2010年6月30日水曜日

ImaginAsia(想像亜洲)終わって

そしてついに最終発表会も終わり、お別れパーティーも終わり、疲れたけど楽しかった。すばらしい経験でした。

6グループの作品はどれもおもしろいけれど、台北でのPassing でみんなをあっといわせたグループが、表参道におけるPassingでまたまた強烈なヴィジョンを見せてくれた。こいつら、やります。これでアジアの7都市くらいで連作を作ってみたなら、すごいものになる。

盧非易老師をはじめ、みんな本当にありがとう。これからも毎年、こんな旅=制作の機会を育てていこう。どんぐりを発芽させ、苗木を大きくするように。来年もやります、確実に。

いま、アイヌ文化を生きる

明治大学生田図書館ギャラリー・ゼロでの新しい展示です。

7月13日(火)には、特に注目!ぜひ生田の丘を訪ねてきてください。


「いま、アイヌ文化を生きる」

アイヌモシリへの祈りと共生の思想を、祭具、民具、衣装、手工芸品、写真、カムイノミ、楽器(トンコリ、ムックリ)、歌(ウボボ)、古式舞踊(リムセ)に乗せておくる先住民族アイヌからのメッセージ

会期:2010年7月2日(金)〜7月26日(月)
開館時間:平日9:00〜19:00  土9:00〜18:30 日祝10:00〜16:30
会場:明治大学生田図書館Gallery ZERO
川崎市多摩区東三田1-1-1 phone 044-934-7945
小田急線生田下車、南口徒歩10分
主催 明治大学理工学部総合文化教室浜口研究室

カムイノミ&古式舞踊(図書館脇林地)
7月13日(火)10:30〜

アイヌ音楽&トーク(Gallery ZERO)
同日12:00〜

出演:星野工 居壁太 平田幸 工藤千秋 工藤真由美 近藤美奈子(関東在住アイヌの方々、他)

2010年6月29日火曜日

いよいよ明日です、来てね!

第1回 ImaginAsia 最終発表会が近づいてきました。いまごろはみんなポスト・プロダクションに必死、のはず。こっちは学部の業務とゲラ直しと原稿書きに必死です。

ともあれ、明日は以下のように進行します。ぜひごらんください。歴史に立ち会ってください!


新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系では台湾の国立政治大学コミュニケーション学部と映像制作の国際ワークショップを進行中です。6月初めの台北での制作に続き,今月末には東京での制作を実施。

 その最終発表会を以下のように開催いたします。

日時 6月30日(水)14:30~17:50
場所 アカデミーコモン2階 A4・5会議室
主催 新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系

 両大学院生による混成グループ,6グループがそれぞれの作品のプレゼンテーションを行います。どうぞご覧ください。

2010年6月28日月曜日

ジュンク堂の夕べ

土曜日はジュンク堂での「UとQ」対談。来てくださったみなさん、ありがとうございました!

もっとも、お客さんの大部分は明らかに清岡ファンクラブ。ユーモアにあふれた先生にしたがって、フランス語神話が崩壊したあとのポストコロニアル世界フラ語にこれから深く潜ってゆく覚悟のある人たちばかりでした。

そんな彼女ら彼ら(そしてぼくら)には、クセジュの世界は、使わなければあまりにもったいない鉱脈。ぜひ全タイトルを、少なくとも、意識してゆきましょう。

Uブックスの話は、ほんの入口でおしまい。限られた時間では仕方なし。でもそれぞれに紹介したタイトルが、何かのきっかけになればと思います。

この対談、いずれはジュンク堂ホームページに掲載される模様ですが、さしあたっては清岡さんの報告を。

http://tomo-524.blogspot.com/

そしてわれわれの共通の友人である、ミラノ在住の安西洋之さんの感想を。

http://milano.metrocs.jp/archives/3467

それにつけてもジュンク堂、恐るべし。ぼくらの夕べはささやかなものでしたが、毎日のように、各種のイベントを仕掛けています。本を売ることを短期的視野で考えるのではなく、最低でも10年、20年のスパンで、書物が媒介する文化の創造へのきっかけを提供しようとしている本屋さん。書店からの/という贈り物ここにあり、との感を改めて強くしました。

リアル書店は楽しい。学生のみんなは(前にもいったけど)必ず週に5時間は本屋さんで過ごすこと。表紙背表紙裏表紙だけの読書だっていいじゃないか。そうしているうちに、だんだん目が獣みたいに光ってくるから。

2010年6月23日水曜日

夢はいつも

夢はいつも変だけど、電車の中でうとうとしてて見た夢の報告。

まさに目覚めようとするとき。こんな声が聞こえた気がした。

Il pleut.
La pluie, elle est éternelle.

女性の声で、ドキュメンタリーのナレーション風。その声がハスキーで格好いいので、「あれ、誰かな?」と思う。すると同僚の清岡さんが、あれは××というフランス語圏アフリカの歌手だというので、納得。名前を書き留めようと思うが、そのまえに目が覚めた。

というわけで、その清岡さんとの書店イベントもいよいよ今週末です。

http://www.junkudo.co.jp/UQ.html

2010年6月21日月曜日

台風の接近だ

7月2、3、4日。カルチュラル・タイフーン2010が開催されます。長尾洋子さん(和光大学総合文化学科)との共同企画としてWalker's Cafeを出店しますので、ぜひお茶を飲みに立ち寄ってください。歩くことを巡る本36冊の展示つき。奥多摩、下町馬づくし、伊豆大島の3つの歩行の報告もあります。そしてできれば、当日も歩きたい!

カルチュラル・タイフーン2010@駒澤大学
「映像で結ぶ公共圏とアジア」

日 時 2010年7月2日(金)[前夜祭]
2010年7月3日(土)[10:00〜18:30]
2010年7月4日(日)[10:00〜18:00]
場 所 駒澤大学深沢キャンパス [http://www.komazawa-u.ac.jp/cms/access]
参加費 専任大学教員5000円/一般・学生1000円
*展示ブース・パフォーマンス、もしくはシネマ・タイフーンのみの参加の
場合、参加費は無料になります。詳細は、洋館1階に設置される受付にて
ご確認ください。

公式サイト http://cultural-typhoon.com/
公式ブログ http://cultural-typhoon.com/blog/
公式twitter http://twitter.com/CulturalTyphoon
お問い合せ apply<at>cultural-typhoon.com
                     *<at>を @ に書きかえて送信してください。

**********
深沢キャンパス日本館において、2日間で3つのメインパネル、27のパネル・セッシ
ョンが予定されています。

■基調講演会1+座談会■
「拉致と日韓併合100年—いま、どのような対話が可能か?」
2010年7月3日(土)10:00〜14:20(開場9:30)
司会/コーディネーター:テヅカヨシハル( 駒澤大学)
第一講演者:蓮池透(元・拉致被害者家族会事務局長)
第二講演者:梁英姫(ヤン・ヨンヒ)(映画監督)
第三講演者:テッサ・モリスースズキ( オーストラリア国立大学)
応答者:吉見俊哉(東京大学)

■基調講演2■
「貧困/女性/抵抗」
2010年7月3日(土)17:00〜18:30
司会/コーディネーター:植松青児(労働者/Cultural Typhoon2010実行委員)
第一講演者:雨宮処凛(作家)
第二講演者:栗田隆子(女性と貧困ネットワーク他)

■基調講演3■
「町で生きる:ヒップホップ・アニメ・団地」
2010年7月4日(日)15:20〜17:20
司会/コーディネーター:山本敦久(上智大学)
第一講演者:佐藤大(脚本家/story riders)
第二講演会:富田克也(映画監督)
第三講演者:二木信(音楽ライター)

**********
■パネル・セッション■
スケジュール・発表者については、今週中に公式サイトの方に掲載される予定です。

■展示ブース・パフォーマンス■
今年の展示ブース・エリアのテーマは、タイフーン・カフェ。そこは単なる飲食空間
ではなく、さまざまな人びとが出会い、交流し、議論し、新しい何かを始めるための
空間です。深沢キャンパス洋館に設置されたカフェ内では、飲食・物販・トーク・展
示などのブースを併設、また小規模のパフォーマンスやトーク・ライブなどが予定さ
れています。詳細は、追って公式サイトにUPされます。

■シネマ・タイフーン■
3日午後には、深沢キャンパス洋館2階にて、シネマ・ギャラクシーを企画。4日に
は、深沢校舎にてドキュメンタリー映画上映を行う予定です。詳細は、追って公式サ
イトにUPされます。

夏至、おめでとう

ついに今年も夏至。きょうは夜明けから、太陽に感謝して生きよう。何か儀式を考えたいが、思いつかないな。せめて朝日が昇る方向に、徴をつけておこうか。いつかはブリテンかアイルランドの巨石遺跡で夏至を迎えたい。

2010年6月20日日曜日

ImaginAsia(想像亜洲)最終発表会!

ImaginAsia(想像亜洲)国際ワークショップ作品発表会のお知らせです。

新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系では台湾の国立政治大学コミュニケーション学部と映像制作の国際ワークショップを進行中です。6月初めの台北での制作に続き、今月末には東京での制作を実施。その最終発表会を以下のように開催いたします。

日時 6月30日(水)14:30〜17:50
場所 アカデミーコモン2階 A4・5会議室
主催 新領域創造専攻ディジタルコンテンツ系

両大学院生による混成グループ、6グループがそれぞれの作品のプレゼンテーションを行います。どうぞご覧ください。

2010年6月19日土曜日

サマータイム

この季節、こんな雨の夜でも、午前4時になると空が明るく青くなってくる。日本は経度に対する時間帯の設定がまちがっているのではないだろうか。午前4時を6時と呼んで、フルに活動すればいいと思うんだが、どうだろう。

ぼくはサマータイムの導入に賛成。

2010年6月16日水曜日

ブルームズデイ、おめでとう

ところできょうはブルームズデイ。友人たちと集まる時間もないので、せめてはひとりギネスで乾杯しようか。ダブリンを思いつつ!

ディジタルコンテンツ系説明会

いよいよ今週の金曜日、18日。ディジタルコンテンツ系の大学院進学説明会を開催します。生田地区では昼休み、12時10分から約40分。中央校舎0303教室にて。ついで夕方には駿河台地区、18時から19時。リバティタワー1064教室にて。

http://www.meiji.ac.jp/koho/hus/html/1275380687.pdf

いずれも、ほぼ同一内容です。研究室紹介をメインにします(ただし宮下研究室の紹介は生田地区のみで実施)。その後、時間が許すかぎり、個別の進学相談を受け付けますから、ぜひどうぞ。

行け、ジェフン、フェイフェイ、ユンユン

そうか、「留学生文学賞」って、あるんだ。

http://www.ryu-bun.org/appclctn/index.html

いいぞ、これは。やりがいがある。みんなぜひ応募してごらん。パコだって、もしいま日本に滞在していたなら応募できたんだなあ。

みんな、日本語はどんどんうまくなっている。文章のアドバイスは、まあ、してもいいんだろう。この賞のために日本語を覚えたんだと思って、思い切り、書きたいことを書けばいい。

さあ、行け! ダニエルは来年だ!

2010年6月15日火曜日

Periódico de Poesía

メキシコの文芸ウェブ雑誌「ペリオディコ・デ・ポエシア」に、ぼくのWalking 連作のうち3編が掲載されました。南映子さんによるスペイン語訳です。

http://www.periodicodepoesia.unam.mx/index.php?option=com_frontpage&Itemid=1

これはうれしい。彼女は10年前のぼくの学生。いまではすっかり、ぼくのスペイン語の先生です。

いつかはスペイン語で詩集を出してみたい。そのためには、あと20年は生き延びなくちゃ!

ポルトガルがやってくる、見逃すな

女子美でポルトガル現代美術の展示が始まるようです。題して「極小航海時代」!このネーミング、最高。そしてこの枠の中で、ペドロ・コスタがやってくる(among others)。これは絶対に行かなくちゃ。


the age of micro voyages —極小航海時代— ポルトガル現代美術展

会期:2010年6月19日(土) — 8月1日(日)
時間:10:00‐17:00 (最終入館は16:30まで)
休館日:火曜日
料金:無料

会場:女子美アートミュージアム

アーティスト:
ジョアン・タバラ
マリア・ルジターノ
ミゲール・パルマ
ペドロ・コスタ

主催:女子美術大学美術館, 女子美術大学
後援:ポルトガル大使館, 相模原市, 相模原市教育委員会
協力:女子美術大学 大学院GP
協賛:ポルトガル大使館
企画:女子美術大学 大学院GP, 特定非営利活動法人art & river bank
http://www.joshibi.net/outreach/gsgp/news/news_future.html

「the age of micro voyages —極小航海時代—」は、現在国際的に活躍する3人のポルトガル人アーティスト、ジョアン・タバラ、マリア・ルジターノ、ミゲール・パルマと映画監督であるペドロ・コスタの作品を通して、現代ポルトガルのアートシーンの一端を日本に紹介する展覧会です。

関連イベント

オープニングレセプション
2010年6月19日(土) 17:00-19:00 女子美アートミュージアム

公開レクチャー

ジョアン・タバラ 2010年6月25日(土) 15:00−16:30 相模原キャンパス10号館1階1011スタジオ

ペドロ・コスタ 2010年7月31日(土) 15:00−16:30 相模原キャンパス2号館2階224教室

トーク・イベント

“アルヴァロ・シザ:ポルトガルの現代建築”
中村光則(元シザ事務所所員)×KIKI(モデル・女優)×杉田敦(批評家)
2010年7月10日(土)14:00−16:30 相模原キャンパス10号館1階1011スタジオ
  



極小航海時代

大航海時代を切り拓いたとされる大陸の西端の国ポルトガルは、かつて、最初に船出して、最後に帰港したと揶揄されていた。つまり、行く手が虚無に落ち込んでいるとも知れない大海に、勇壮にも真っ先に出帆していったにもかかわらず、辿り着いた先での出来事にあまりにも心を奪われてしまったがために、自国をないがしろにし、その充実を忘れ去ってしまったというのだ。しかもその勇壮な船出でさえ、今日では、植民地主義を先導したものとして、むしろ否定的に言及されることが多い。けれども、いやだからこそと言うべきだろうか、その国やその国の人々は美しい。そしてその国の文化は、独特の陰影で静かに輝いている。だが残念なことに、帰港の遅れは、その輝きをとらえようとする視線さえ奪い去ってしまったようだ。そんな国で、ポスト・コロニアリズム的な認識に基づく自省を通過して、ささやかに、けれども誠実な手つきで生み出されてくるものがある。その微かで慎ましい、けれども深みを湛えた輝きは、かつての船出以上の意味を秘めている。わたしたちは、その輝きを、もっとしっかりと凝視める必要があるだろう。ポルトガルの現代美術作家を中心として構成される『極小航海時代』は、そのための展覧会として企画された。かつてスペインとともに世界をわが手にしていた国で紡がれるささやかな試み、つまり極小の船出は、ポスト・コロニアリズムを生きるわたしたちにとって、何らかの海図としての意味を果たすことになるだろう。むしろこの小さな船出こそが、本当の意味での新しい世界へと誘ってくれるのかもしれない。(杉田敦・批評家) 

バレンシアで

新領域創造専攻におけるぼくの同僚、安全学系(建築・都市計画)の山本俊哉さんが学生たちと一緒に参加していたのが、バレンシアのカバニャル地区再開発をめぐるスペイン=ドイツ=日本の国際ワークショップ。

たとえばこんな報道があったようです。

http://www.abc.es/agencias/noticia.asp?noticia=418390

すばらしいことです。われらがImaginAsiaも、今後どんどん活発にいろいろな都市をまきこんでゆきたいと思います。

今回のワークショップには、この春、修士号を取得してカナダに帰国したぼくの元学生パコ(フランシスコ・ガルシア)も、急遽、通訳として参加し活躍してくれたもよう。これも、うれしい。いいぞ、パコ!

以下、山本さんにいただいたリンク先を紹介します。

明大学生のグリーンキューブの提案が見出しから紹介された記事がありました。
http://www.levante-emv.com/valencia/2010/06/14/cubos-verdes-talleres-artisticos-reforma-cabanyal/714386.html
私のコメントが掲載された記事は
http://www.publico.es/espana/320060/mapa/emociones/resistencia/cabanyal
明治大学が3月から研究作業を行なってきたことを紹介している記事は
http://www.abc.es/agencias/noticia.asp?noticia=418390
マッピングワークショップなどの記事は、
http://www.elpais.com/articulo/Comunidad/Valenciana/Cabanyal/busca/referentes/elpepuespval/20100610elpval_10/Tes
初日の会場風景の写真が掲載されている記事
http://www.levante-emv.com/valencia/2010/06/10/politecnica-busca-referentes-cabanyal-tokio-hamburgo/713254.html




何かが起きている

どこで? 池袋のジュンク堂1階で。すでにお伝えした「UとQ」に加えて「左右社」、そして「風の旅人」バックナンバー全点と、大竹昭子さん+赤々舎の写真集。ぼくはいずれも少しずつ接点をもっています。

http://www.junkudo.co.jp/UQ.html

ぼくは台北に行っていて見逃して残念だった大竹さんと赤々舎の姫野さんの書店トークについては大竹さんのブログから。

http://katarikoko.blog40.fc2.com/

追いつめられたような危機感ばかりが強調される日本の出版界ですが、1、2、3人程度の小規模出版社(左右社やインスクリプトや月曜社や洛北出版やその他)によるきわめてレベルの高い人文書の企画にしても、また書店の若手の店員さんたちが積極的に「本脈」(細川周平さんの造語)形成に関わっているようすを見ても、かつてないほどのソウルと活気がみなぎる時代になってきたと思います。

本はおもしろいんだよ。読めなくてもおもしろいんだ。出会うのがおもしろいし。忘れてもおもしろい。買えればおもしろいのはもちろん、立ち読みでもおもしろい。出会いそこなえば、またいつか出会うときがある。それも楽しい。

みんな、本屋さんに散歩に行こう。そして以前から冗談でいってることだけれど、水族館にお泊まり企画があるように、書店キャンプをやってみたいものです。寝袋で、懐中電灯で、みんなでぼそぼそ小声で話をしながら、昆虫採集のように、一晩中。

どこかの書店で、この夏、やりませんか? 

2010年6月14日月曜日

「広告」2010年7月号

雑誌「広告」の最新号「広告の新しい役割って何だろう?」に、ぼくの談話として「世界の多様性をつくる<翻訳>という仕事」が掲載されています。

間もなく取り壊される明治大学駿河台地区11号館の一室で、ぼくがボソボソとしゃべったことをまとめてくれたのは、『極東ホテル』の写真家で、音楽家=編集者でもある鷲尾和彦さん。ありがとうございました!

あまり大した内容もないが、いま改めていえるのは次のひとこと。

「ヒトという種にとって、一人の先行する人間というフィルターを通して見ることが、世界を認識するもっとも効率のいい方法だからです」

どれだけディジタル情報が肥大し拡散しようが、こればっかりは10万年やそこらでは変わらない。

熊を殺してはいけない

環境省が発表している公式の数字。

http://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs4/capture-qe.pdf

日本列島は熊の列島、だった。これだけの数の熊たちを毎年殺しつづけて、いったいどうするつもりなのか。絶滅はすぐそこだ。

「予察駆除。つまり、前もってクマ被害を予防するという名目である。しかし実際は、漢方薬として金より高く売れるクマの胆のうが一番大きな時期をねらって行うのである」(宮澤正義『家族になった10頭のクマ』角川学芸出版)。

熊が住む地帯、森を守りぬくこと以外に、ヒトの未来もない。森、川、海。熊は列島のウィルダネスの代表だ。

2010年6月13日日曜日

倉石信乃『スナップショット 写真の輝き』

写真批評の現代日本における第一人者、そしてわが同僚である倉石さんの、久々の著書が完成しました。

http://fiatmodes.blogspot.com/

写真に興味をもつすべての人にお勧めします!

2010年6月11日金曜日

佐倉遠足

快晴の一日、「コンテンツ批評」受講者のみんなと佐倉への遠足。川村記念美術館と国立歴史民俗博物館。充実の一日となった。

川村は前から行きたくて、結局行ったことのなかった場所。あまりの広大さ、美しさにびっくり。そしてかねてから憧れていた「ロスコの部屋」では、茫然と立ちつくしてしまった。ぼくにとっては最高の画家。詩はスティーヴンス、絵はロスコ。この部屋から階上のバーネット・ニューマン「アンナの光」という流れは、言葉を奪うすばらしさ。

そしていま開催中の「箱宇宙を讃えて」は、これもこうした美術館の展示の最高峰だろう。ジョゼフ・コーネルの収蔵作品の展示に、高橋睦郎の詩を添えている。展示室の全体がコーネルの箱そのもののように構成され、活版印刷フランス綴じの信じられないほど美しいカタログが作られた。これこそキュレーターの勝利。林寿美さんとおっしゃるのだろうか。高橋さんの詩の英訳は、われらがジェフリー・アングルス。いうことなし。いつかぼくも、こんな展示のためにテクストを書いてみたいものだ。

歴史民俗博物館は、ちょうど第6展示室「現代」がオープンして間もなく、こちらも圧倒的だった。半日の行程ではとても見られない。お弁当をもってゆっくり行くべき場所。

こうして、行きはJR、帰りは京成の旅が終わった。あとはみんなのレポートを待つだけ。学期に一度は、こんな遠足を企画したいものだ、これからも!

2010年6月9日水曜日

政治大学ホームページから

国立政治大学のホームページにある、台北ワークショップのプログラムです。中国語、真剣にやろう。

http://excellence.comm.nccu.edu.tw/01_news_detail.php?sn=195

「風の旅人」の全貌

11日(金)から池袋のジュンク堂で雑誌「風の旅人」のフェアがはじまります。40号を数えるこの希有のグラフ雑誌の全貌が明らかになります。1階、レジ横に、バックナンバーがせいぞろい! この機会に全号を集めておけば、一家の精神的な財産として半世紀、1世紀、楽しめるでしょう。

編集長、佐伯さんのブログ。

http://kazetabi.weblogs.jp/

ちなみにジュンク堂のおなじフロアでは、ぼくが選んだ白水社の「UとQ」フェアも開催中。そちらも合わせて、どうぞ。

リアル本、リアル書店は、不滅。人が言語のアレンジメントのもっとも新鮮でもっとも深い部分を求めるかぎりは。学生のみんなにいっておこう。毎週5時間は、書店の森をさまようべきだ。さらに5時間は、図書館をさまようべきだ。そうしなければ見えてこない世界がある。I'm telling you!

倉橋由美子文芸賞!

明治大学連合父母会文学賞の募集要項が発表されました。

http://www.meiji.ac.jp/koho/hus/html/dtl_0006143.html

明治の学部生、大学院生、留学生は誰でも応募できます。ぜひこの機会に、一攫千金を夢見て(?)作品を書きましょう。

今年の特筆すべき特色、それは小説・ノンフィクション部門である倉橋由美子文芸賞の選者の顔ぶれ!

高山宏さん、陣野俊史さん、そしてぼくが選考にあたります。プロの作家をめざそうがめざすまいが、ソウルにあふれた作品を待ってます。さあ、原稿用紙を買いに走れ!(といっても提出原稿はワープロのみ。)

今成夢人『ガクセイプロレスラー』

台北ワークショップ最終日、みんなの発表が終わったあとぽっかり時間が空いたので、たまたま持っていた1枚のDVDを見せることにした。ドキュメンタリー映画。学生プロレスの特異な(あまりに特異な)世界を描いた、今成夢人『ガクセイプロレスラー』だ。

台湾に来る直前の名古屋での港千尋との対談が終わったあと、声をかけてくれたのが今成くん。港くんの元学生で、多摩美術大学の卒業制作として作った作品だという。見て、うなった。おもしろい。ぜんぜん知らない世界だが、笑える。スピードがあり、力がある映像だ。そしてかれらの世界観に寄り添いつつも、必要な距離をおいてそれをきちんと対象化している。

イメージフォーラム・フェスティバルで観客賞を受賞したそうだが、それも当然。明治の学生も政治大学の学生も、おおよろこびで見ていた。以下、明治の学生たちが寄せてくれた感想を。なぜか男子ばかりが感想をくれたのも、この作品の性格を物語っているのか。

今成くん、次回作もがんばってください!


 「僕のなかで最も印象的だったのは、笑うべきシーンでの感動でした。感動すべきではないような場面での感動は、自分の心の中で葛藤を起こしました。映像が終了し、周りのみんなが笑いながら会話する中で、ぼくは涙腺がゆるんで笑うことはできませんでした。その時はなぜかわからないけどただただ感動しました」(関)
 
 「もしかしたら男にしか伝わらない場面もあったのかもしれない。でも何かに対してカラダで死ぬほどに懸命に取り組んだと言える人にとっては、彼らほど尊敬できるひとはいない」(原)
 
 「彼らは非リア充なのか。社会では、人を評価しようする。映像に出ていた就職活動もその類。では、人に絶対的な評価があるのか。彼らは優秀なのか。優秀であり、優秀でない。評価は相対的なもの。それぞれの人生との比較。彼らは、リア充であり、リア充でない。人に絶対的な評価を与えることなんてできない 」(石田)

「とても衝的な映像でした。ちょっと極端な面もありましたが新鮮でした。いい位を取って、またいいところに就職する、すなわち安定な生活に安住しようとする大多に、彼らの姿を通じて、胸の中の深くしておかれた、あるいは捨てなければならなかった、熱情を呼び起こします。危を省みず、どうして生プロレスを選したのか、その動機が充分によくされたら、さらにいいドキュメンタリにならなかっただろうかと勝手に思いました。作者は放送局に就職したと聞きましたが、今後ともいい映像を期待します」(宋)

「全編スピド感にちていて、『遊びに一生懸命になれないで何に一生懸命になるんだよ』などの名言もちりばめられており、忘れられない作品になりました。台の人たちにも大反響でした。中語版、英語版もぜひ作ってください」(大洞)

「自身にするコンプレックスを抱えた男がとった大胆にも見える決意が全面に出ていた。
女性からは決してわらない、男性ならではのコンプレックスともいえる<リア充>。
作中に出てくる年は周にいる<リア充>にして自身を<非リア充>と呼んでいた。
彼のように他人より劣っていると自分を卑下する事は珍しくない。

しかし、その心のみを肉体にさらけ出し、そこに快感や生きがいを見出す。
作品で彼はこのような事を言っていた。
『ガクセイプロセスはAVと同じ』と。
意表をついた言だが、得力がある。
それまでガクセイプロレスを知らなかった自分は、ここでその魅力を理解し、
彼がガクセイプロレスを選んだ理由に頷いた。

自分もどちらかというと<非リア充>と感じているが、
彼のように自分を熱く語れるほどのアイデンティティは持っていない。
自分にとって彼はそこがカッコいいと思わずにはいられない。

また全裸になって恥ずかしさを全面に表へす行も中できる事ではない。
常に躊躇い、惑いを身に纏っている自分には到底似できない。
社はどうして評してくれないのだろうか。

そんなふうに自分自身に自信がなくなった人、自分を<非リア充>だと思いんでいる人には
、是非この作品を見る事をすすめる。


『ギタける俺ってカッコいいって言う奴が嫌い』
と愚痴をこぼした瞬間に<ギタを担いだリア充>とすれ違うシン。
偶然が生み出したであろう、ドキュメンタリならではの表現だ。
これには意表を突かれた」(小久江)



若い人達のどこにぶつけていいのか分からないエネルギーが溢れているように思いました。プロレスはあまり見たことがなかったのですが、動きや魅せ方が本当によく考えられているんだなぁと感心しました。あんなに1つのことに打ち込める彼らでさえ、それを仕事にすることができないのは、非常にさびしい時代でもあるのかとも感じました。ナレーションが、アナウンサーと違って安定感がないのが、逆に作品を身近なものにしてくれたように思います。でも、台湾の人達は「日本人はみんな裸で外ではしゃいだりするんだ」とびっくりしていたので、日本を余り知らない人には多少勘違いを招く表現もあったようです。とはいえ基本的に台湾の人も楽しく見ていたようなので、向こうの方々にとってもよい刺激になったと思います。(清水)

2010年6月8日火曜日

学内説明会

ディジタルコンテンツ系の学内選考向け説明会を、きょうのお昼休みに生田で開催しました。

専任教員4名、すなわち宮下芳明、福地健太郎、倉石信乃、ぼくが、順次、研究室を紹介。客観的にいって、小さいけれど非常におもしろいプログラムに育ってきたと思います。

18日にはお昼休みに生田校舎で、夕方には駿河台校舎で、一般入試むけの説明会を行ないます。関心のある人は、ぜひ出席してください。

2010年6月5日土曜日

「すばる」2010年7月号

「すばる」7月号に、3月に来日したアメリカの詩人ジェローム・ローゼンバーグへのインタビューを掲載していただきました。題して「ジェローム・ローゼンバーグと、太平洋の両岸で」。

今年は1月のカリフォルニア、3月の東京と、ジェリーさんと2度も朗読の場をもてて、ほんとうに幸運でした。

小柄だけど、声が強い、目が強い。そのまなざしを中野義樹さんのカメラがよく捉えています。このすばらしいポートレート写真のためだけにでも、ぜひごらんください。

以下で、冒頭だけ読めます。

http://subaru.shueisha.co.jp/person/1007_1.html

週刊ブックレビュー

台北から帰ってきました。充実の滞在、こんどは今月下旬のワークショップ東京篇です。

さて、それで残念ながら見逃してしまったのですが、今朝のBSの「週刊ブックレビュー」で『本は読めないものだから心配するな』が取り上げられたようです。

http://www.nhk.or.jp/book/review/index.html

紹介してくれたのは作家・道化師として特異な活動を続ける明川哲也さん。どうもありがとうございました。さあ、これを機会に、みんなでどんどん読めない本を読もう! 

2010年6月4日金曜日

ワークショップ終了、楽しかった!

国立政治大学数位内容学科・明治大学ディジタルコンテンツ系合同のImaginAsia台北ワークショップ、ぶじ終了しました。

出会ってから48時間以内でチームの共同制作を完成させるというクレイジーな課題にみんなよく応えて、すごくいいものができました!

5、6名のグループがぜんぶで6つ。不自由なコミュニケーションをものともせず、アイデアを出し合い、取材し、撮影し、ポストプロダクションまで、みんなよくがんばった。

グループ1は中山北路の果てをたしかめるためひたすら北上し山道に迷い込む。その過程をマッピングし、映像に。

グループ2は臨済護国禅寺を舞台に、通じない言葉による対話がひたすらくりひろげられる。

グループ3は迷蔵街/Maze Street と題して、中山北路のコラージュからどこにもない路地を創造。

グループ4は宝探しを主題に、町中に散逸する文字を拾い集めたスライドショーからメッセージを浮上させた。

グループ5のPassingは驚くべき傑作。地下街の出入口を舞台にループを思わせる、でもワンショットの映像とちぐはぐな会話に笑い転げた後、その背後から露呈する歴史に慄然。

グループ6のConnectionはかつての明治橋=中山橋を大きなモチーフとして、ひたすら走る謎の女を追った作品。ユンユンによるとRun, Lora, Runからヒントを得たそうで、どうすればいいかわからないときは走れという教訓に立つものだそうです。

いやあ、楽しめた。ぼくら教員は何もせず、すべて混合グループの化学反応の成果です。大学内の菜館で最後の晩餐。乾杯を重ねて、笑いの絶えない、すばらしい夜でした。

6月下旬には台湾のみんなが東京にやってきて、さらに共同制作が続行します。

2010年6月2日水曜日

「UとQ」

もうひとつブックフェア情報。ジュンク堂池袋本店の1階、入口のすぐ脇で、6月1日から白水社のUブックスと文庫クセジュのフェアがはじまりました。選書はぼく。うち何冊かにコメントを書いています(ほんとは全点書きたかったんだけど)。おまけとして、ぼくの著書も並んでいます。池袋に行ったらぜひ立ち寄ってみてください。

「水牛だより」6月号

「水牛だより」、更新です。ぼくは「犬狼詩集」7、8を寄稿しました。

http://www.suigyu.com/

宮地尚子ブックフェア@紀伊國屋書店

紀伊國屋書店新宿本店で、敬愛する友人、宮地尚子さんのブックフェアが開かれています。

精神科医として人が受ける傷について考えつづけてきた彼女ならではのセレクション。彼女自身の著作と、彼女の思考がさまざまな関係をむすぶ本が、ひとつになって川面を流れてゆくような光景。選ばれた1点1点が、心につきささってきます。

新宿に行ったら、ぜひ立ち寄ってみてください(ぼくの本ではエイミー・ベンダー『燃えるスカートの少女』が並んでいます)。

6月4日はABCへ!

金曜日、青山ブックセンター本店で、大竹昭子さんと東直子さんの対談があります。大竹さんの「カタリココ」のサイトに情報があります。

http://katarikoko.blog40.fc2.com/

それぞれ『ソキョートーキョー』と『甘い水』という長編小説を出されてまもないお二人。新作の秘密がそっと明かされそうな予感。

ぼくは台北にいて参加できませんが、みなさん、ぜひどうぞ! ABCでのイベントはいつもそうですが、最前線の作家たちと密着に近い距離で話ができる楽しい場になること、確実です。

ImaginAsia

火曜日はワークショップ初日でした。会場に到着すると、なんとImaginAsia特製Tシャツや立派なプログラムが。すべて政治大学の学生たちの作品です。

政治大学のディジタルコンテンツ学科の小ホールはメディアアートのギャラリーを兼ねた、きれいな空間。ここでまず双方の学生たちのプレゼンテーションをしました。ついでおいしいお昼をいただきながら、ぼくがディジタルトラヴェローグの可能性を語りつつニューメキシコのスライドショーを見せ、倉石さんが石川直樹の写真についての熱のこもった講演を。

それからバスで市内に移動し、台北のメインストリートのひとつである中山北路を、この道の歴史的発展についての博士論文を書かれた建築家(お名前を失念、ごめんなさい!)のガイドでみんなで歩きました。無知とはおそろしいもので、すでに何度も歩いたことのあるこの道の現在に、たとえばフィリピンをはじめとするアジアからの労働者の居住区があったり、聖クリストファー教会が独自の役割を果たしたりしている点には、まるで気づかなかった。

夜は巨大な有名レストラン海覇王でごちそうになりました。りんごの入った鍋が新鮮。来月かれらが東京に来たときにはどんなお返しができるかなあと思案中。

きょうから学生たちはグループに分かれて制作に入ります。