掲載された。

5月18日(金)
大船渡中学仮設住宅訪問朗読会。仮設に住むみなさんを対象として、古川・管・小島・柴田による朗読会を開催。約30名が参加し、好評を得た。

 「岩手日報」5月19日朝刊に記事。

5月19日(土)
大船渡リアスホール・マルチスペースにて公演。観客約130名。

 NHK盛岡にて当日夜のローカル・ニュースで大きく取り上げられる。

5月20日(日)
せんだいメディアテーク・スタジオシアターにて公演。観客73名。

5月21日(月)
福島市音楽堂小ホールにて公演。観客30名。

 「福島民報」5月22日朝刊に記事。5月30日朝刊にも長いインタビュー記事(古川を中心に)。

また全体を通じては、ツアーに同行した待田晋哉記者による渾身の記事が「読売新聞」5月29日朝刊に掲載された。



見にきていただいたみなさん、それぞれの土地でお世話になったみなさん、ほんとうにありがとうございました!

大阪で会いましょう、またもや、来週!

フォトギャラリーサイの赤阪さんのお誘いで、来週、また大阪に行きます! 気持ちのいいスペースで、とことん聴いてください。ぜひいらしてください。

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管 啓次郎 朗読会 @ photo gallery Sai

日 時: 2012年6月8日(金)18:30 開場 19:00 開演
参加費:1000円(ワンドリンク付)
出 演:管 啓次郎(ひょっとしたらゲストも?)

<申し込み方法>
メール  info@photo-sai.com 
電話   090-6325-8896(赤阪) までお願いします。

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管さんの淡々とした「語り」は聞くものをあっさりと独自の世界へと引きずり込んでしまう。
言葉の枠はやがて融解し音質の世界へとトランスさせてくれるような朗読会。

闇、炎、銀河の夜。

管啓次郎・朗読会にぜひお越しください。
皆さまのご参加をお待ちしております。

赤阪友昭

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フォトギャラリー・サイ
〒553-0002
大阪市福島区鷺洲2丁目7−19
TEL&FAX / 06-6452-0479
info@photo-sai.com
http://photo-sai.com

JR大阪環状線「福島」下車より
徒歩10分
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2012年6月1日金曜日

「水牛のように」6月号

八巻美恵さんのウェブジン「水牛のように」、更新されました。

http://www.suigyu.com/sg1206.html

ぼくは先月につづいて「時制論」6片を発表しています。読んでみてくださいね!

おめでとう、新井健人くん!

ぼくの研究室関係のイベントにしばしば手伝いに来てくれる新井ケントは明治大学の4年生、建築学科。なぜかインドネシアに興味をもち、このたびインドネシア政府給費留学生にみごと選ばれました。

http://www.meiji.ac.jp/sst/information/2012/6t5h7p00000c6x8p.html

おめでとう! とにかく思いきり勉強してインドネシア語を身につけてくれ! 言葉を知らなければ、結局観光客のレベル。これからは潜水だ、土地に、社会に。