2012年1月28日土曜日

ありがとうツボちゃん!

「週刊文春」2月2日号の「文庫本を狙え!」で坪内祐三さんが『狼が連れだって走る月』をとりあげてくださいました。ああ、そうだった、という思い出話に、こっちもニコリ。20年前の彼のニューメキシコ旅行がもう少し早ければ、あちこち案内できたのに。

坪内さんとぼくというと接点がないように思われそうですが、じつは大きな共通点が。植草甚一さんに甚大な影響を受けていることです。それはそれぞれの文体のはしばしに現われているんだけど、植草さんに影響を受けた人じゃなければわからないかも。

またいつかどこかのコンサート会場でひょっこり会いましょう!

ディンゴです

現在のこのブログのタイトル背景の絵、「かわいい犬」といわれますが、犬は犬でもディンゴです。でもディンゴは犬だから、やはり正しいのか。子犬から飼えばなつくんだろうか。

余談ですが、電車の中でかわいいせりふを聞きました。4、5歳の男の子。運転席のうしろでじっと前方を見ていた。突然ふりかえって母親に「おかあさん、電車がとまると線路もとまるの?」

いい発想!

金曜日の夜は

『コロンブスの犬』刊行記念写真展「コロンブスの犬」開催記念トークセッション第2弾、昨夜、レイニーデイブックス&カフェにて。今福龍太、港千尋、ぼく。お越し下さったみなさん、ありがとうございました。

さすがに話がつきない、はっきりいって一晩やれました。でも2時間半で終了。思えばこの3人で顔を合わせたのが1990年のアルバカーキ以来だとふと気づいて、呆然。もちろん、その間も2人ずつの組み合わせなら無数にあったのですが、なぜか3人はなかった。

つい昔話ばかりして、すみませんでした。

しかしこのあいだの旦くんの回といい、『ブラジル宣言』新版は避けられませんね。やります、やるつもりです。でもそのまえにゴローさんに弟子入りしてボサノヴァ・ギターを修行するか。

2012年1月25日水曜日

『ロスト・シティ・レディオ』

ペルー系の若きアメリカ作家ダニエル・アラルコンの話題作『ロスト・シティ・レディオ』(藤井光訳、新潮社)。まもなく発売です。ぼくは表4に推薦文を書いています。

どこと名指されない中南米の国を舞台にした本格的政治小説。名前の喪失と、失われた人々への呼びかけ。ぜひ読んでみてください。

2012年1月24日火曜日

火曜日はABC六本木店で

雪が早くも雨に変わった夜半。こんなときにも遠い海岸を思います。

さて、火曜日。『読むとだれかに語りたくなる』の大竹昭子さんと『再起動せよと雑誌はいう』の仲俣暁生さんの書店対談がABC六本木であります。

http://katarikoko.blog40.fc2.com/blog-entry-463.html

予約不要、だれでもふらりと参加できるとのこと。雪か雨か曇りか晴れの六本木、ぜひどうぞ。本の世界、雑誌の世界を、どんどん更新するために、新たに励ますために!

2012年1月23日月曜日

中村和恵『地上の飯』

どこまでも放浪好きなわが友人、中村和恵さんの待望の新著が出た。題して『地上の飯 皿めぐり航海記』(平凡社)。序にいわく

「全体わたしは湯気好きだ。生まれ変わったら雲なり風呂なり火山池なり、おひつのご飯、せいろの小龍包、なにしろなにか湯気の立つものになりたいとおもう。漱石先生は余も木瓜(ぼけ)になりたいと書いておられるが、わたくしもできれば湯気になりたい」

抱腹絶倒。お勧めします、何度でも! その上、ポストコロニアル文学と称されるものの精髄の部分が、そうとはわからぬかたちであちこちにまぎれこんでいる。文学を研究する人もしない人も、本書に学ぶべし、何事かの奥義を。

あ、ちなみに、世界各地の食べ物についてのエッセー集です。

2012年1月22日日曜日

読売書評 #2

1月22日掲載。藤田洋三『世間遺産放浪記 俗世間篇』(石風社)。

2012年1月21日土曜日

「ふるさとと写真」を終えて

大竹昭子さんをホステスとする「ことばのポトラック」第7回は、畠山直哉さんを迎えての「ふるさとと写真」。午後1時から始まってなんと5時間半、写真と体験をめぐる省察が惜しみなく語られる、驚異の場となりました。

聴衆の集中力もまったく途切れず、ほとんどの人が最後まで残り。ふるさと陸前高田をしずかに哀悼する写真家の魂に、みんな強く打たれました。

あのクールな写真と理知的な姿勢で知られる畠山さんが、じつは強烈なパトスの人であることをまのあたりにして、驚いた人も多かったでしょう。写真について考え、語るための、最高の冬の課外授業でした。

ぼくは詩集『島の水、島の火』からいくつかを朗読しました。冒頭の「非在の波」連作は、コリーヌ・カンタンさんによるフランス語訳が、いよいよもうじき出ます。ぜひ読んでみてください。

2012年1月19日木曜日

2月2日、ジュンク堂那覇店で

2月2日の午後6時、ジュンク堂書店那覇店で『ろうそくの炎がささやく言葉』(勁草書房)の朗読会を行うことになりました。

http://lemurmuredesbougies.tumblr.com/post/16105961243

出演は、いまのところぼくだけですが、この本に収められた数々の作品をできるだけ丁寧によんでみようと思います。

沖縄は東北からは遠いけれど、ぜひよろしくお願いします!

キース・ヘリング展!

この週末から伊丹市美術館でキース・ヘリング展が開催される。絶対に行きたい。

1・2年生の英語の授業で何度もいってきたけれど、ぼくはキース・ヘリング、プリンス、マイケル・ジャクソンと同い年です。そしてキースとジャン=ミシェル・バスキアがもっとも好きな数人の絵描きたちの中に入っています。

そして! マリオ曼陀羅の田内万里夫がこの週末、会場で壁画制作をするそうだ。

http://mario-mandala.seesaa.net/

これ、めちゃくちゃに行きたい。無理だな。ざんねん至極。

マリオくん、がんばって! なんとか会期中に見に行きたいと思う。

2012年1月17日火曜日

「DU」2号

ディスクユニオンの雑誌「DU」2号にレヴューを書きました。アニャンゴこと向山恵理子のCD『Tei Molo』と著書『もっと遠くへ』、そしてブラジルが誇るアドリアーナ・カルカニョットのCD『サンバの微生物』について。ぜんぶ全面的にお勧めします!

この号、三角みづ紀さんへのインタビュー「すべては詩人として」を初め、充実です。ディスクユニオンで入手してください。

松浦寿輝「波打ち際に生きる」

東大文学部で松浦寿輝さんの退官記念講演「波打ち際に生きる 研究と創作のはざまで」を聞く。人生のこの段階で、あえて文筆専業の道を選ぶ覚悟に感銘をうける。つねに波打ち際に身を置いて、その位置から書いてきた彼の圧倒的な文業が、これからまったく別のフェイズに移行するのか。戦慄。

その波打ち際の魅惑の始まりが、房総半島の「ほた」「とみうら」という漢字でどう書くのかもわからない地名だったという冒頭近くのエピソードに、ついにっこり。あの巨体の松浦さんが、そのときばかりは半ズボンに開襟シャツの小学生に見えた。波を呆然と見つめ足元の崩れる砂を楽しむ、でっかい小学生に見えた。

2012年1月16日月曜日

「嗜み」13号

雑誌「嗜み」13号のクロスカルチュラル・レビュー。

ぼくはショーン・タン(岸本佐知子訳)の絵本『遠い町から来た話』の書評と、あの映画監督デヴィッド・リンチのミュージシャンとしての仕事『クレイジー・クラウン・タイム』のCD評を書きました。

前者は斉藤夕子さん、後者は大城譲司さんとの組み合わせです。

どちらもお勧めします!

Obrigadinho!

昨晩のレイニーデイでの『コロンブスの犬』イベント(港千尋+旦敬介+ぼく、そして伊藤ゴローさん)にお越しいただいたみなさま、本当にありがとうございました。

すでに老境に達した(?)われわれにとって、昔話はいつも楽しいものですが、あっというまの2時間でした。即興でお願いした、旦くんの短編集『ようこそ奴隷航路へ』からの朗読、最高でした。

またブラジル帰りの成田空港から直接かけつけてくれた(フライトの疲れ、想像しただけで大変!)伊藤ゴローさんの、リオで録音したばかりの音源に合わせたぼくの朗読も、一回のリハーサルもなく臨んだにもかかわらず、奇跡的に時間が合って。驚きました。

でもそれがブラジル。ブラジルとは、即興の力の別名。そしてそれはアフリカがブラジルに与えたこと。

いつものことながら音響を担当してくれたアミイゴさん、店長の林下さん、出演者用おにぎりを作ってくれたゆかちゃん、みなさんありがとうございました。そして何より、そもそもこの忘れられた本を文庫に入れる決意をしてくれた河出書房の阿部さん、ありがとうございました!

次は27日(金)、今福龍太さんがゲストです。たぶんがらりとちがう内容になるでしょう。ぜひどうぞ、またどうぞ!

2012年1月13日金曜日

『春の先の春へ』評by 陣野俊史

批評家の陣野俊史さんによる『春の先の春へ』(左右社)評です。ソウルフルな作品へのソウルフルな応答!

「こればっかりは、聴いてもらうしかないのだが、古川さんが賢治の詩を朗読している間、魂の深いところで揺り動かされた。『魂』なんて平凡な言葉だが、それしか言い表せない」(日本経済新聞、2012年1月11日夕刊)

みなさん、ぜひ聴いてみてください。

2012年1月11日水曜日

読売書評 #1

読売の書評、これから通し番号をつけていきます。8日(日)掲載分がウェブで読めるようになりました。とりあげたのはマーク・シャツカー『ステーキ! 世界一の牛肉を探す旅』(中央公論新社)でした。

http://www.yomiuri.co.jp/book/review/

Jeffrey Johnson, Haiku Poetics

アメリカ人の比較文学者Jeffrey Johnsonの著書Haiku Poetics in Twentieth-Century Avant-Garde Poetry (Lexington Books) が発売されました。裏表紙のblurbをぼくが書いています。

英語圏のみならずスペイン語圏、ポルトガル語圏での前衛詩に俳句が与えた影響について論じた、きわめて読み応えのある本格的論考。ぜひごらんください。

『コロンブスの犬』写真展

ぼくの本『コロンブスの犬』(河出文庫)に収められた写真は、すべて港千尋によるもの。30年前、まだ学部生だった彼の長いブラジル旅行から。その写真展を高樹町のRainy Day Bookstore and Cafe で開催します。

http://www.switch-pub.co.jp/events/001121111.php

15日(日)に、旦敬介+港千尋+ぼく。
27日(金)に、今福龍太+港千尋+ぼく。

2回のトークセッションも準備しています。そう、『ブラジル宣言』(弘文堂、1988年)のメンバーの、長い長い時間を経た再集結です。

ぜひ来てください! この機会に特製ポストカード(全8種)も作りました。すばらしい出来映えです。買って、書いて、誰かに出してください。

2012年1月7日土曜日

『春の先の春へ』

古川日出男による宮澤賢治作品の朗読CD本『春の先の春へ』(左右社)が年末から書店に並びはじめました。すでに熱い感想を寄せていただいた方、ありがとうございました。

ぜひ聴いてください。小池昌代さんとぼくがエッセーを寄稿しています。声の強さと励ましを実感できるCDです。賢治が日出男を待っていた、とすら思えてきます。

ひとりで聴き、またご家族やご友人たちとも聴いてみてください。そしてライヴ朗読会を企画してください。

12月24日にやった、古川日出男+小島ケイタニーラブ+ぼくの朗読劇『銀河鉄道の夜』は、これからさらに磨いたヴァージョンを各地で上演してみたいと思っています。そちらも、よろしく!

読売新聞、書評

読売新聞の書評委員になりました。任期は2年間。早速、明日の日曜日から、月に2本くらいのペースで書評を書いてゆくことになると思います。

担当ジャンルは特にないので、気のむくままに、そのときどきで。もっとも、「おもしろい、おもしろそう」と思う本の100分の1もとりあげられないわけですから、できることは多くはありません。

それでも何かのきっかけになれば。何かと何かがつながれば。伝令みたいな仕事だと思っています。あるいは砂浜で、「本が見えたぞ!」と村人にむかって叫ぶ係とか。

書評というジャンルのむずかしさを、これから改めて味わうことになりそうです。

2012年1月5日木曜日

松浦寿輝さんが

文学研究、詩と小説の創作、いずれをとっても第一級のお仕事を(しかも厖大な量!)されてきた松浦寿輝さんが、定年まで何年も残して東大をお辞めになるそうだ。その退官記念講演のお知らせ。これは万難を排して、行きます。

これからは創作に専念されるということだろうか。これからプルーストに匹敵する、あるいは少なくとも三島の『豊饒の海』を凌駕する、河のような長篇が書かれてゆくのかもしれない。刮目。

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東京大学退官記念講演
松浦寿輝「波打ち際に生きる──研究と創作のはざまで」

日時:2011年1月16日(月)午後5時〜6時30分
場所:東京大学・本郷キャンパス
法文2号館2階 文学部1番大教室(定員220人)

司会:沼野充義   進行:加藤有子
主催:東京大学文学部現代文芸論研究室

会場への最寄駅:地下鉄丸ノ内線・大江戸線「本郷3丁目」、南北線「東大前」などから徒歩10分。
講演会の詳細・会場への地図につきましては、以下のウェブページでご覧ください。
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/genbun/120116matsuura.html

問合せ先:東京大学文学部現代文芸論研究室
電話03-5841-7955 

2012年1月1日日曜日

「水牛のように」2012年1月号

あけました。希望の年をみなさんに祈りたいと思います。

「水牛のように」更新されました。ぼくの詩は、大晦日の晩に書いた2片が掲載されています。

http://www.suigyu.com/sg1201.html#01

それでは今年もいろいろやりましょう。よろしく!